第1回 卵はスクランブルエッグで?

Q.「それって、どんな気持ち?」
Q.「これについて、どう考える?」

そんな、質問にあなたは、きちんと答えられますか?

A.「ん・・・わかんない」「どっちでもいい」

私が、よく聞く言葉です。
「わからない・・」
自分が何を感じているのか?どうしたいのか?

最近、カウンセリングに限らず、日常会話の中で自分の意見や考えを相手に伝えるという行為を放棄していたり、また、考えるということ自体を最初から放棄する子供が多いように感じます。

<いったい何故でしょうか?>

言ったって無駄、めんどくさいし、意見を言わなければ、否定もされないし、間違うこともない。
責任を持たないですむ・・など、自己防衛(?)の手段なのかも知れません。誰だって、傷付きたくないもの・・・
そしてそれが、どんどん癖になって、「伝えること」を止めてしまったキッカケさえ、忘れてしまうのかもしれませんね。

現代社会において、「自分の気持ちが上手く伝えられない」ということから起こるトラブルの多さをご存知でしょうか?
コミュニケーション不足による誤解や恨み・思い込みが招く事件など、数え切れませんよね。
昨今、コミュニケーションスキルを学ぶ管理職の方が多いという現状も頷けます。

<何気ない日常会話が、考えること+言葉を育てるということ>

例えば朝、「卵の料理法は?」「焼き加減はどうする?」「付け合せは?ベーコン?ソーセージ?ハム?」「ソースは何がいい?」「パンかシリアルか?」から「今日、何を着るか?」「この服のどこが好きなのか?」を子供に聞いてみてください。 
忙しいから、めんどくさいから、ついこっち(親)の都合を押し付けてしまいがちになっていませんか?  
また、聞いても子供からなかなか思ったように答えが返って来なくて、イライラしてしまうかも知れませんね。
でも、子供は黙っていてもちゃんと考えたり感じたりしています。それを言葉にするチャンスを与えてあげて下さい。
「今、何を感じてる?どんな、気持ち?」「それは、どうしてなの?」「分からないから、私に教えて欲しい」
ゆっくり、答えが返って来るはずですよ。 
そして、そのうちに気付くかもしれませんね。あなた自身も、<聞く>から<聴く>へスキルアップがされていることに!

Rei.EGUCHI

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臨床心理カウンセラー産業カウンセラー、カラーセラピストとして活躍中の枝口玲己のコラムが始まりました。 日常の何気ない子供との接し方から、新たな発見が見出せるかもしれません。

<枝口 玲己 (えぐち れいこ)> Calix 主宰 臨床心理カウンセラー (NPO法人日本臨床心理カウンセリング協会認定) 産業カウンセラー (社団法人日本産業カウンセラー協会認定) カラーセラピスト (英国オーラ・ライト認定) ニューヨークアッカーマン研究所でトレーニングを受け、家族療法を学んだのち、ヒューマニスティク心理学をサンフランシスコ・セイブルック大学院で学ぶ。 また、マイケル・ホイト博士によるセミナー「ブリーフセラピー」も履修。