Category Archives: かすが幼稚園

第20回 今、本当の『進化』を遂げる時です。

 川の上空にトンビが飛んでいます。川にパンを投げると見事なグライダー飛行でそのパンをつかんで飛び上がっていくのです。

 その様子を何度か見て、ふと考えてしまいました。
「なぜ、食べられるものだとわかるんだろう?」
と疑問に思ったのです。

 川には木の葉や木の枝も流れているのです。遠めに見ると、私には区別ができない。なのに、トンビはそれにはまったく目もくれず、ただ、パンだけは、確実に取りに降りてくるのです。

 人間は、哺乳類の一種から、サル、そして人間へと「進化」してきた、といわれます。その過程でさまざまな道具を作り出し、「文明」といわれるものを発展させてきました。しかし、それと引き換えに、動物として本来持っている能力を失ってきたのではないでしょうか?

 ライオンは、そのえさとなる動物が、絶滅することのない範囲で捕らえる、という話を聞いたことがあります。その他の動物も、「自然の生態系」という規則を、本能的に守り、保っているのだそうです。人間はその規則を、文明の発展とともに壊し続けてきました。

 それが、今の地球温暖化や過剰な森林伐採による環境破壊、動植物の種の絶滅の原因になっています。本来本能的に持っていた生態系を守る能力、感覚を、文明と引き換えに失っていった結果だといえると思うのです。それは実は「進化」ではなく「退化」であり、「発展」ではなく「破壊」ではないでしょうか。

 今、大自然の摂理ともいえる生態系の規則、失ってしまったその第六感を意識して取り戻し、自分たちの生きるこの地球環境を、再び自然なものに戻していくことが大切なことだと思えるのです。

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幼稚園ねっとにご登録いただいている幼稚園コラムです。 各幼稚園のコラムを順次ピックアップして紹介していきます。

かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第19回 「Yes, No」をはっきり言わない誇らしい国、日本。

 諸外国、特に欧米から、「日本人はYes, Noをはっきり言わない」と批判を受けます。「これでは国際社会で通用しないぞ」、とまで言われます。

 さらに、多くの日本人の評論家もこれに同調して、「グローバル・スタンダードの時代に、Yes, Noをはっきり言わない日本は通用しないのです」などとの発言を繰り返している。

 これはみなさんもよくご存知で、そして「そうか、日本人、って、ダメなんやなぁ…」という印象をもたれている方も多いかも知れません。

 しかし、しかし、です。私は、はっきりと申し上げます。
 「Yes, Noをはっきり言わないのがなぜ悪い!」と。

 私たち日本人は、何千年の歴史の中ですばらしい文化をはぐくんできました。そしてその中で、物事を断る時に「またにしておくなはれ、考えておきます、今回は遠慮しておきます」という断りの言葉を生み出し、日常使用してきました。

 これは、相手に気遣い、やんわりと断る、「婉曲話法」という、優れた「断りの言葉の文化」なのです。

 「郷に入っては郷に従え」。もし、諸外国が日本で商売をするならば、まず、英語を押し付けず、日本語を、そして日本の文化・風土・国民性を勉強し、理解し、それから商談を始めるべきです。「考えておきます」は「No」だ、と知ってから商談に臨む、これが礼儀であり国際交流の基本だと思うのです。

なのになぜ、欧米の常識や考え方を押し付けられなければならないのでしょうか?

 冒頭の評論家に「あなたも日本人でしょう?そんなに日本がいやなら、国籍を変えたらどうですか?」とたずねたら、「うーん、考えておきます」。

 日本の文化に、みなさん誇りを持ちましょう!

