第11回 お子様に身を守らせる躾

皆様、お元気でいらっしゃいますか?

ひと月が過ぎることの何と早いことか・・・・・。しかしながら、毎年ちゃんと桜の花は美しく咲いてくれますね。嬉しいことです。

皆様におかれましては、お子様のご卒園・ご入園と、いよいよ4月を迎えてお忙しくお過ごしのことと思われます。

ところで、最近の事故などを見ていますと、こういう忙しい時期にこそ一層気を引き締めて、お子様にはきちんと“躾”をなさっておかれるよう、気をつけて頂きたいと思うところです。

3月に起こった回転ドアの悲しい事故も、お子様が親の手を離し一人で回転ドアに入ろうとして起こったことです。

確かに管理をする側は、常に万が一を想定した万全の体制をとるべきことは当然として、我々自身も常に危険から自ら身を守る意識を持つべきではないかと思うのです。

子どもは成長過程だからこそ、いつでも危険な冒険家です。子どもは成長過程だからこそ、いつでも不安定な心身状態です。

子どもはだからこそ、大人から守られなければならないのです。

これを機に、ご家庭で“お子様に身を守らせる躾”について再確認をしてみてはいかがでしょうか・・・・。

さて、私鎌田もこの春から皆様にご挨拶を申し上げていた通り、新しい人生の出発をしております。

毎日が新しく、毎日が発見の連続です。

そんな中から皆様に、さまざまな情報提供をして参りたいと思います。

今私は、東京近郊の数多くの老人ホームやデイ・サービスを回らせて頂いており、高齢化社会の現実をまざまざと見せつけられております。

幼稚園児をお持ちの皆様方には無関係のことのように思われるかもしれませんが、実は大いに関係があり、是非皆様にも知って頂きたいと思っているのです。

老人ホームの建設は今、猛烈な勢いで増えており、高齢者向けのサービスビジネスは超白熱状態です。

一概には申せませんが、社会福祉法人立の施設と民間企業が運営している施設とではサービスに対する意識がまるで違い、私の見る限りでは施設利用者に対して「お客様」という捉え方をするのが民間企業であるのに対し、社会福祉法人立の施設の場合はどうしても弱者救済の意識が強く、サービスは限りなく無料のものが良いものとされ、お金を支払って行うサービスは悪しきもの的な見方が横行しているように思えてなりません。

何せ、利用者(お客様)の立場に添ってお客様が真に必要とされるものを提供しようという意識がどこまであるのか、どこまで利用者の要望に添おうとしているのかが重要な点であるのに対し、現実は施設側の都合で物事が決まって行くと言うのが本音のように思えるのです。

それって違いますよね・・・・。

さりとて、“お金を支払いさえすれば何でもあり”と言うものでももちろんありません。

特に、先の短い高齢者の方々にはでき得る限りの我侭を聞いて差し上げることは良いとして、これからの社会を生きていかねばならない皆様方のお子様を託す施設は、親御様である皆様方がご自身のお子様に本当に合う施設であるのか(園の方針など)、信頼して任せられる所であるのかどうかを良く見極めて、選択をするべきであろうと思われるのです。

これからは、高齢者施設へもお子様のお預かり施設へも一層民間企業の参入が増えていくことでしょう。そんな中、何が大切なポイントなのかを良く考え、見極める目を養って行って頂きたいと思います。

時間がある時、お近くの高齢者施設へお子様とご一緒にお手伝いに行かれてみてはいかがでしょうか・・・・、きっと新しい発見ができることと思いますよ。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。