Monthly Archives: 11月 2003

第2回 「運動の敏感期」について ~子どもの困った行動、それは「敏感期」の現れかもしれません~

 幼児期と呼ばれる6歳ころまでの時期、子どもには、抑えがたいほど強い感受性が現れます。これを「敏感期」と呼び、引き起こされた行動はおとながびっくりするほどの集中力をもち、没頭するほどの強いエネルギーを秘めています。

 お子さんとの生活の中で、何か静かだなあと思ったら子ども部屋の一番下の引き出しから洋服を全部引っ張り出していたとか、台所で下の棚からタッパーを取り出してふたを開けるのに夢中になっていたとかいう経験はありませんか。

 これは、お子さんが自分にとってもっとも必要なものを環境の中に見つけて、エネルギーを燃え上がらせ関わり始めた姿なのです。もっとも必要なものが洋服?タッパー? いえいえそうではありません。ここで言うもっとも必要なものとは「動き」です。手や腕を使ってものを引っ張る動き、あるいは指先を使ってものを開ける動きがしたいという内面からの欲求の現れ、すなわち「運動の敏感期」が訪れた姿なのです。

 この場合の「運動」には、寝返りやハイハイ、立つ、歩く、走る、などの体全体を使った大きな動きから、わざと縁石の上を歩きたがるとか重いものを運びたがるといったバランスが必要とされる少し高度な動きまで、さまざまな「運動」が含まれます。また引き出しを開けるなどの手や腕を使う動きや、糸屑をつまんだり隙間に物を詰め込んだりする指先の細かい動きも、幼児期に子どもが好んで行う「運動」です。

 子どもは、その脳の発達に伴って階段を一段一段上っていくように動きを習得していきます。動きに関わる必要なものを環境の中から選び取ってそれぞれの機能を充分に発達させていくのです。親の都合とはおかまいなしに動き回ったり、歩きたがったりする背景には、実は「運動の敏感期」という自然の法則が存在しています。

 子育てをしているお母さん、お父さんは、このような乳幼児期特有の行動や感受性をふまえて、お子さんを観察してみてください。この時期の不思議な行動の意味を理解し見守る、さらには観察によって、この敏感期に対応する環境、子どもが集中して活動に没頭できる環境を作るというのが、モンテッソーリの考え方です。子どもの「敏感期」に気づいたお母さん、お父さんはきっとそれまでより子育てが楽しくなるのではないでしょうか。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である㈱フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第4回 「お辞儀と握手」

ALOHA!日本では秋たけなわの季節ですね。南北に長い島の日本では、地方ごとに秋の特色も異なる自然豊かな国ですが、この自然の豊かさは正に日本人にとって宝物です。この季節にこそ、大自然の恵みに感謝出来る生活、そんな気持ちになれる体験をお子さんに沢山させて上げて下さい。

さて、皆さんの日常生活での挨拶はやはり会釈やお辞儀なのでしょうね。最近は、躊躇せず手を出して握手する日本人の方も増えてはいるようですが、やはり日本社会の中で日本人とする挨拶は日本の習慣に支配されるのが当然でしょう。ただその習慣を日本人以外の人にも強要したり、日本の外でも期待したりすると、異文化摩擦の原因にもなりかねません。日本国内だけを見ても、日本社会が日本人だけではなく異文化の背景をもつ人達からも構成されており、さらにその人達の数が急速に増えている事実を無視できない今日の状況です。

私の娘たちが日本で幼稚園に通っていた頃、彼女たちの幼稚園では帰宅前に担任の先生と挨拶をすることになっていました。先生の前に園児達が一列に並び一人ずつ先生にお辞儀をしてから帰りました。その光景に疑問をもった主人の要望もあり、娘たちとも話し合って、私どもの娘の挨拶はアイコンタクトをしながらの握手を希望しました。二人の娘の担任の先生は理解して下さり、それ以来お辞儀の列の間に握手が入りこみました。ところがバスの送迎の時に付き添った先生は、担任の先生ではありませんでした。バスを降りて先生に手を出した娘の頭を、いきなり手で押さえつけて下げさせました。その若い女性の先生は、お辞儀だけが挨拶だと思っていたのでしょう。帰宅した娘の不満を聞かされた私は、その先生に説明をいたしました。彼女は素直に理解をして下さり、「色々と教えてくださり、ありがとうございました。」とお礼まで言われました。それ以来娘たちは、その先生とも仲良しになりました。