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京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第18回 自由と規律

 私はある会で、世界的脳神経外科の権威の先生とご一緒させていただいています。

 先週の木曜日、偶然、会合で隣に座らせていただいたので、常々疑問に思っていたことについてご教示いただきました。

 まず、いつも皆様にお話ししている、「脳の発達曲線」のグラフについて尋ねました。

 私は、

「『0から6歳ごろまでに、脳の基礎的な配線は、その90%を終える。このため、幼児期はとても大切な時期だ』と考えています。いかがでしょうか?」

との問いに、先生のお答えは、「その通りですよ」。

 そこで、「ところが、先生、最近『3歳児神話』は崩れた、などと言う人がいますが、これはどうなのでしょう?」と尋ねました。

すると先生は、「4歳ごろまでが大切な時期なので、それはおかしいよ」と教えてくださいました。

 話は自由・個性・権利尊重教育の現状とその非現実性に及び、いろいろとご教授いただきました。

 たとえばご両親が、「幼児期は自由に育てることが大事」と子育てをなさっているとしましょう。そう主張される方に、私はこう尋ねています。

「それは結構なことですね…。では、子どもが赤信号を無視して、『自由』に渡ろうとしたら、どうされますか?」

 今まで、それでも自由に渡らせる、と答えられた方にであったことはありません。つまり、いつも申し上げている通り、「自由には規律」が、
「個性には基本」が、「権利には義務」が伴う、それを無意識にはご存知なのです。

 しつけや礼儀作法、社会的基本ルールは、自由を保護・保障するための最低限の規律です。

 それを「押し付け」と排除するのは、はなからおかしいことなのです。

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京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第17回 「忘れる」と「記憶していない」は違う!

 幼稚園で毎日繰り返し行っているルーティーン(日課活動)、いろんな動植物、絵画、俳句、論語などなど本当に多種多彩にわたっています。先月書いた、BOI(Bit Of Intelligence)を増やすのがこの活動の目的です。

 さて、お母様はじめ保護者の方から、「子どもって、結構いろんなことを覚えますけど、すぐに忘れてしまいます」という声を聞くことがあります。確かに、すぐ忘れてしまうかも知れません。でも、「忘れる」ということと、「記憶していない」ということは根本的に違うものなのです。

 あるものを見たとき、視覚を通して脳に入り、最終的には「海馬」といわれるところに、すべて記憶として残されていきます。

 例えばこんな経験を、誰もがおもちではないでしょうか?初めての場所に一泊で家族旅行に行った。いいですねぇ。温泉に入ってゆっくりくつろぐ。楽しい時間はあっという間にたってしまう。

帰りの電車で、ぼんやり窓の外を眺めていると、「あ、この看板、昨日、行きに見たな。この景色、覚えてる。この駅、この踏み切り、そうそう行きに通過したな」。

 いかがですか?行きの電車の車窓から、「この風景、看板を覚えておかなければ…」というわけではないにもかかわらず、記憶には残っている。

 これが本当の意味での「記憶」なのです。付け加えれば、イメージ・感性を主に司る「右脳」の働きなのです。

 6歳までの幼児期は、特にこの能力が優れて活発に働く時期です。子どもたちは「忘れる」かも知れませんが、「記憶」にはしっかりとそのイメージや情報は残っているものなのです。

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第16回 「生きる力」、園長の考え方

 「生きる力を育む教育」。文部科学省が打ち出し、その延長のひとつが「ゆとり教育」でした。

 まず「ゆとり」を、と、量的・質的に教える内容を減らした。
その結果、生きる力を育むどころか、基礎学力の驚異的な低下をまねき、さらに命を「殺傷」する子どもをも育ててしまうことになった、みなさんもよくご存知のとおりです。

 先日、ある小学校の先生が、
「お役人の『机上の空論』ですわ。現場のことを何もしらない」と
嘆いておられましたがまったく同感です。

 さて、かすがようちえんでは、「生きる力」とは、つまるところ「問題解決能力」だと考えています。

 わかりやすく説明しましょう。

 たとえば、バトミントンをしていて、誤って屋根に羽根が乗ってしまった(1. 問題の発生)。
 羽根をとる方法を考える(2. 検討)。
 考え付いたさまざまな方法を、最善の方法で試みる(3. 実行)。
 うまくいかなければ修正する(4. 修正・変更・調整)。
 羽根を取ることができた(5. 解決・適応)。

 これが、すべての「問題解決」の手順です。そして、この中でもっとも大切なものが、「2.解決法の検討と?修正・変更・調整」だと考えます。

それを多種多彩に、数多く考え出す能力がもっとも大切だ、そう考えているのです。

 その要素の単位をBOI(Bit Of Intelligence)つまり「情報・知識の粒」と呼んでいます。毎日のルーティーンで、子どもたちが「ビーオーアイ!」といっているものもこのひとつです。

