Monthly Archives: 10月 2005

第20回 心の成長に気づいていますか? ~「自立」から思いやりの心を育てましょう~

 最近あなたが子どもの成長を感じられたのは、どんな場面でしたか。子どもたちはいろいろな場面で、私たちがはっとするような姿を見せてくれます。

 部屋にある鉢植えに水をやるのを楽しみにしているMちゃん、今日もじょうろで観葉植物に水をやっています。他の子のトイレに付き合って部屋に戻ってみると、鉢の周りにこぼした水を雑巾で拭いているところでした。以前にじょうろの傾け方がうまくコントロールできずに水をこぼしたとき、いっしょに雑巾で拭いたのをちゃんと覚えていたのでしょう。自分で後始末ができる子に育ってきたのをとてもうれしく思いました。
 また、ある時、お昼を食べ終わって自分の片づけがすっかり終わったSちゃん。隣の席で食べていたお友達がコップを片づけ忘れているのに気がつきました。どうするのかな、と見ていたらごく自然な様子でコップをさげてくれました。お家でもきっとお手伝いをしているのでしょう。周囲への心くばりの芽となるいい瞬間を見せてもらった気がしました。

子どもに身のまわりのものの適切な扱い方を伝えたり、取り掛かる順序を示したりするのは、子どもが自分でできるようになるために必要なことです。子どもが何か失敗したときも、大きな声を出す代わりに、子どものできる範囲で後始末しやすいように道具や場所を整えて、いっしょに何回かしているうちに、ちゃんと自分でできるようになります。
不十分なところは少し手助けするとして、一から十まで世話をしていた頃に比べればなんとうれしい成長ぶりでしょう。そこまでできるようになったわが子には「えらいね」という言葉でほめるよりも、むしろ「お母さん、助かったわ」と感謝しましょう。「あなたが大きくなってうれしい」と喜んでもらえたり、「ありがとう」と感謝されたりする体験は、子どもの心に大きな糧となります。自分でできた、という達成感だけでなく周りの人の役にたつ喜びを知った子どもは、集団に入ったときにもきっと、友だちと仲良くなれるにちがいありません。

「自分でできる」ということが自信となり、互いに認め合えるような人間関係をつくっていく。子どもたちがそんなふうに成長してくれると、平和な世の中が築いていけるんじゃないかしら。皆さんはどう思われますか?

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である㈱フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第1回 大人になってから学ぶのと英才教育とでは一体どう違うの?

皆さん、はじめまして。大学で英語を教えています阿部といいます。宜しくお願いします。このサイトを利用する皆さんの中には幼稚園を経営されたり、そこで子供さんたちを実際に指導したり、また、実際に小さなお子さんを抱えていらっしゃる方々が多いとうかがいました。今回、私がコラム原稿を送らせて頂く記念すべき第一回目なので、多くの皆さんが関心があると思われます「幼児期に学ぶのと後になってから学ぶのではどう違うのか?」ということについて、カンタンに分かり易く書いてみたいと思います。何かの参考にしてもらえればと思います。

昨今卓球の愛ちゃんやイチロー選手がニュースで大活躍していますが、共に非常に幼い時分からそれぞれの分野の練習を開始した英才教育の成功例であるということは良く知られています。そもそもこの英才教育と中学生や高校生になってから始めたりする場合との決定的な違いは、その吸収の速さと深さにあります。幼い頃から学ばせたものというのは、一技術の領域を超えて、例えば呼吸や歩行と同じように、全く無意識に行う事ができるようになる可能性が非常に高いのです。例えばピアノを例に挙げますと、比較的年齢が行ってから練習を始めた場合、どうしても頭の中で鍵盤の位置や指の動きを意識的に考えながら演奏しているような場合が多いですが、幼児期から始めた場合、そうした技術的なことは全く意識しなくて大丈夫なため、曲の情景や感情の表現といったパフォーマンス面に全力投球できる訳です。つまり、早くから始めれば始めるほど、呼吸や歩行のような無意識な活動に近づけることが出来るのです。
 