私が始めて日本を離れたのは30年前、デンマークに留学した時でした。そこでは、みんなが良く抱擁の挨拶をしました。初め私には抵抗がありましたが、3ヶ月もすると慣れてしまいました。しかしこれは、共同生活している学生同士という関係もあったようです。その後スイスで生活した時は、デンマークの学生同士ほど抱擁の挨拶が日常化してはいませんでした。それだけに、スイスの下宿を出る最後の日に、電車の中まで見送りに来てくれた下宿のマダムから抱擁された私は、涙が止まりませんでした。その時まで彼女は日本人の私に抱擁の挨拶を遠慮していたのでした。でも彼女の気持ちを表すのは、やはり彼女なりの挨拶が一番だったのです。気持ちが通じ合えば挨拶のスタイルの違いも受け入れるようになるものですね。それでも日本以外の地で日本人同士で挨拶する場合は、やはりお辞儀です。おもしろいもので、この習慣はお互いに日本人であると認識すると自然に頭を下げてお辞儀をする様になるようです。この場合でも、頭を下げる前に必ずアイコンタクトはあります。

さてハワイでは、首にレイをかける挨拶が一般化しています。レイをかけた後、抱擁するか、頬にキスをするか、又握手になるか、それは相互関係の親密度とケースバイケースによりますが、ハワイに住むとどの人種も自然このスタイルの挨拶に慣らされていきます。レイをかけるのは特別な機会、例えば誕生日、何かの記念日、歓迎の意味、特別な祝い、卒業式、結婚式、等ですが、平日の挨拶はレイなしでの 「ハイ!」と言ったアイコンタクトの挨拶、親しければ抱擁や頬のキスとなります。一般的には、東洋系の人達同士ではスキンシップを伴う挨拶は余り一般化していませんが、若い世代間では人種に関係なく抱擁の習慣が一般化しているようです。ハワイの人達は様々なスタイルの挨拶に慣れており、この点でも寛容的です。私のこちらでの耳鼻咽喉科の専門医師は、インド出身の方(?)なのか、始めて会った時、アイコンタクトの後両手を合掌して頭を下げられました。日本でタイの留学生からこのスタイルの挨拶を受けたことはありますが、合掌の挨拶に慣れていない私はとっさに頭を下げて今回も答えました。世界各地に様々なスタイルの挨拶はありますが、どの挨拶でも挨拶の真心を伝えるためにアイコンタクトは重要な役割を果たしているようです。

ただ挨拶のスタイル以上に気になることは、挨拶も出来ない社会環境に日本がなりつつあることです。私の息子が2歳未満の時、オーストラリアで父親と過ごして父親の挨拶する人には小さな手を差し出し握手をする習慣を身につけました。息子が日本に帰ると、手を出す代わりに「ハロー」とすれ違った人に挨拶をしましたが返事がありません。小さい頭脳で言葉の違いを理解したようで「こんにちわ!」と日本語の挨拶をする様になりましたが、それでも返事が返ってきません。いつの間にか外で挨拶をするのを止めてしまった息子は、3歳のときハワイに来た途端、水を得た魚のように元気に挨拶する習慣を取り戻しました。「見ず知らずの人に話しかけられても答えてはだめだよ。」と教えられている日本の子ども達なのでしょうが、子ども達がしっかりとアイコンタクトをしながら自由に明るく挨拶を交わせられる社会になって欲しいものです。

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ハワイのカーニバル

ハワイには常設の遊園地と呼べるものがありません。日本の遊園地でみかけるジェットコースターやメリーゴーランド、フリーフォールや回転コーヒーカップのような乗り物が楽しめれるのは、資金集めのために催されるカーニバルに移動遊園地がやって来た時です。最も有名な学校でのカーニバルは私立のプナホスクールhttp://www.punahou.eduでしょう。多くの学校のカーニバルはこのシーズン(日本なら秋)ですが、プナホのカーニバルは2月だそうです。又、ハワイ州で最も大規模なカーニバルは毎夏に開催される州のファームフェアです。ここでは乗り物だけでなく、様々な屋台や余興のテントが張られ、農産物の展示会も会場を賑やかにいたします。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第6回 お受験の秋

皆様 こんにちは!!