 これが多ければ多いほど、その組み合わせのパターンが累乗的に多くなり、問題解決にいたる「方法の選択肢が多くなる」=本当の意味で「賢い」=「生きる力が豊か」に育つ、そう私は考えています。

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第15回 気骨のあるおじさん

 私はテレビをほとんど見ません。ですが、先日、なんの番組だったか、偶然目にして、おもしろいな、と思った場面がありました。

 現在の子どもの問題を取り上げて議論するような内容だったと記憶していますが、あるタレントがこんな話をしていました。

「電車に乗っているとき、化粧直しをし始めた女子高校生がいた。隣に座っていたおじさんが、『人前で化粧なんかするもんじゃないぞ』」とたしなめたそうです。

 私は、「ほぉ、何とそういうことを言える気骨のある人がまだいたんだな」、と感心して聞いていました。すると、そのタレントが続けて「その直後、そのおじさんの携帯電話がなって、『はい、もしもし。あー、いつもお世話になっております…』って」。

 会場も爆笑、私も爆笑、というか苦笑してしまいました。

 善悪、というものの判断は、本当にむずかしいものです。時代の流れ、そのとき、場所、状況によっても、地方、個人によっても違ってきます。

 例えば、車からタバコの吸殻をポイ捨てする人もたくさんおられます。その人が、それを「悪」と思っていらっしゃらないのでしょう。でないと、あんなに堂々と捨てられません。私はよくないことだ、と考えています。

 かくいう私も、知らず知らずのうちに「悪」を行っていることと思います。しかし、自分では気づいていなことも多いと思うのです。

 みなさん自身も、また、子育てについても、善悪の基準を再確認していただくことが大切なことかもしれないな、と思う今日この頃です。

自戒の念も込めて…。

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第14回 害虫・益虫、害鳥・益鳥

 「私、ゴキブリ、大好き!」っていう人、いらっしゃるでしょうか?おそらくどなたもいらっしゃらないことと思います。

 私は、子どものころから大の「虫好き」ですが、あのゴキブリだけは苦手です。夜、電気をつけたとき、ごそごそっと近寄ってくる、ぬめっとした茶色いはね。それが飛んで、こちらへ向かってきたときにはもう、「うわっ」とおののいてしまいます。

 一説によると、地球上のあらゆる生物が死に絶えてもゴキブリだけは生き残る、といわれています。ゴキブリは誰もが認める「害虫」の王様でしょう。

 では鳩はどうでしょう?マンションなどにお住まいの方は、糞害で困ってらっしゃるかもしれません。でも、鳩は「平和の象徴」とよばれることもあります。公園で、お年寄りがえさをやってらっしゃる光景は時にほほえましくも見えます。

 園庭にときおり、すずめがやってきます。ちょんちょんと、かわいらしい姿をみせてくれますが、お百姓さんにとってはせっかく実った稲を荒らす「害鳥」なのでしょうか。

 広辞苑で「害鳥」を見てみましょう。

「農林・水産上有害な鳥類をいうが、どんな鳥でも一年を通じて害鳥であることはない。例えばスズメは秋に穀物を食って害をするが、春夏には、虫を捕らえ、非常に有益である」。

 なんて勝手な定義なんでしょう!いえいえ、広辞苑が、じゃありません、私たち人間が、です。

 ゴキブリも鳩もすずめもほかの動物昆虫たちも「害・益」で考えられるように生まれてきたわけではありません。人間が勝手に決め付けているだけです。

 わたしには、今、人間が、地球上で最もたちのわるい「害動物」だと思えるのですが。

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第13回 Drastic Paradigm Shift(大きな価値観の変換)

 私は神社の宮司も務めております。今年も近くの会社の方々が、社運隆昌のご祈祷にたくさんお越しになっています。

そこで、毎年、新年の挨拶を申し上げるのですが、今年は、次のようなことをお話ししています。

 これから、数年または十数年かけて、「経済的、お金の豊かさ」に幸せを求める世の中から、「精神的、心の豊かさ」に幸せを感じる世の中に変わっていくでしょう。

心の豊かさ、という言葉は近年よく言われてはいますが、しかし、昨年も、「勝ち組・負け組」とか、「ヒルズ族」、「セレブ」という言葉がはやったように、まだまだ、競争社会で経済的、物質的に豊かなことがよい、という風潮が主流です。

