Monthly Archives: 12月 2003

第5回 「概念を壊す好奇心」

ALOHA! そしてMele Kalimimaka!(ハワイ語のメリークリスマスで、この時季のハワイでの挨拶言葉です。メレ カリキマカと発音します。) 日本では師走、こちらでもクリスマスのデコレーションが人々の気持ちを急き立てます。熱心な家では個人宅でも豪華なイルミネーションを飾りますし、ホノルルの官庁街は様々なクリスマス・デコレーションで南国のクリスマスを楽しく演出してくれます。さて今日は皆様と「既成概念を壊す好奇心」というテーマでお話をいたしましょう。

ハワイは太平洋の真ん中の島ですから、皆さんのハワイのイメージも海や海岸がほとんどだと思いますが、「えっ!これがハワイ?」という景色に出会うこともしばしばあります。例えば、ハリウッド製作映画のアフリカや中南米のシーンが、ハワイで撮影さていることをご存知ですか? ハワイには熱帯、亜熱帯の植物が茂るジャングルみたいな景色があるのです。全く海の見えない、緑がうっそうと茂った山の中や林に入ると、自分が今地球の何処にいるのか忘れそうです。又、全米で個人所有の一番大きな牧場は、ハワイ島にあり、そこにはハワイアン・カーボーイが西部劇さながらの格好で、今でもちゃんと牛を追っています。
以前私たち家族は谷間にある家に住んでいましたが、そこからの景色は、いつも私にかつて住んでいたスイスを思い出させました。ね、ハワイにも色々なハワイがあるんですよ。人間は常に同じ情報ばかり受信しているといつの間にかそれがその人の固定観念となり、やがて社会概念となって違いを受け容れ難くなってしまいます。つまりハワイと言えば青い海とやしの木のようなイメージしか浮かばなくなってしまいます。ですから、大人になると頭が固い、つまり固定観念で想像力が固まってしまうのでしょう。

でも、子どもの頭脳はその点柔軟です。大人の固定観念を子ども達に植え付けてしまう前に、子どもの頭脳の柔軟性に学びたいものです。子どものように素直に喜怒哀楽を表現出来たら、大人のストレスも大いに減るのではないでしょうか。
しかし、所詮大人は大人としての振る舞いをせざるを得ないようですから、せめて頭脳を柔軟に出来るような訓練をしておきたいものです。そのためには、子どもと同じように好奇心をもつことだと思います。その好奇心も、他人のプライバシーに鼻を突っ込むような興味本位の非健康的好奇心ではなく、知的想像力を刺激するような健康的好奇心でなくてはいけません。

例えば、クリスマスは、皆さんもご存知のように冬の景色、サンタクロースやトナカイも北国のイメージをもたれるのが普通でしょう。でも、ハワイにもサンタクロースがいるとしたら、一体どんなイメージをお持ちになりますか?ホノルル市庁舎前に毎年設置される大きなミスター・サンタとミセス・サンタは裸足になって水に足を浸しながら、道行く車や人達にシャカサイン(ハワイ式手の挨拶で、握った手の親指と小指を立てるサイン)をしています。トナカイの代りにイルカに乗ったり、水着でサーフボードに乗って波の彼方からやってくるサンタクロースもいます。クリスマスツリーはもみの木がアラスカやカナダから運ばれてきますが、本物のやしの木にイルミネーションをつけてクリスマスツリー風にデコレーションするのもあります。今年はとうとう、イミテーションのやしの木クリスマスツリーが発売されました。クリスマスリースを貝殻で作る人もいれば、ハワイアンスタイルのクリスマス・ソングもあります。

私はデンマークやスイスでクリスマスを過ごしたことがあるので、ハワイの南国のクリスマスが中々馴染めませんでした。他のカルチャーをとって付けたようなごちゃごちゃの文化習慣に、ハワイに来たての頃は嫌悪感さえ抱きました。でも、どうやらそれは私のカルチャー・ショックだったようです。年と共によくよく観察すると、知的想像力を刺激される健康的好奇心によって、ハワイらしいクリスマス・デコレーションやクラフトに感心させられるようになりました。

異文化と接するとき健康的好奇心は、とっても重要な役割を果たします。子どものように柔軟な頭脳を維持する訓練のためにも、ここで幾つかの例を上げましょう。

その1.
この季節にお子さまとハワイのクリスマスのイメージごっこをするのも楽しいと思います。私がご紹介したハワイのクリスマスのお話を基に、どんどんイメージをお子さまと一緒に膨らませていって下さい。

その2.
西オーストラリアのパースに住んでいた時、北極と南極が逆さになった世界地図を見つけたことがあります。私たちが北半球で見慣れている北極が上になった地図と異なり、南極が上になった地図を想像したことがありますか?世界が全く違った形に見えます。(これは幼稚園児より少し高学年向きです。)

その3.
ハワイで行なった親子参加の異文化理解プログラムで、北欧の春の話の絵本を読んだことがあります。太陽のない長い冬をすごした人々が、太陽が戻ってくる季節を心から待つ気持ちを語っているのですが、ハワイの子ども達には実に印象深くこの話が受け取られました。きっと毎日太陽を見ている子供たちの知的想像力を刺激したのだと思います。このように絵本を通してお子さんと一緒に異文化体験をすることによって、あなたの健康的好奇心も養われます。(そんな絵本を私のウエブサイトに集めてあります。http://www.shihawaii.com のアメリカコレクションのページです。)

