Monthly Archives: 4月 2005

第17回 「どちらを選ぶ?」と聞いてみましょう。~自分で決める体験は、生きる力を育みます~

 入園式に向かう親子連れや、真新しいランドセルを背負った子どもたちの姿を見かける頃になりました。春は門出を迎える季節ですね。親にとって、子供の成長していく姿を見るのは、とてもうれしいことです。まだまだ小さいお子さんをお持ちのご家庭でも、お二人で、こんな子に育ってほしいね、といった話をするいい機会かもしれません。

 さて、子どもたちに幸せな人生を送ってもらうために、どんなことを今してあげればいいのでしょう。

 教育の場では、生きる力を身につける、ということがさかんにいわれています。生きる力とはなにか、様々な考え方があります。なかでも「自分で考える力」は生きていくうえで土台となる大切な力です。
 この力を人格形成の基礎を作る幼児期から育てることには大きな意味があります。小さくてもそれなりの「自分で考え、判断する」機会は、いくらでもつくってあげられるのです。

 たとえば、普段の生活の中で選ぶ経験をさせましょう。今日着る洋服、履いていく靴、読んでほしい本。選択肢を二つ用意してどちらがいいか尋ねます。  洋服の場合を例にとりましょう。どちらを着ても差し支えないと思われる洋服を2着並べて「この洋服とこの洋服、どっちにする?」。子どもが「こっち」と選んだら、次にズボンを並べて同じように選んでもらいます。
 靴下も2足のうち1足が決まったら、「着ようね」と本人が自分の体を使いながら着られるように手助けをします。
 全部着終わったら全身を鏡に映して選んだ結果を見せてもいいでしょう。
 歩けるようになって手を使って自分でしたがるようになったとか、親の要求にいやというようになったとか、そんな様子が見えてきたら自我が出てきた証拠です。自分でやりたい、自分で決めたいという時期がやってきたのです。

 反抗期といわれているこの時期の子どもたちが自己主張するのは、「もう自分でできる僕を、私を認めて!」という叫びだと考えられます。
 この声に応えて子どもに選ばせる機会をつくってあげてください。自分で考え決める経験をした子どもは自尊心をもち、相手を大切にすることを学びます。
 この時期に、親が乳児期と同じようにすべてをしてあげたり、一方的に決めたりしていると、子どもが自分で行動したり考えたりする機会を奪ってしまうことにもなりかねません。
 子どもの体の深いところからほとばしり出ている「生きる力」を、いちばん身近なご家庭でうまく引き出していってあげて下さい。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である㈱フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第21回 「わがままと自己主張」

Aloha! 皆様お元気でしょうか? 新しい年度がはじまり、日本では春たけなわのことでしょう。春の花々が色を競い合えば、すぐに新緑が芽吹き緑に覆われた季節が待っていますね。夏の暑さを予感しながらも、緑を渡る風の心地良さに暫し生きるエネルギィーを施してもらえますよね。

日本のように四季のないこちらハワイですが、微妙に雨季と乾季の季節が分かれます。雨季は11月~3月、乾季は4月~10月ですが、最近は地球温暖化のためか、明確に分けにくくなっております。雨季の期間でも、乾季の期間でも、晴れればちょうど日本の5月の新緑の季節のようなすがすがしさです。萌える緑に、海の青さがコントラストを描くのですから、それは絵葉書のような美しさです。

そんなハワイの美しさを求めて、春休みは大勢のお子様連れの日本人観光客の方々が来られました。最近の日本のお子さんは、はっきりと物を言える子が増えているような気がいたしますが、皆様はいかが思われますか?解らないことは遠慮なく質問されるし、自分の好みも明確に説明されます。これは大変良いことではないでしょか。但し、自分と直接かかわりのないことへの関心度は・・・・、
いかがなものなのでしょうか? ふとそんな疑問が、私の脳裏をかすめます。
つまり、物を見る目が自分中心になり過ぎていないかとの疑問です。

「日本人は自己表現が苦手であり,下手である」と、欧米の知識者の多くから長年に渡って指摘されてきました。日本社会においては、皆と同じであることが社会ルールの前提のような社会風習があるので、人との違いを表現することはかなりの勇気を必要とされます。学校教育においては、個性を認める教育とかスローガンでは言われても、管理教育ではそれを実現することは大変厄介なことなのです。教育のみならず、何においても管理する場合は、統一された基準があった方が、ずーと楽に管理出来ます。そういう管理体制の中で、個性尊重と言っても、熱い油の中でアイスクリーム・天ぷらを揚げるようなものです。

