第24回 いただきます、という挨拶

生活の四大原則で、一番に「挨拶をする」をあげています。
おはようございます、こんにちは、こんばんは、などの一般的な挨拶、それから、ありがとう、などのお礼の言葉も含まれます。

食事をするときの「いただきます」もこの挨拶に、もちろん含まれます。
幼稚園では給食などの食事を食べるとき、「いただきます」といってから食べます。ご家庭でもそうされていることと思います。

ところが、先日、こんな話を耳にして驚きました。

ある小学校で、「給食費を払っているのに、なぜ『いただきます』といわせなければならないのか」という保護者がいたそうです。費用を払っているのだから、食べて当然ということなのでしょうか?これは違うと思いませんか?

いただきますという言葉、これは、食べ物、つまりお米や野菜や肉などの食材、それらの命をいただいているということなのです。
その命をいただいて人間は生きていくことができるのです。

だから、食べ物に対する感謝の気持ちを込めて、「いただきます」と言ってから食べ、いただいたあとは「ごちそうさまでした」と挨拶をするのでしょう。
生きとし生けるものに対する感謝の心、命への尊厳の心、これを忘れてはいけません。森羅万象すべてのものの「おかげさま」で人間は生かされているのです。
食べ物に対しても、「いただきます」と感謝の心を込めてその命をいただく。

小さなことかも知れませんが、とても大切なことだと思うのです。

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かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)