第17回 「なんで英語を学ぶの?」

ALOHA! ヨーロッパ各地の知人達から、長くて寒い太陽のないヨーロッパの冬の到来を告げる便りが届くようになりました。
以前ハワイの子どもたちに、冬の間太陽を恋しがる北欧の子どもの話をしたところ、大変興味深く聞いてくれました。ハワイの子どもたちには、何ヶ月も太陽が顔を出さないことは、信じがたいことなのです。ヨーロッパの冬を体験すると、冬でも太陽が拝める日本やハワイは、本当にありがたい恵まれた気候です。

さて、日本における英語熱は相変わらず高いようですね。
「短期間で英語がしゃべれるようになる」とのキャッチ・フレーズは、アメリカの「短期間で痩せられる」とのキャッチ・フレーズ同様に、日本では多くの人を引き付けるようです。

アメリカ経済が世界経済を大きく影響するようになり、英語が国際語としての地位を確立してしまった以上、国際間のコミュニケーション手段としての英語習得にはそれなりの意義があると思います。しかし、英語を学習することと、日本語をおろそかにすることは、異なるはずです。むしろ母国語を豊かに使いこなせる人の方が、コミュニケーション・技術も向上し、英語の習得にも拍車がかかります。

私は、以前から日本人観光客の使う日本語が気になっておりました。暦が日本語で言えない(ついたち、ふつかではなくいちにち、ににちとう)、数が正確に表現出来ない(紙を一個と数える)や敬語をオーム返しに使う等。そしたら最近の報道で、日本人大学生の日本語力が日本に留学している外国人留学生よりも劣ると警鐘されていまた。これは大問題です。

お父さん、お母さん、お子さんに綺麗な正しい日本語を一杯聞かせてあげて下さい。本や詩を読んだり、歌を歌ったり、言葉遊び(しりとり、伝達ゲーム、カルタとり等)をしたりして、生きた美しい日本語を一杯浴びさせてあげて下さい。きっとお子さんの脳細胞の隅々まで刺激を与えてくれると思います。

私がスイスでフランス語を学んでいた時、日常会話や下宿のマダムとは仏語、友達とは英語を使い、日本語を使う機会が全くありませんでした。
ある時、夢の中で何語で自分を表現しようかともがいている自分を知り、夢の中で全くどの言葉も
出ない失語症に陥った自分をみました。
夢から覚めて、いやな予感がしました。
その後、ある機会に日本女性と出会い、二人でお互いに思い切り日本語で深みのある会話をしました。
途端に、脳のさび付いていた一部の歯車が、カラカラと回りだしたようでした。実に爽快でした。
その後英語も仏語も苦痛でなくなり、失語症の夢も二度と見ませんでした。

今からでも遅くはありません。お子さんとご一緒に、美しい日本語探しごっこを楽しんで下さい。

本年も一年間お付き合いいただきありがとうございました。
2005年の皆様とご家族のご多幸と、地球の平安を心からお祈りいたします。

来年もお子様たちの笑い声が地球にいっぱい響き渡りますように!

ノブコ タカハシ ムーア

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メレ・カリキマカ!これはハワイ語のメリー・クリスマスですが、ハワイでは宗教色抜きで年末の挨拶言葉になっていす。多民族社会ハワイでは民族ごとにお祝いが異なりますが、年末だけは一緒です。そして、民族を超えてハワイ語が生かされるという、面白い習慣があります。最近ハワイでも地球資源の問題が深刻になり、good for INA と英語とハワイ語(AINAとは大地とか自然、地球のこと)を混ぜた言葉が頻繁に聞かれるようになりました。それでは、皆様メレ・カリキマカ!
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