すると、各児の個性を尊重した教育が、学校現場より重要となるのは家庭となりますよね。自己表現は個性に合わせて千差万別ではありますが、お母様、お父様、すでにお気つきのように、幼稚園児になりますとお子さんの自己表現の一つである自己主張が多くなってきます。「いやだ!」「だめ!」「いらない!」「やらない!」「つまらない!」「買って!」「嫌い!」等、どこからこんな風に言葉の使い方を覚えたのかと驚くほど、子どもの自己主張語が極端に増えます。これは成長期において当然起こりうる現象ですが、親も生身の人間です。これらの主張に、やり込められたり、反発したり、感心させられたり、、、、
これも親業のレッスンの一つです。このレッスンは親でないと受けれない、大変ありがたい授業なのですが、要注意点があります。

それは「この授業の主導権を子どもだけに与えてはいけない」ということです。
主張は誰でも出来ます。でも、その主張を受け入れるか否か、その判断は大人がしなくてはなりません。場合によっては、お子さんと話し合いの上、という得策もあるでしょう。 5歳6歳の子どもの主張は、自分の経験や感情に基ずいていますが、やはり生まれて数年後の子どもの判断力と親御さんの判断力では、雲泥の差があります。それ故法律でも,子どもには責任をもたせません。5,6歳どころか、私は時々14歳の我が息子にも、この判断力の幼稚さを知らされ親の責任を再認識させられます。

お子さんだけに主導権をもたせると、それは「わがまま」を増長させてしまいます。自分の主張は何でも受け入れられると思い込み、自己中心的な判断をするようになるからです。今度自分の主張が受け入れられない環境におかれた時、どのように対処するのかわからず、いじめに走ったリ、暴力的になったり、自己嫌悪におちいったり、、、、、、、、と良い結果は生まれません。

お子さんの主張をお互いの話し合いによって受け入れるかどうか決めたり、親の判断を説明して決めたりする時、コミュニケーションの大切さを親子共に学べますし、色々な考え方の違いがあることも学べます。又親が示す様々な具体例によって、小さな頭脳は親の偉大さを学ぶでしょうし、自分の知らない世界があることや他人とのかかわりの大切さも学べます。たとえ主張が受け入れなくとも、そうやって教えてくれる親の存在の有難さを感じるでしょうし、そこに言い尽くせぬ愛情の温かみを解ってくれるはずです。それこそが、本当の個性教育です。大人にとっては実に忍耐のいることであり、聡明で率直な子どもに立ち向かうのですから、それ以上に聡明で寛容な態度も要求されます。ですから、これは親としての大事な試練のレッスンなのです。

さあ、今度お子さんが自己主張を強くしてあなたを困らせた時、これは大切な授業をお子さんが与えてくれていると思って、ありがたくこの授業を受けてみてください。時々お子さんはあなたの愛情を確認したくて、このような手段を使うこともありますよ。そういう時は理論や理屈よりも、態度で示しましょう。

どのようにあなたの愛情をお子さんに示すか解らない方へ:
欧米のような抱擁やキスが生活習慣になくても、お子さんが大事にしていることに関心をもったり、お子さんとの時間を作ったり、あなたが幼い頃に親からしてもらって嬉しかったことをそのままお子さんにして上げたらどうでしょうか。
あなた自身が自己主張の苦手な方なら、お子さんに見習ってこれから自己主張のし方を取得いたしましょう。決して「わがまま」にならないようにね!

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイ語―マカイ対マウカ
ハワイで良く聞く挨拶言葉は、アロハやマハロ(ありがとう)がありますが、
方向を尋ねる言葉としてマカイとマウカがあります。ハワイ語でカイ―Kai
とは海を意味し、ウカ—Ukaとは山を意味します。つまり東西南北の言葉
ではなく、海の方・山の方と表現して方向を示します。ご存知のようにハワイ
諸島は海底火山の噴火によって誕生しているので、どの島にも噴火によって
出来た山があります。昔は山から海へと、パイを切り分けるように、領土を
分配したそうです。そうすれば山の幸も海の幸も各領土平等に収穫出来る
からです。今でも気象情報や道路情報で、日常語として使われていますし、
広いアラモアナ・ショッピング・センターでお店を探す場合も「マウカ側
ですか?マカイ側ですか?」と聞かれます。
日本人にはkai = 海なので覚え安いかも知れませんね。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第4回 ごっこ遊びの中で育まれるもの~その4~

今回からは、「問題解決能力」のお話です。

私たち大人が、子どもたちを育てていく上で、最終的に身に付けさせたいのが、この能力だといっても過言ではないかもしれません。

「問題解決能力」には、
「言葉によるコミュニケーション」
「解決の方法」
「自己コントロール」という、3つの側面があると考えます。

子ども同士の遊びにトラブルはつきものです。
まして、「ごっこ遊び」は、その設定や配役、ルールまで、子供同士で作り上げていく遊びですから、その過程で は、当然、数々のトラブルが起こってきます。