 そろそろ、本格的な秋を迎える時期となりました。 10月といえばお受験準備の追い込みの時期。幼稚園入園の際に既にお受験の経験を終えていらっしゃる方は別として、小学校からお受験を考えていらっしゃる幼稚園児をお持ちの親御様にとっては、今が大変な時期でしょう・・・・・。

そういうことで、今月号では“お受験”について、ご一緒に考えてみましょう。国立・私立小学校には、それぞれ学校の教育方針があり、入学考査は多種多様です。しかしながら、学校が望む児童像を総合的に考えると、以下の3点が共通のものとしてあげられます。

1. 健康であること。
2. 社会性が備わっていること。
3. 情緒が安定していること。

これらは、日頃の家庭生活や地域社会との触れ合いの中で十分に培われるものであるという観点から最も重要視されているのですが、意外に簡単なようで難しい項目でもあります。例えば、健康と言ってもまるまると太っていることではないし、逆にやせているからといって不健康かと言えば、必ずしもそうではありませんよね。
要は、簡単には病気にかからない丈夫な身体であるか、根気がなかったり、集中力に欠けたりしていないか、他人(友達や先生)と協調して生活していけるか、ということなのです。 よって、そのためには

1.バランスの良い食事を与える。
2.良いこと・悪いことの区別がつけられるように躾る。
3.落ち着いてものごとに取り組めるようにお子様が自分の力で出来るまで待つ(「早くしなさい」という言葉を極力少なくする)
  習慣を、親御様ご自身が意識を持って身につける。等が、大切なポイントと言えましょう。

ちなみに、入学試験の主な内容は以下が参考です。
〇筆記試験→学力の程度を診断するテストです。
〇制作→指示のもとで、いかに巧緻性にあふれた作品を生み出せるかを診断するテストです。
〇行動観察→協調性・社会性などを見るテストです。
〇運動能力→簡単な運動をさせ、心身の健康状態を見るテストです。
〇課題画→与えられた課題に沿って絵を完成させる理解度を見るテストです。
〇面接→二者面談、三者面談と人数は学校によってそれぞれですが、聞かれることは、
 <お子様用>名前・誕生日・お母様のことやお父様のことなど基本的な質問の他、言葉・数詞の復唱やお話し作りなど知的能力
  を試す学校もあります。
 <親御様用>なぜ、この学校を選んだのか、親御様ご自身の考え方やお家の状況を聞く学校が多いようです。

と、いう具合に、お受験に合格するためには、結構様々な課題をクリアしなければなりませんから、この時期にきっちりと準備をしておきましょう、ということです。
巷には、それらに対応するべく、お受験のための塾がさまざまなカリキュラムを用意して存在しています。
親御様がご用で塾への送り迎えができない場合や、家に赤ちゃん1人を置いて出て行かれない場合など、ピンチヒッターとして、私達ベビーシッターがお子様の塾の送迎や、お家で赤ちゃんのお世話をさせて頂くことがありますが、塾へのご同行の場合には、

1.どのような内容のお勉強をしたか
2.授業中のお子様の様子はどうであったか
3.先生からの注意事項はどんなことだったか

等を、出来る限り細かく親御様にご報告をします。
ただ、よくあることですが、親御様がえらく張り切って塾に行かせていらっしゃるのに対して、お子様はできることなら行きたくないというのが多くのお子様の本音のようです。
それはそうでしょう・・・・、塾はお受験に合格させる為に存在するわけですから、厳しい教え方をします。面接の練習時「パパは・・・」と言っただけで、「違うでしょ!お父様は、でしょ!!」たったそのことだけでも、お子様は愕然とするのです。
そんな時、「塾の先生はね、貴方に目指している学校に是非合格させてあげたいと思って協力して下さっているのよ。だから、貴方も頑張ろうよ!」と言って励ましてあげて下さい。そして、頑張ったら誉めてあげて下さい。間違ったら今度は間違えないようにしっかりと教えてあげましょう・・・、何事にもくじけずに立ち向かっていけるように、私達大人が温かく見守り、支えていってあげたいものです。

株式会社サマンサ 代表取締役 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。