年齢が行ってから物事を学ぶのと幼い内から物事を学ぶという二つの間には、そのメカニズムにおいても決定的な違いがあります。幼い内から学び始める場合には、殆ど元が白紙状態な訳ですから、特に何かと比べたりすることなく、見るもの聞くもの全てをそのまま吸収します。それに対して、大人になってから何かを学ぶ場合、その年齢に達するまで様々なことを経験してきていますから、何かを見たり聴いたりした場合、それらを一度自分の過去の情報と照らし合わせてから、それに基づいて適当な収納箱に収めることになります。一つ例を挙げますと、小学校一年生の時の担任の先生は、その子にとっては初めて目にする学校の先生ですので、「へぇー、学校の先生って、こういう人のことなんだ。。。」と素直にそのまま受け入れる事になります。一方、高校3年生になってクラス替えがある場合には、「あ、この先生、中学校2年の時のあの性格の悪い担任にそっくりだわ」とか「こいつ、お兄ちゃんが言ってた嫌な先生だわ」といったような、過去のデータとの照合が行われた後に、「こいつ、キレルと怖いらしいから、今回は大人しくしてなるべく目立たないようにしておこう」といったような形で頭の中で整理することになります。つまり、幼い時の学習は直接的吸収であるのに対して、年齢が行ってからの学習は間接的吸収という事になり、そうしたメカニズムの違いが、その吸収の速さと深さに影響するわけです。そして、人並みはずれた成功を成し遂げるためには、どうしてもより速く深く吸収される直接的吸収に頼る方がより効果的であるということが言えます。保護者の皆さんが様々な分野の英才教育に関心を持たれているのは、この直接的吸収によって生み出される神業に魅了されるからだと考えられます。

取り合えず、「なぜ英才教育が効果的なのか?」ということの触りについてカンタンにお話してみましたが、原稿を書いていてふと思ったのですが、このブログをお子様の教育を真剣に考えていらっしゃる方々にとっての、「英語教育」と「教育全般」に関して何でも質問できるコーナーにしてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか?ラジオで子供電話相談室みたいな番組がありますよね。そのブログバージョンです。タイトルは「Dr. ABEの子育て911」911というのはアメリカの110番に当たるものです。何となくお洒落じゃないですか。皆さんからの大切な質問に対してすべて明確にお答えします。どしどし質問をお待ちしてますね。問合せが来ない場合はこれで打ち切りになるかもしれませんが。。。そんなことないですよね。それでは皆さんまた次回まで。Have a good one!(完)

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桐蔭横浜大学 助教授(第二言語習得論・国際化教育専門)
ラジオ日経教育番組「憧れ阿部学級」司会
教育学博士 阿部憲仁
k-abe@msc-jp.com

・教育学博士(専門:国際的視野からの青少年教育論)
・桐蔭横浜大学助教授

<阿部 憲仁 (あべ けんじ)>
1964年生まれ。茨城大学教育学部英文科卒業。在学中に、アリゾナ州立リベラルアーツ 英文科留学。その後、サンフランシスコ大学教育学部大学院修士課程 T E S L 科 (英語 を第二言語として教える )で修士号を取得。帰国後、大手予備校、ラジオ講座、衛星放送 で英語講師を務める。
サンフランシスコ大学教育学部大学院博士課程 国際教育科にて博士号取得。サンフラン シスコ州立短期大学 E S L助手(米移民に対する英語教育)、ドミニカン大学やマリン短期大学ESL非常勤講師、北カルフォルニア大学言語・応用言語学部助教授&ESLプログラム 総責任者などを経て現在、桐蔭横浜大学助教授(英語教育)を務める。(http://www.msc-jp.com)

第10回 「失敗」か「成長の過程」か

「ガラスを砕くのも、鋼(はがね)を鍛えるのも、同じハンマーだ」

 私は、今言うと、幼稚園の職員にも「うそー!」といわれるのですが、園長に就任したころは、3分間、話をするだけで、前の日から原稿を書き、それを覚えて、また当日の朝早くおきて、散歩をしながら覚えた原稿を繰り返し暗唱したものです。

 今は、「園長の話、長いなぁ」とみなさん、心の中で思っていらっしゃるでしょうが…。とはいえ、今でもその場で急に「なにかしゃべれ」といわれるとあわててしまうほど、人前で話をするのは好きではありません。ほんと、です。

 ただ、園長になったとき、「大勢の前で堂々と話ができるようになりたい」という目標を立て、そして、話をする機会をできるだけ多く持ったり、頼まれたら断らないと決めたりしました。そして、自分が話をしているところをビデオにおさめ、あとで見て(これが苦痛でした)悪かったところを反省し、チェックしました。そうして練習を重ね、うまいへたは別にして、だんだんと話せるようになってきたのです。