そのトラブルを通して、周囲の助けを借りながら乗り越えていく過程で3つの力が身についていくのです。
まず、「言葉によるコミュニケーション」です。

3歳位になると、日常会話は、子ども同士でも、かなり成り立つようになってきます。
しかし、いざという時になると、言葉にならないというのもよくあることです。

友達の持っているおもちゃが欲しくて、「貸して」と言えず、無理やり取ってしまう子・「いやだ」と言えず、黙り込んでしまう子・自分の思い通りになるまで、泣きわめく子・・・・・等々、珍しい姿ではありません。

そんな時、大人のちょっとした手助けがあると、子どもは、その場面に必要な言葉を身に付けていきます。

「『貸して』って言おうね」
「いやな時は『いやだ』って言っていいんだよ」
「悪いことしちゃったから『ごめんね』って言おう」

その他にも、
『後で貸してね』
『ちょっと待っててね』などの言葉もあります。

初めは、うまく「言葉」で解決できなかった子どもたちも、「たたいたら、泣かれちゃった。でも、『ごめんね』って言ったら、仲良くなれた」とか、「『いやだ、いやだー』って言ってたら、だーれもいなくなっちゃった。でも、怒らないでお話したら、ずっと一緒に遊べて楽しかった」といった経験を繰り返し、友達と楽しく遊ぶのには、「言葉」で伝えるのが大切だと気付いていきます。

そして、5~6歳になった子どもたちは、もっと複雑な気持ちや、事の成り行きを言葉で表現することができるようになっていきます。

「私、本当は、赤ちゃん役がよかったんだよ。でも、毎日、赤ちゃんばっかりでずるいって、○○ちゃんが言うから、今日はやめたんだよ。」
「さきに△△君が使ってたボールなんだから、返してあげなよ。」
など、ただ泣くだけでは、ただ奪ってしまうだけでは、解決しないことを、子どもたちは、ちゃんと学んでいるのです。
次回は、「問題解決能力」の中の「解決の方法」について、お話します。

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元保育士の「ゆっこせんせい」が12年の保育経験を活かして、子供たちとの遊びの中で気づいたこと、発見したことなどを中心にお届けしていきたいと思います。

<さとうゆきこ>
筑波大学心理学専攻、中退。92年、私立保育園就職。勤務しながら、保育士資格取得。0歳~5歳の各歳児の保育に携わる。04年、退職。現在は、HP「ゆっこせんせいのおもちゃ箱」にて、オリジナル手作り布おもちゃを発表し、布おもちゃの素晴らしさを伝えるべく、活動中。7歳と9歳の男の子の母でもある。
HP「ゆっこせんせいのおもちゃ箱」:http://yukkotoy.com/

第5回 「真剣」に、しかし「深刻」にならない 。

 いつも私が、子育てのキーワードとしてお願いしている、「お子様のことに対して、常に『真剣』に考えていただきたいのですが、決して『深刻』にならないで下さい」ということ。
 子どもたちは、時に「幼稚園、行きたくないー」と言ったり、「○○ちゃんが、いじめはる」と言ったりすることがあります。その原因はさまざまで、私たちの知りえないところにある場合もあります。

 例えば、こんなケースがありました。

「幼稚園、行きたくない」と言い出した、とのご相談をお母さんから受けました。いろいろお話しして、考えていったところ、こういう状況がその原因となっていたのです。

 実は、下の弟さんが、まだ1歳くらいで、風邪で数日熱を出し、その間、お母さんが弟さんにかまいっきりになっていらっしゃった。そこでお姉ちゃんは、「お母さんを独占されている」と感じ、「もっと私もかまってほしい」との気持ちから、「行きたくない」と駄々をこねていた、というわけです。もちろん数日でそれは解決しました。

 こんなとき、お母さんは、「幼稚園で、何かあったんやろうか。誰かにいじめられてるんやろうか」と、原因を外に求めがちになり、そして時に「深刻」に考えこんでしまわれることがあります。

 「いじめはる」と言う場合も、担任に聞いてみると、いわゆる「お互いさま」のことが多い。誤ってひじがあたったのが原因で、けんかになるケースなどが多いものです。そして、何日かすれば解決することがほとんどです。

 どうぞ、「真剣」には考えても、決して「深刻」にはならないで下さい。

これは子育ての上で、とても大切なポイントです。

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幼稚園ねっとにご登録いただいている幼稚園コラムです。 各幼稚園のコラムを順次ピックアップして紹介していきます。

かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)