第18回 「家庭教育の重要性」

新年おめでとうございます。皆様お健やかにお正月を過ごされたことと思います。

本年もお付き合いの程、どうぞ宜しくお願いいたします。

昨年に続きハワイのお正月は雨降りでした。折角お正月休みに常夏のハワイに来られたのに、太陽の顔を見ずに帰られた観光客の方も多かったようです。お気の毒でした。

今日は久々の晴天で、水平線がくっきりと見えるハワイ晴れです。この静かな水平線がいきなり盛り上がる津波を想像すると、インド洋沿岸で津波の被害に合われた方々の恐怖心が伝わってきます。亡くなられた多くの方々にお悔やみを、被害に合われた方々に心からのお見舞いを申し上げます。過去の教訓から、太平洋沿岸地域には津波警報システムがしっかりと出来ているようです。インド洋沿岸にも、このシステムが一日も早く導入されますように。そして、被害に合われた方々が、平和な日々を一日も早く取り戻すことが出来ますように。

自然の威力の前にあっては、人間の力は、本当に微々たるものですね。そのか弱い力を、偉大な力に変えるのには人間の英知が必要です。幾たびも繰り返される河川の氾濫を食い止めるために、川沿いに松を植える知恵を唱えたのは二宮金次郎でした。私の小学校時代には、薪を背負いながら本を読んで歩いている二宮金次郎の銅像が何処の学校の校庭にもありました。木造校舎が、鉄筋のビルに変わった頃から、校庭も狭くなり、二宮金次郎の銅像も姿を見せなくなったようです。
(二宮金次郎についての詳細は次のウエーブ・ページでどうぞ。)
http://www.ai-trip.com/trip/kinjiro/
http://www.terumori.jp/ninomiya.html

人間の英知を集めて、今インド洋沿岸諸国では復興の歩みを始めていますが、未来を築く多くの子ども達の被災は本当に心が痛みます。

子どもが育つ為には生きる為の必需品を親が用意する必要があります。食べさせること、着させること、そして安全に休める場(医療もこの分野に含めます)を確保すること。衣食住の確保は、人間誰にとっても最低限の生活権利としての必需品であり、親が子どものために確保出来なければ、社会が、国が、確保を要求されます。被災地の子ども達の救援のために、国連諸機関の中では先ずユニセフ(国連児童基金)が動き衣食住の確保をするのです。つまり、ユニセフは親代わりとなって子供たちに安全な生活圏を確保するために活動をします。
(日本におけるユニセフ協会:http://www.unicef.or.jp/)

次に子ども達に必要なのは教育です。教育には、家庭教育、学校教育、社会教育があることは再三ご説明しておりますが、被災地における援助で、ユニセフの緊急援助の次に活躍するのが国連機関の中ではユネスコです。ユネスコ(国連教育・科学・文化機構)が長期計画をもって子ども達の自立とコミュ二ティーの復興の為に活動します。
(日本における民間ユネスコ活動:http://www.unesco.jp/indexb.html)
ユネスコは必要に応じて3つの教育に従事することがありますが、私たち個人の家庭においては「衣食足りて礼節を知る」との教えがあるとおり、衣食住の生活圏が確保出来たら、次に親の役割はモラルを教え、礼儀や節度を教える家庭教育に励まなくてはなりません。もちろん、身(自身)を美しくさせる躾(しつけ)も家庭教育の賜物です。

家庭を失った子どもの悲劇は、生活圏は得られても家庭教育を習得する機会を失う悲劇です。

お父さん、お母さん、皆様の英知を発揮して忍耐強くお子様の力を伸ばして上げて下さい。お子様にとって家庭は本当にかけがえのない世界ですし、世界にとってはどの子もかけがえのない未来の地球人ですから。

ノブコ タカハシ ムーア
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椰子の実
火山の噴火で出来た島、ハワイ諸島にはハワイオリジナルの植物は何もありません。今でこそハワイのイメージそのものになっている椰子の木も、島崎藤村の詩「椰子の実」http://www.asahi-net.or.jp/~LD3T-NSKW/tbyashij.htmlのように波に運ばれて来てハワイの島に辿り着き生殖を始めたか、南国からの移民の人によって持ち込まれたものかは定かではありませんが、いずれにせよ海の彼方から運ばれてきたものです。椰子の木の実は大変硬く、これを鉈ですっぱっと切るのには特殊な技術がいるようです。観光地では、椰子の実にストローを挿してジュースが飲めるようにして売っています。私は余り好物ではありませんが、好きな人も結構いるようです。今回の津波の被災者で6日間海に漂流していたインドネシア男性は、椰子の実のジュースで命を繋ぎ生還しました。南の島にとっては、やはりなくてはならない植物です。
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