Monthly Archives: 2月 2004

第5回 子どもの自立を助ける環境をつくろう~環境作りのヒントは子どもとのやりとりの中にあります~

 秩序や感覚、運動、などのさまざまな敏感期を迎えている子どもたちにどんな環境を準備するとよいのでしょうか。モンテッソーリは、科学者としての鋭い観察力と深い洞察力をもって、子どもを観察し、子どもが自らを成長させるために必要なさまざまな教具を作り出しました。モンテッソーリの園にあるこれらの教具は、もちろん環境のひとつとして大切なものですが、教具を準備すれば子どもは自ら望ましい成長をとげるのか? いいえ、そうではありません。

 モンテッソーリが初めにしたのは、先入観をもたずに子どもを観察したことでした。そして幼児の秘密とでもいうべき生命の輝きを見つけたのです。これは彼女が出会った子どもたちだけではなく、今ここにいる子どもの中にも必ず見いだせるものです。ですから、お母様方自身が毎日の生活の中で子どもをよく観察するところから環境作りはスタートします。

 たとえば、子どもと一緒に出かけようとしています。時間がないのでそれまで遊んでいた子どもを中断させて靴をはかせようとします。すると子どもはいやがって靴をはこうとしません。気がせく母親は子どもをしかりつけ、まだ泣きやまない子どもを引っ張って出かけることになってしまいました。ここで、子どもをよく観察してみると、こんなことに気がつくかもしれません。

 ・子どもがしようとしていたことがまだ途中だったのではないか。
 ・子どもの生活のリズムは大人よりずっとゆっくりなのではないか。
 ・お母さんのように自分で靴をはきたかったのではないか。
 ・大好きなお母さんにしかられると、子どもは大人が考えるよりずっと傷つく
  のではないか。
 ・泣いて訴えたのに応えてもらえないことに、自分が否定されたような気持
  ちをもったのではないか。

 子どもの様子から何かに気づいたお母さんは、次に出かけるとき子どものペースにあわせられるように、早めに支度を始めるかもしれません。あるいは靴をはくところをゆっくり見せて、子どもができないところだけ手助けするかもしれません。これは子どもの自立を助ける環境をりっぱに準備したことになるのです。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である㈱フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第9回 愛のカタチ2

皆様 こんにちは!!

大騒ぎで迎えた2000年から、早くも今年は4年目になります。さて、皆様にとって今年は良い年明けを迎えることが出来ましたでしょうか?私鎌田にとりましては、今年は何十年ぶりかの、新しい年明けとなりました。それは、長い間どっぷりと漬かってきた保育・教育一筋の世界から少し外へも目を向けて、今までとは違った角度からお人に関わる仕事を今年から始めようとしているからなのです。

大学の研究室で発達心理学を学び、東京都の認可保育園の園長として助成金任せの経営に携わり、それじゃ不公平だと自力でベビーシッター事業を立上げ、理想論ばかりじゃ人間社会は生きていけないと揶揄されながら頑張りぬいてはきたものの、考えてみればそれってやっぱり単なる自己満足なのかもしれません。

そんなこんなで、自らの生き方を自ら選び、20代から50代半ばまで、あれやこれやとやってきたとはいえ、保育・教育のことしか知らない、まだまだ視野の狭い人生を送ってきたというところから、今年は脱皮をしたいと思っているわけです。

この度ご縁を頂いて、幼稚園ママの皆様に私の心からのメッセージを送らせて頂いて参りましたが、株式会社サマンサの代表取締役社長として皆様に発信させて頂くのは、今月号で終了です。(近日中に新コラムスタート予定です)
今後は、新しい人生を送る中から、皆様方に少しでもお役にたてるような情報と、私の思いを、また新たな形でお伝えして参りたいと思っております。

そこで、昨年皆様にお伝えして参りましたメッセージのポイントをお浚いしてみたいと思います。子どもは一己の人格を持った人間です。しかしながら、子どもの生命が誕生したその時点から、子どもの健康な心と身体を作り、子どもが自立・自活できるようになるまでは、親がその責任を果たさなければならないのです。

親とは、その子どもの父であり、母です。

子どもが成長していく過程には、まずは親、そしてその周辺の大人(お爺様、お婆様等ご親族様やご近所の方々、先生など)お友達、沢山の人間関係があればあるほどその子どもにとっては良い環境と言えます。
昨今のような希薄な人間関係は、子どもの育ちに決して良い影響を与えません。せめて、夫婦は互いを尊重し合い、愛し合って子どもを一人前にきちんと育てていって頂きたいと思います。

愛するということは、盲目ではいけません。愛するということは、相手を受け入れること、その人の身になって何がその人にとって一番良いことなのかを真剣に考えることなのです。

誉めて下さい、誉めて励まして下さい、と私は申し上げて参りました。誉めることは、その存在を認めるということであり、自分を他人から、まして自分の親から認めてもらえるということが、どんなに意味のあることか、ということなのです。

ただ、それは子どもが授かった時からずっと続けて行くから意味があることであり効果があることで、子どもが小学校に入り思春期を迎える頃になって突然始めてもあまり意味がないということなのです。もちろん、迷うこともおありでしょう、間違ってしまうこともあるかもしれません。そうしたら気付いた時点で軌道修正をすれば良いのです。つまり、子育ては気長にやっていくものだということなのです。

