Monthly Archives: 6月 2006

第19回 「Yes, No」をはっきり言わない誇らしい国、日本。

 諸外国、特に欧米から、「日本人はYes, Noをはっきり言わない」と批判を受けます。「これでは国際社会で通用しないぞ」、とまで言われます。

 さらに、多くの日本人の評論家もこれに同調して、「グローバル・スタンダードの時代に、Yes, Noをはっきり言わない日本は通用しないのです」などとの発言を繰り返している。

 これはみなさんもよくご存知で、そして「そうか、日本人、って、ダメなんやなぁ…」という印象をもたれている方も多いかも知れません。

 しかし、しかし、です。私は、はっきりと申し上げます。
 「Yes, Noをはっきり言わないのがなぜ悪い!」と。

 私たち日本人は、何千年の歴史の中ですばらしい文化をはぐくんできました。そしてその中で、物事を断る時に「またにしておくなはれ、考えておきます、今回は遠慮しておきます」という断りの言葉を生み出し、日常使用してきました。

 これは、相手に気遣い、やんわりと断る、「婉曲話法」という、優れた「断りの言葉の文化」なのです。

 「郷に入っては郷に従え」。もし、諸外国が日本で商売をするならば、まず、英語を押し付けず、日本語を、そして日本の文化・風土・国民性を勉強し、理解し、それから商談を始めるべきです。「考えておきます」は「No」だ、と知ってから商談に臨む、これが礼儀であり国際交流の基本だと思うのです。

なのになぜ、欧米の常識や考え方を押し付けられなければならないのでしょうか?

 冒頭の評論家に「あなたも日本人でしょう?そんなに日本がいやなら、国籍を変えたらどうですか?」とたずねたら、「うーん、考えておきます」。

 日本の文化に、みなさん誇りを持ちましょう!

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幼稚園ねっとにご登録いただいている幼稚園コラムです。 各幼稚園のコラムを順次ピックアップして紹介していきます。

かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第2回 おとうさんの出番

 子どもにとって、一番身近な存在は、多くの場合お母さんであり、仕事で忙しいお父さんとは、週末やっとゆっくり会えるといった家庭が、最近は少なくありません。
 でも、それだけに子どもたちはお父さんと過ごせる時を、とても楽しみにしています。お父さんにも参加してもらえるイベントを催すと、子どもたちは「今日はパパと来たの」と、うれしそうに報告してくれます。
 悲しいときや心細いときに出る言葉は「お母さーん」でも、お父さんはちょっと特別な存在のようです。

 お母さんとはまた違うダイナミックな遊びができたり、別の角度から子どもを見たりすることができる存在として、お父さんの役割は大きいものがあります。
 水遊びをする、キャンプに出かける、果物や野菜の収穫を体験する、虫を捕まえる、動物や魚を見たり触ったりする、里山や森を歩く、・・・お父さんと一緒だからこそできることがあります。
 お子さんの年齢に応じて、近くの公園でも、ベビーカーを使わずに歩いて行ってみる、ボール投げの相手をする、かけっこをする、夕焼けを見る、などなどいろんな体験をさせてあげてください。お父さん自身が発見することが、きっとあるはずです。

 幼児期、子どもは手や足、五感を使って身のまわりの世界を知り、体得していきます。いわば自分の体を通して学んでいくのです。心と体の基本が形成されるこの大事な時期に、親子で様々な体験を共有するのは、お子さんの成長にプラスになるばかりでなく、お父さんやお母さんにとっても、子育て中ならではの大切なひとときとなるでしょう。

 社会状況の厳しい中、一方では、子どもを取り巻く環境や教育について、関心の高いお父さん方も最近は多く、父親による、子育てについてのサイトがいくつも誕生していますし、園や学校などの面談にご両親でいらっしゃるご家庭も増えています。
 子育てが母親だけに課せられたものではなく、子どもたちを父親ももちろん私たち周りの大人みんなで見守り育んでいける、そんな社会が子どもにとっても大人にとっても幸せなのではないか、と思います。

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WASEDA Frontier Kids Learning Centerアドバイザー野村謡子が園での保育経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。家庭で活かせる「モンテッソーリの子どもの見方」をお伝えしていきます。

野村謡子<のむらようこ>
青山学院大学卒。息子の「子どもの家」入園をきっかけに、モンテッソーリ教育に出会う。教師のディプロマを取得後、モンテッソーリ園に12年勤務。現在も WASEDA Frontier Kidsアドバイザーをはじめ、多岐にわたりモンテッソーリ教育に携わる。

第6回 保護者パート5

 前回、子どもの防犯年齢についてお話をしました。
0~8歳までの子どもを犯罪に巻き込ませたくなければ、目を離さないことであると申し上げました。これが、保護者による園児の防犯の基本ということです。

 例えば、ニュージーランドでは13歳までの子どもに対して、親が子どもから目を離すことを禁じる法律があるほどです。それほど厳しく保護者の保護責任を明示しています。またアメリカでも、幼児を一人で放置することを法律で禁じています。子どもは事件のみならず、事故にもあいやすくちょっと目を離した隙に事件や事故にあってしまったというケースが看過できないほど多発している過去の事例を教訓としているわけです。