その4.
コスミックカレンダー!今は亡きカールセーガン博士が書いたこのカレンダーは、宇宙の誕生ビッグバンから現代までの150億年を一年の単位で表現しているカレンダーで、地球に人類が誕生したのは12月31日の午後10時30分、人類の記憶している有史は最後の10秒間なのです。あるプログラムで、このカレンダーを具体的に子ども達に教えるために、私はロープの長さを一年にして子ども達に引っ張らせたことがあります。最後の最後に人間の歴史の文字が見付かった時、子ども達は叫びました。『地球をつくるのはこんなに時間が掛かっているんだから、地球を壊さないようにしないといけないね!』子供たちの素直な叫びに私は深く感動させられました。

新しい年、2004年が、皆様とご家族、そして地球にとって平和で健康な一年となりますように心からお祈りいたします。来年もまたお付き合いのほど、宜しくお願いいたします。
 
ノブコ タカハシ ムーア
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<ハワイの12月>
多民族社会ハワイでは、それぞれの民族によって祝いの行事は様々に分かれますが、一番盛り上がるのはクリスマスです。これは西洋のクリスマスの習慣と東洋の年度末の贈り物交換の習慣が融合した結果です。日本の師走の忙しさがそのままハワイにも起こります。正式には中国の旧正月は2月にあるのですが、中国系の人達は12月31日に盛大な爆竹の音で新年を迎えます。爆竹の音で新年を迎える習慣は韓国系の人達にもあるようで、ホノルルはこの音と煙が大きな社会問題となっております。ペットの動物たちが音に脅えないように、爆竹の火で火事が起きないように(毎年数十件の火事があります)、風のない時は車の運転も要注意。花火や爆竹の煙で視界がさえぎられます。幾ら大きな社会問題でも、中国系、韓国系の人達にとっては伝統習慣。しかも音が大きければ大きいほど悪霊が去ると考えられているのですから、規制が難しいようです。12月のハワイに来られる方、夜のイルミネーションを楽しむのは12月31日だけは避けるようにお勧めいたします。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第7回 お受験の秋 PARTⅡ

皆様 こんにちは!!

 先月号のお受験についてのお話しは如何でしたか?実は、お受験に関しては、まだまだ続きがあるのです。お受験をするには、受験番号というものが必要となり、それを頂きに行かなければならないというお話しです。

今回は、そのお受験番号を頂きに行く際の注意点とお受験グッズについてのお話しをさせて頂きたいと思います。

「もしもし、あの、例えばベビーシッターさんにお受験の番号を取りに行って頂くなんてこと、お願いできますでしょうか?」とのお問い合わせ・・・・。「もちろんお引き受けできますが、その場合は、家事代行サービスでお引き受けさせて頂くことになりますが・・・」との応対に「もちろん結構です」と即決定。

雨の当日、始発電車に乗って現地に着いたのが午前5時50分、既に私の前には10人ほどのご父兄が・・・・。負けた!と思いながら、「あの、お父様は何時にいらしたのですか?」と、一番乗りのお父様に尋ねると、「午前3時30分からです」とのこと・・・。傘を差し、鞄を肩から下げ、片一方の手をポケットに突っ込みながら、(その日は実際に寒かったのですが)寒そうなお顔で答えて下さいました。

きっと、会社へ出勤前のお手伝いだったのでしょう・・・。“わが子のためなら何だってできちゃうぞ”と言った感じでした。

そうこうして、午前8時30分になり、ようやく学校の構内へ誘導され、そこでまたしても、4列に並ばされて待つこと1時間30分。その間に手馴れたご父兄は、袋からサッと折りたたみの椅子を広げ、持参してきた本や新聞を広げて静かに待っておられます。慣れていない私や一番乗りだったお父様はずっと立ったまま・・・・。そうか、お受験グッズがあるんだな、そこで初めてわかった私でありました。

そして、やっと「皆さん、こちらで順番に番号札を引いてください」というアナウンスが・・・。「これで終わりだな」と思った私は考えが甘かったことを知ることになりました。またしても、「番号札を引いた方は体育館にお入り頂き、引かれた番号のところへお並び下さい」。「えっ、まだあるの・・・」と思いながら中へ入ると、既に多くのご父兄が番号順に並んでいるではありませんか・・・。次のアナウンスに私は「えっ!!」という思いにさせられるのでした。

「それでは、これからお持ちの番号順に受験番号を引いて頂きます」「何?これって受験番号を引くための番号札だったの?」体育館の中を見まわすと、あの寒そうに立っておられた一番乗りのお父様がなんと100番代に並んでおられるではありませんか・・・・。

可愛そう過ぎ・・・と思ったのは私一人だけと見えて、皆知らんふりです。申し訳ないのですが、私が引いた番号は、最初の番号札が71番、肝心の受験番号は122番でした。

「どうしよう・・・、受験番号は100番までが良いと聞いていたのに・・・・」

そのお子様は結果的にはお受験に合格したのですが、あの時の一番乗りのお父様の気の毒だったことと、実に受験番号を取る為だけにかけた時間は延々6時間だった(前述のお父様は8時間20分以上だった)ということ、そして、お受験って、当日までにみっちりとお勉強をしなければならないお子様も大変ですが、当日までにいろいろと準備をしなければならない周りの親御様や関係者も大変なんですよというお話しでした。

これからお受験の皆様、どうぞ、くれぐれもお受験グッズのご持参とお身体だけは大切に・・・・。
頑張って下さいね!!

株式会社サマンサ 代表取締役 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。