ただ、いつもいつでもお子様に目を向け、きちんとやるべきことをやったら誉めて励まして、抱きしめて愛してあげてください。
親に愛されて育ったお子様は、必ずや他人を愛することが出来る人に育っていきます。年の初めに、ご家族全員で今年の抱負を語り合うのも良いですね。

株式会社サマンサ 代表取締役 鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第7回 「外国人と外人」

ALOHA! 節分も過ぎて日本ではいよいよ本格的な寒さの到来ですね。ハワイには四季はありませんが、乾季と雨季があり現在は雨季のシーズンです。雨季でもシャワーのような通り雨が多く直ぐに南国の太陽が顔を出すので傘も不用ですし、虹が多く見られるのもこのシーズンです。ところが今シーズンは例年になく荒れ模様で、傘があっても濡れるほどのどしゃ降りとなりますし、毎日日本の梅雨のような曇り空が多く虹も見えません。残念です。

さて、今回はタイトルのごとく日本人以外の人の呼び方についてお話しましょう。今日の日本では、日本国籍以外の方達を何と呼んでいらっしゃるのでしょうか?正確には国籍は何処であれ、外見が日本人と異なる方達のことです。10年ほど前は「外人」と呼ぶ呼び方でした。丁寧な呼び方をする方は「外人さん」とか、「外国人の方」とか呼びましたが、普段何気なく口から出るのは「外人」が多かったと記憶しております。しかもこの「外人」と言う呼び方は、時と場合によっては、ネガチィブな使い方をされておりました。例えば「あっ、外人が来た。」とか「外人のくせに!」とか、「変な外人」とか。あなたでしたら、街を歩いていて外見の異なる人とすれ違った時、傍にいるあなたのお子さんがどのような反応をするかご存知ですか? 又、あなたのお子さんがその人のことで何かあなたに質問してきたら、あなたでしたらその人のことを何と表現するのでしょうか?

私の子ども達は日本で生まれ、長女が10歳、次女が9歳、長男が3歳の頃まで日本におりました。長女と次女は日本の幼稚園に4歳、5歳、6歳(次女3歳、4歳、5歳)の間在籍していました。始めは園児達も名前で娘達を呼んでいましたが、5~6歳になると「外人」と呼ぶ園児が増えてきました。5~6歳は、ちょうど自分と周囲の違いに目覚める年頃であり、子ども達は素直にその疑問を周囲から聞こえてくる音や意味を真似る年頃でもあります。何気なく子どもは使う言葉でも、言われた子どもは子どもなりに疑問をもちます。その言葉のニュアンスから、子ども心にも疎外感を感じとるからです。多くの方の事例から、この「外人」と言う言い方は、5~6歳から始まって8~9歳になると減るようです。この年齢は呼ぶ側の子どもの年齢です。例外も勿論ありすし、使い方によってニュアンスが変わることも当然あります。

日本で子ども達の異文化理解のプログラムを主宰していた時、参加していた日本人の子ども同士の会話を私は耳にしたことがあります。 A子「何年日本に住んでいても、外人としか呼ばれないのだからいやになると、お父さんが言っていたわ。」 B君「外人という言葉は、なんだか地球の外からきた人みたいに聞こえるよね。せめて外国人と呼ぶべきだよね。」(A子さんのお父さんはニュージランド人でお母さんは日本人。彼女は当時11歳でした。B君の両親はともに日本人ですが、彼はニューヨークで小学校に2年通い帰国したばかりでやはり11歳でした。)「外人」を、地球外生物と感じたB君の感性に私は驚きましたが、在日外国人が常時携帯を強要されている「外国人登録証」には英語でエイリアンと書かれています。エイリアンとは正に地球の外から来た生物のことです。さすがにこの登録カードをもらったとたんに日本社会の疎外感を知らされる在日外国人も多いようです。アメリカ人の私のスタッフでこのカードを持っていた彼は、「日本のポリスからカードを見せろと言われたら、僕のアンテナも見せましょうか?と聞くのさ。」とジョークを言っていましたが、このジョークは日本の警察官には通じないかもしれませんね。蛇足ながら、現在私はアメリカで同類の(こちらでの通称はグリーンカードですが)を所有しています。それには、エイリアン レジストレーションカードと書かれています。つまり、日本の外国人登録証のエイリアンはそっくりそのままアメリカ永住権カードの真似であった、と私は察します。アメリカで「アンテナを見せましょうか?」と言ったら通じるか、今度試してみたいですね。

ご参考までに、こちらでは「外人」や「外国人」に相当する呼び方を、人を呼ぶときには使いません。個人の名前か、解らなければ「あの人」と言った表現、どうしてもある特定の人を描写するときに人種的な特徴として「何々系の人」「何人」と表現します。

ノブコ タカハシ ムーア
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ポリネシアンカルチャーセンター (ポリネシアの島々を体験出来るテーマパーク)オアフ島の北東に位置するこのテーマパークでは、お子様からお年寄りまでご家族揃って楽しめ、そして多彩なるポリネシア文化を実際に触れることが出来ます。 http://www.polynesia.co.jpモルモン教の大学が隣接した土地に設立したこの広大なパークは、大学生達のポリネシア文化研究発表の場でもあり、学生達にとってはアルバイト収入を得られる仕事場ともなっています。夜の90分にわたる各島のダンスショーは見ごたえがあります。ご家族でハワイに来られたら、是非訪れて見てください。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>