 最初からいきなり自転車に乗れる人はいません。転びながら次第にうまく乗れるようになるものです。

冒頭の言葉はロシアの古いことわざだそうですが、私の好きな言葉の一つです。

 みなさん自身も子どもたちも、失敗することもたくさんあるでしょう。叱られたりすることもあるでしょうが、失敗を成長の過程ととるか、単なる失敗に終わらせるか。これはその人の考え方、とらえ方によります。

子どもたちが失敗したときは励ましてあげてください。そして是非、できたところまでを認めて、ほめてあげてください。

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幼稚園ねっとにご登録いただいている幼稚園コラムです。 各幼稚園のコラムを順次ピックアップして紹介していきます。

かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第9回 遊び方にみる、子どもの育ち ~3歳から~

友だちへの関心が出てきて、言葉の数も増えてくる3歳前後から、気の合う「仲良し」のお友だちができ始めます。
2~3人の友だちと一緒になって「ままごと」する姿も見られるようになります。
一緒におままごと道具を並べたり、「お買い物」と称して手をつないで出かけていったり、「お母さんとお父さん」や「お母さんと赤ちゃん」などの簡単な役割もでてきます。

友だちとの仲が深くなっていくと、「イメージの共有」ができるようになっていきます。つまり、目の前に並ぶままごと道具だけでなく、その背景にあるもの、場面設定などのイメージの部分も共有しあい、遊びが膨らんでいきます。
「レストランごっこ」「ピクニックごっこ」「お店屋さんごっこ」「お医者さんごっこ」「幼稚園ごっこ」などのように、場面や役割を決めながら、遊びを勧めていけるようになっていくのです。
また、楽しそうな遊びは、新しい友だちを呼び寄せます。

4~5歳になると、数人の仲間で遊ぶ姿も見られるようになってきます。
アニメの「ポケモンごっこ」をするのだと、それぞれがポケモンになりきっていたり、女の子たちは「行くわよ!」「ええ、わたしが○○するわ」・・・など言葉遣いも普段とはうって変わって、みんなヒロインの顔つきになっていたりします。
「センセイも入って。」と誘われたこともありますが、その番組を知らない私には、とてもついていくことはできない世界でした。そんな私にも子どもたちは根気良く、「センセイはここで××していてね」と次にすることを教えてくれたものです。「ああ、こうやって、友だちとも遊びを作っていくんだなあ」と実感しました。

「○○ちゃんは、こうやってね。」とリーダーシップを発揮する子、「あっ、ねえ、△△っていうのはどう?」と次々にアイディアを出す子、にこにことみんなについていく子・・・・・いろいろな子がいますが、いろいろな子がいてこそ成り立っているのだと思います。

前回から年齢を追って、遊びの様子をお話してきましたが、これはあくまでも流れであり、目安の一つに過ぎないことを付け加えておきます。
5歳になったら、どの子も皆、毎日、数人の仲間と遊ぶというわけではありません。
一人の仲良しの友だちをとても大切にする子もいます。一人でじっくりブロック遊びや工作に取り組みたい時期もあります。
それもまた、大切な気持ちであり時間であるのです。
どうか子どもを一つの型にはめて、一喜一憂することのないようにお願いします。
ゆったりとした流れの中で、それぞれのスピードで、いろいろな力を伸ばしながら、子どもは育っていくのだと思います。
ただ、子どもにとって「遊び」はとても大切なものなのだということ、決して「時間潰し」などではないことを感じていただけたら幸いです。

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元保育士の「ゆっこせんせい」が12年の保育経験を活かして、子供たちとの遊びの中で気づいたこと、発見したことなどを中心にお届けしていきたいと思います。

<さとうゆきこ>
筑波大学心理学専攻、中退。92年、私立保育園就職。勤務しながら、保育士資格取得。0歳~5歳の各歳児の保育に携わる。04年、退職。現在は、HP「ゆっこせんせいのおもちゃ箱」にて、オリジナル手作り布おもちゃを発表し、布おもちゃの素晴らしさを伝えるべく、活動中。7歳と9歳の男の子の母でもある。
HP「ゆっこせんせいのおもちゃ箱」:http://yukkotoy.com/