Monthly Archives: 7月 2004

第10回 子どもがひとまわり大きくなる時 ~活動のプロセスが心を成長させます~

 お子さんを育ててこられた中で、子どもがぐんと成長したと感じられるときはどんなときだったでしょうか。毎日毎日寝返りをしようとがんばっていた子がある日を境に難なくできるようになった。食べさせようとする親の手を「自分でする」とばかりに払いのけて手づかみで食べていた子が、スプーンを使わせているうちに上手にすくって食べられるようになった。何もできない状態で生まれてから今までのお子さんの成長には目を見張るものがあったはずです。

 人間がひとまわり成長するときには、次のような過程を経ていくという特徴があげられます。

 Ⅰ 自分の意思で取り組む。
 Ⅱ 選んで始めたものに一生懸命関わる。何回も繰り返したり、難しくても投げ出さずに集中して関わる。
 Ⅲ 乗り越えたことで、達成感を味わい自信をもつ。

 このような経験をすると、不思議と心が安定し、積極的になり、人に優しくすることができるようになります。これは幼い子どもだけではありません。心が荒れて粗暴な振る舞いをするようになってしまった子も、自分で自信を持てるまで活動をやり遂げ、深い充実感を味わったときに変わっていくということがいわれています。

 「初めてのおつかい」という番組をご存知でしょうか。小さい子どもが頼まれたおつかいを自分の力でやり遂げる姿を見守る番組です。困難に出会っても誰に頼ることもできない状況の中、子どもは懸命に自分の力で乗り越えます。これはまさに先にあげた過程を経て、子どもたちが精神的にたくましくなった姿を見せてくれる例です。

 このような「自分の成長のための仕事」ともいえる過程がモンテッソーリ教育の中でも用意されています。子どもが自分で仕事を選び、集中して関わることで達成感を味わう。この経験をつむことで、自分のことができるようになるというだけでなく、もっと深いところで子どもは成長を遂げます。調和の取れた、人に思いやりの心をもつことができる人になっていくのです。

 ご家庭でお子さんの活動を見るときも、このプロセスを大切にしてあげてください。できた、という結果だけが大事なのではありません。過程が心を育んでいるのです。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である㈱フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第12回 「ハワイの夏の子供向けプログラムの状況」

ALOHA! 日本ではもう夏休みですね。ハワイを訪れる日本人観光客も、最近では家族連れが大変多くなっております。日本の学校(大学を除く)の夏休みは40日間というのが一般的でしたが、最近は日本でも各学校・幼稚園で様々な夏休みの長さがあるのでしょうか?

こちらの学校は、ご存知のように秋から始まり6月初めに一年間のコースが終わります。ですから9月から始まる学校ですと、3ヶ月近くも夏休みがあるのです。これは学習習慣を失い易く、良くないと、最近ハワイの学校では異なるキャレンダーを採用する学校が増えております。つまり夏の休日を冬休みや春休みに振り分けて、8月から始まるキャレンダーを採用しています。それでも約2ヶ月ある夏休みは、親にとって嬉しくもあり、忙しくもあり、頭痛の種でもあり、、、、、特に働いている親にとっては大問題です。

ハワイには働く親が半数以上おります。夏休みになると親類や友人を頼って親の国やアメリカ本土を訪れる子どもが増えます。ですから夏休みになるとハワイでは子供の姿が圧倒的に少なくなるのです。

又、子どもが夏休みの間通えれる、公立のサマーファン(楽しむことを目的としたプログラム)やサマースクール(学習を目的としたプログラム)が一ヶ月半ほどあります。私立の施設ではもっと時間の長いプログラムもあります。

最近日本から子どもの英語学習のために、夏の間のプログラムに子どもを参加させる目的でハワイに滞在する若いお母様が増えております。日本のインターナショナルスクールでは、日本人の生徒が急増して英語学習が危ぶまれると聞いておりますが、ハワイも似たような現象が起こっております。

ハワイに住んでいる親達で子どもをこのような私立の夏のプログラムに参加させている親達は、子どもをこのようなプログラムに参加させても仕事のための時間を作る必要がある経済状況の家庭もあります。ハワイにおける幼児教育施設の費用は、こちらの生活費の中でも大変高く、共稼ぎ夫婦の一人分の給与が子どもに取られてしまうと嘆く親も多いのです。

ところが日本から夏休みにハワイ滞在する日本人家族は、かなり経済的余裕のある家計の家族が多いので、プログラムで必要となる諸経費は快く出資するし、子どもの持っているものも現地の子ども達より高価なものが多いです。ですから、プログラム主催者は当然利益率の良い日本からの参加者を積極的に募ります。

でも私の考えでは、これらの状況の中で双方の子どもにメリットのある状態は、80%以上が現地の子どもの属しているプログラムが理想的です。(念のため、夏の子供向けプログラムは現地の子供たちにとって、親の都合だけでなく、友達が少なくなる夏の間の大事な社交の場でもあるのです。)