 でも、やはりこれからは、勝ち負けや、お金が豊かにある、ということではなく、どのような環境、状況にあっても、その人の心の持ち方ひとつで、「幸せ」を実感できるような世の中になっていく、いや、いかなければならないと思えるのです。

私の身近に、どんなことにも「ありがたい、ありがたい」といつもおっしゃる90歳のおじいさんがいらっしゃいます。とてもお元気で、カクシャクとしていらっしゃいます。その方に会うたび、私は謙虚な心、感謝の気持ちの大切さを実感し、常の自分を反省するのです。

今、世の中は、まさかと思うような企業が倒産したり、異常な出来事が起こったりしています。まさに、これからは、大きな価値観の変換(Drastic Paradigm Shift)が起きるに違いありません。

子育ての上でも、心の豊かさに幸せを感じることのできる子に育てる、これが大切なことになってくる、と私は考えています。

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京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第12回 サムシング・グレート

村上和雄さんという方をご存知でしょうか?

最先端の遺伝子研究で有名な方で、「生命(いのち)の暗号」、「笑う!遺伝子」などの著書があります。

特に最近、あの吉本興業と協力して、「笑いが病を癒す」ということを、遺伝子レベルで科学的に解明していこう、と研究をされています。「笑う!遺伝子」にはそのあたりのことがわかりやすく書かれていますので、興味のある方は、是非お読みください。

その村上先生がおっしゃるのですが、とにかく遺伝子を研究していけば行くほど、「誰かが意図的に書かなければこんなものはできない」と思わざるを得ない。それを書いた神様・仏様と呼んでもいい「サムシング・グレート(偉大なる何か)」の存在を認めざるを得ない、と断言されています。

 私も、神社の宮司をも務め、人智を超えた神様の存在を感じています。そして、何度かこのコラムでも書いてきたのですが、人間があたかも自然を征服し、操っているかのような思い上がりを常々感じざるを得ません。

科学や文明は、自然を征服したり破壊したりするためにあるのではなく、自然の偉大な力を知るためにあるのだ、私はそう考えているのです。

 被害にあわれた方々には恐縮なのですが、ひとたび地震や台風などの天災が起きると人間の力など本当にたかが知れています。これを「人智の賢しら」というのでしょう。

 大自然に対して謙虚で感謝の気持ちをもって幸せに暮らす。文明の進んだ先進国、大都市には見られないその姿を、かえって時折テレビなどで目にする未開な民族などと呼ばれる人々の生活の中に感じるのは、私だけでしょうか?

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京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第11回 インドのカレー

 先日の幼稚園で開いた「お母さんの勉強会」は、松居和さんの講演でした。

 仕事柄、今までたくさんの教育・子育てについての講演を聴いてきましたが、松居さんのお話は、海外での実際のご経験を通してのもので、とても説得力があります。私の嫌いな「欧米では…」「スウェーデンでは…」の論調で、よく教育評論家が、物知り顔で唱える教育論を、舌鋒鋭く論破されます。

「松居先生、困った母親がいるんです」
とある園長先生。

「自分がカレーを好きだからといって、子どもに毎日カレーしか食べさせないんですよ」。

 それは問題ですね、といって3秒後に松居さんははっと気づいたそうです。

「でも、園長先生、インド人は毎日カレーを食べてますよ」。

 インドの田舎で1年間生活をされた経験からの答えに、園長先生は
「あっ、ほんとですね。どうして私、こんなことにこだわっていたのかしら」。

 松居さんはおっしゃいます。

「世の母親の抱えている問題の80%は、この『インドのカレー』を思い出してくだされば解決するんですよ」「子育てに、正解はないんです。親の趣味でやればいいんです」

 また、こんなお話もありました。「砂場で遊んでいる3歳児より、幸せになれない。なぜなら、大人は競争に勝つこと、お金持ちになることを幸せと考える『ものさし』を持ってしまっているからです。幸せのものさしを変えるだけで、砂場の砂でも幸せを感じることができるのです」。

 幸せのものさしを、一度見直してみることが、心の豊かさを得るためには必要かも知れませんね。

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