第14回 子育てと家庭と仕事のバランス

皆様いよいよ暑い夏がやって参りましたが、お元気でいらっしゃいますか? もう梅雨は明けたかのような暑い毎日ですね。

幼稚園の夏休みももう目の前です。 毎度のことながら、子ども達は楽しみに、親御様は戦々恐々のことでございましょう。

さて、私鎌田はここ半年近く関っていた高齢者施設へ美容師さんを訪問させる会社のサポート業務にピリオドを打ち、改めて保育・教育に取り組むことに致しました。

昨日はその関係でお疲れ様会のようなものがあり、そこで何とも“子育ては、やはり母親次第”という会話で盛りあがりました。 そこの美容師さん達は全員女性、しかも今まさに子育て真っ最中というメンバーが多く、一方ですでにお孫さんまでいらっしゃるベテランさんもいて、そんな話が出てきたということなのです。

そんな様々な状況にある彼女達が同様に悩むことは、やはり“子育てと家庭と仕事のバランスの取り方の難しさ”にあるようで、現に40名ほどいるスタッフの約1割は母子家庭、さらに約1割は別居または離婚を考えていらっしゃる現状、いつになっても本当に難しい問題です。

さりとて、専業主婦でさえあれば何の問題もないかというと、そういうわけでもなさそうで、ちゃんと良い奥様、ちゃんと賢いお母様だった方が突然離婚をする羽目になることもあるようで・・・。

人間はいろいろと困難な状況に陥った時、つい自分を責めたり、逆に相手を責めすぎたりしがちですが、どんな結果であれ大人は自分で考えて自分で責任を取りさえすれば済むことですが、子どもはどうすることも出来ないのです。 自分を責めても、相手を責めたとしても子どもはその両方の子どもであることに変わりはなく、子どもにとってはかけがえのない自分の父であり、自分の母なのです。

そこで昨日、ベテラン美容師の一人が言いました。 「私はね、子どもには小さい時から“お父さんはすごいのよ”、“お父さんは偉いのよ”ってずっと言ってきたのよ、実際にはたいしたことはなくともね。でもだからかもしれないけれど、子ども達は皆今でもお父さんを大事にしているし、皆んな仲良いわよ・・・」 どうという事もない、何気ない会話でしたが、何かふわっと心が温かくなりました。

人間関係難しいと思えば難しい事だらけですが、もしかすると自分の気持の持ち方次第でそう難しくないのかもしれません。

そのベテラン美容師さんはとても素敵で、とても表情豊かな方です。 そういえば、前回ご紹介したお婆ちゃまもとても良いお顔をなさっておられました。

結局昨夜の会話の中で、子育て・家庭・仕事をうまくこなして行くためには、できるだけ夫婦は仲良く、よしんば夫婦の仲が上手く行かなくなった場合でも、母親が明るく元気に子どもに接し目を向けてさえいれば、世間を騒がせているような大きな事件は起こらないし、子どももちゃんと育っていくのではないかという着地点に至ったということです。

幼稚園児をお持ちの皆様も、どうぞご家族仲良く、楽しい夏休みをお過ごしください・・・・・。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

—————————————————————————

元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。