日本からのプログラム参加者が全体の20~30%になったら、これはもう日本社会の延長と同じです。英語学習どころか、子供同士も日本語に頼ってしまうし、親達も日本人の親たちがいることに頼ってしまって、日本社会以上に狭い村意識を形成しかねません。その中で英語の強い親に他の親たちが当然頼るようになり、折角ハワイまで来たのに必要以上の気使いや、狭い人間関係の噂や感情のすれ違いに嘆いたり悔やんだりしたのでは意義がありませんよね。

以前身体障害をもった日本女性がハワイ大学の英語クラスを受講した時、私は彼女とお話したことがあります。彼女のクラスのほとんどの受講生が日本からの留学生だったそうです。彼女はそのクラスメイト達から日本にいた時以上に強い差別を受けて、英語の学習どころか心に深い失望を受けてハワイから帰りました。これは大変残念な例です。

勿論自分の子どもに何を体験させ、何を学ばせたいのか、その選択は親御さんがするのですから、どのようなハワイ滞在にするのかはそれぞれの親御さんの考えがおありでしょう。

この夏日本からハワイに来られるお子様達が、ハワイ滞在が短くても長くても、地球色の海に感動し、貿易風と心から戯れて、ハワイで接する異なる文化や人に暖かい理解をしめし、親御さんともども素敵な時間を過ごされるように、、、、、それが私のささやかな願いです。

ノブコ タカハシ ムーア
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シーライフ・パーク
私の住んでいる東ホノルルを抜けて裏オアフに入る岬は、マカプウ岬と呼ばれ風光明媚な観光名所でもあります。この岬近くに、海洋生物と楽しく接することを目的に建設されたシーライフパークがあります。水族館というよりもテーマパークです。私が以前訪れたときには、サメのお腹から発見された物が陳列されており、
「へー!サメってこんなものまで飲み込んじゃうの!」と子ども達と奇声を上げたものです。イルカのショーも楽しかったです。
日本語の案内がありました。詳細はこちらでどうぞ。
http://www.atlantisadventures.com/jp/hawaii/sea/sealife.htm
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第14回 子育てと家庭と仕事のバランス

皆様いよいよ暑い夏がやって参りましたが、お元気でいらっしゃいますか? もう梅雨は明けたかのような暑い毎日ですね。

幼稚園の夏休みももう目の前です。 毎度のことながら、子ども達は楽しみに、親御様は戦々恐々のことでございましょう。

さて、私鎌田はここ半年近く関っていた高齢者施設へ美容師さんを訪問させる会社のサポート業務にピリオドを打ち、改めて保育・教育に取り組むことに致しました。

昨日はその関係でお疲れ様会のようなものがあり、そこで何とも“子育ては、やはり母親次第”という会話で盛りあがりました。 そこの美容師さん達は全員女性、しかも今まさに子育て真っ最中というメンバーが多く、一方ですでにお孫さんまでいらっしゃるベテランさんもいて、そんな話が出てきたということなのです。

そんな様々な状況にある彼女達が同様に悩むことは、やはり“子育てと家庭と仕事のバランスの取り方の難しさ”にあるようで、現に40名ほどいるスタッフの約1割は母子家庭、さらに約1割は別居または離婚を考えていらっしゃる現状、いつになっても本当に難しい問題です。

さりとて、専業主婦でさえあれば何の問題もないかというと、そういうわけでもなさそうで、ちゃんと良い奥様、ちゃんと賢いお母様だった方が突然離婚をする羽目になることもあるようで・・・。

人間はいろいろと困難な状況に陥った時、つい自分を責めたり、逆に相手を責めすぎたりしがちですが、どんな結果であれ大人は自分で考えて自分で責任を取りさえすれば済むことですが、子どもはどうすることも出来ないのです。 自分を責めても、相手を責めたとしても子どもはその両方の子どもであることに変わりはなく、子どもにとってはかけがえのない自分の父であり、自分の母なのです。

そこで昨日、ベテラン美容師の一人が言いました。 「私はね、子どもには小さい時から“お父さんはすごいのよ”、“お父さんは偉いのよ”ってずっと言ってきたのよ、実際にはたいしたことはなくともね。でもだからかもしれないけれど、子ども達は皆今でもお父さんを大事にしているし、皆んな仲良いわよ・・・」 どうという事もない、何気ない会話でしたが、何かふわっと心が温かくなりました。

人間関係難しいと思えば難しい事だらけですが、もしかすると自分の気持の持ち方次第でそう難しくないのかもしれません。

そのベテラン美容師さんはとても素敵で、とても表情豊かな方です。 そういえば、前回ご紹介したお婆ちゃまもとても良いお顔をなさっておられました。

結局昨夜の会話の中で、子育て・家庭・仕事をうまくこなして行くためには、できるだけ夫婦は仲良く、よしんば夫婦の仲が上手く行かなくなった場合でも、母親が明るく元気に子どもに接し目を向けてさえいれば、世間を騒がせているような大きな事件は起こらないし、子どももちゃんと育っていくのではないかという着地点に至ったということです。

幼稚園児をお持ちの皆様も、どうぞご家族仲良く、楽しい夏休みをお過ごしください・・・・・。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。