 さらにアメリカでは、同じ家の中にいても、幼児が寝室で寝ていれば、その横にマイクをおいて別の場所、例えば台所で作業をしていても幼児の泣き声が聞こえるように受信器を携帯して、子どもが目ざめて泣きだしたら、飛んでいくというような努力をしている家庭も少なくありません。それほど子どもの保護責任をしっかり自覚しているのです。
 日本では、往々にして子どもを一人にして放置する保護者が少なくありません。しかも、保護者が目を離した隙に子どもが事件や事故の被害にあうケースが断続的に発生しています。
 これらの事件や事故をみると、日本の保護者の中に、子どもを守るという意識の低い人々やこどものから目を離さないことの重要さを知らない人々が少なからず存在することがわかります。
子どもを事件や事故から守ることができるのは保護者だけなのだということをしっかり肝にめいじておいてほしいものです。

 基本的には通園中の事件、事故に関する被害も保護者の責任です。(ただしスクールバスなどがある場合は、バスに乗せるまで)欧米でも、アメリカでも、ニュージーランドでも学校の校門までは親の責任です。
 ちょっと考えていただければわかりますが、一人の先生や保母さんあるいは園長先生が、通園中の園児や子どもたち一人一人を守ることができるでしょうか、できるわけがありません。守りたくとも守れないのです。それでは誰が守れるのか、そう保護者であるあなたしかいないのです。
 
 はっきり申し上げて、あなたの愛する子どもを、国が事件や事故から守ることなどできません。もちろん警察官だって守れません。地域の住人でも、法律でも守ることはできないのです。守りたくとも守れないのです。唯一、守ることが可能なのは保護者だけなのです。
 子どもは国の宝、礎だからみんなで、国で、社会で守ろう、などという無責任なスローガンが唱えられますが、このような曖昧で根拠のない文言など信じてはいけません。
 あなたの愛する子どもを守れるのは、あなたしかいないのです。
たとえ父親でも、そばにいなければ守れません。幼児はそばにいなければ守れないのです。

 よく幼稚園児までは、母親などが自転車の後ろに乗っけて園まで送迎する姿を目にします。ところが小学校に入ると突然そのような送迎をしなくなります。防犯年齢でも申し上げましたが、8歳までは、親や保護者あるいは大人が送迎しなければなりません。
なぜなら、8~9歳までは子どもは聞いたことと行動がともなわないからです。(もちろん個人差はありますが)
 
 生活のため、収入のためなどという理由で幼児(園児)を一人で放置する時間があるならば、その間に子どもが事件や事故に巻き込まれてもしようがないのです。それはあなたの責任だということを覚悟しておくことです。せめて9歳までは、一時たりとも子どものそばを離れないぐらいの姿勢で子どもを守ってほしいものです。
 そして9~13歳になると防犯の基礎指導年齢になります。子どもが自力で、犯罪や事故の被害を避ける方法を指導する責任が保護者に発生してきます(9~13歳の防犯指導についてはここでは省略します)。
 
 園児をもつ保護者の防犯についてはこの項で終わりたいと思います。次回からは、保育園や幼稚園内(関係者)のための「迫りくる犯罪から園児を守るための防犯」について書かせていただこうと思っています。なぜなら、園児に対する保護者の防犯と園・園関係者の防犯はまったく違うからです。

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・防犯コンサルタント
・日本防犯診断士協会 常務理事

<中山 天(たかし)>
1948年 熊本県生まれ
1977年 東京出版株式会社 常務取締役就任
1982年 東京出版株式会社 代表取締役就任
1999年 社業のかたわら続けてきた自力防犯・犯罪被害の回避力に 関する研究を実践するために会社を自主閉鎖(2006年5 ~6月には再建の予定)日本防犯診断士協会の設立準備を開始
2003年 特定非営利活動法人 日本防犯診断士協会設立 常務理事就任
総合防犯コンサルタントとして、防犯診断士 (防犯コンサルタント)の指導・育成、著述、各種防犯セミナーの講演 などを主な活動としている。
http://www.bouhanshindan.npo-jp.net

第18回 自由と規律

 私はある会で、世界的脳神経外科の権威の先生とご一緒させていただいています。

 先週の木曜日、偶然、会合で隣に座らせていただいたので、常々疑問に思っていたことについてご教示いただきました。

 まず、いつも皆様にお話ししている、「脳の発達曲線」のグラフについて尋ねました。

 私は、

「『0から6歳ごろまでに、脳の基礎的な配線は、その90%を終える。このため、幼児期はとても大切な時期だ』と考えています。いかがでしょうか?」

との問いに、先生のお答えは、「その通りですよ」。

 そこで、「ところが、先生、最近『3歳児神話』は崩れた、などと言う人がいますが、これはどうなのでしょう?」と尋ねました。

すると先生は、「4歳ごろまでが大切な時期なので、それはおかしいよ」と教えてくださいました。

 話は自由・個性・権利尊重教育の現状とその非現実性に及び、いろいろとご教授いただきました。

 たとえばご両親が、「幼児期は自由に育てることが大事」と子育てをなさっているとしましょう。そう主張される方に、私はこう尋ねています。

「それは結構なことですね…。では、子どもが赤信号を無視して、『自由』に渡ろうとしたら、どうされますか?」

 今まで、それでも自由に渡らせる、と答えられた方にであったことはありません。つまり、いつも申し上げている通り、「自由には規律」が、
「個性には基本」が、「権利には義務」が伴う、それを無意識にはご存知なのです。

 しつけや礼儀作法、社会的基本ルールは、自由を保護・保障するための最低限の規律です。

 それを「押し付け」と排除するのは、はなからおかしいことなのです。

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かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)