第8回 「親は子どもの鏡」

Aloha! 日本では暖かい冬のようで、もうそろそろ春の到来が感じられる頃でしょうか? 今の季節感は、テレビのニュースやデパート・スーパーマーケットの商品で知らされる事が多くちょっと残念です。私達の生活がそれだけ大自然と遠のいているからなのでしょう。大自然の息吹から、春の到来を直接自分で感じられたら素敵ですよね。こちらでも、同じです。バレンタインの商品がかたずいたと思ったら、お店の店頭にはイースターの商品がずらりと並びました。

古い表現かも知れませんが、「親は子どもの鏡」と言う表現を皆さんも一度は聞かれたことがあると思います。国籍、民族問わず、良く色々な親御さんから「自分が親から言われたように、自分の子どもにも言っている。」というコメントを伺います。それは、躾け方のときのこともありますし、小言を言う言い方のときもありますし、親の心情を表明するときのこともありますが、言ってしまた後に「はっと」気づくことがあります。「おや、これはどこかで聞いた言葉だな?」と思い考えると、自分の親が発信者であることを後から思い出したりするのです。それは自分にとって良い言葉である場合も、いやな思いをさせられた言葉である場合もあり、ケースバイケースですが、自分の親と同じような言葉を繰りかえりした自分に苦笑します。

自分にとっていやな思いをした言葉なら、反省しなくてはいけません。なぜなら、自分の子どもが今度は孫に同じような言葉を繰りかえす心配があるからです。なかなか簡単ではないですよね。私なども、後から娘二人がかりで言われて始めて気づき反省させられることもしばしばあります。“そうか自分もあの状況であのように言われたとき、とっても悔しい思いをしたのに、なぜあの時の親と同じことをするのだろう”と素直に反省できれば良いのですが、“いや、子どもの私には親のあの時の立場が理解できていなかったのだ。この子も親になればいつかは解るだろう”と自分で自分を納得させるケースもあります。正にこの辺の自己問答は、親業の自己訓練のひとつとも言えそうです。

物資の少ない時代に子だくさんの家に生まれ育った主人は、自分の父親の生き方に心から敬服しているようです。「お祖父さんはいつもこう言っていた。」とか、「お祖父さんはこういう苦難にもめげずに生きてきた」とかいう言葉を子ども達に良く言いますし、「父親のあの時の言葉が本当に理解できるようになった」とぽつり私にもらしたりします。

色々な親がおり、色々な性格の子どもがいるのですから、当然親子関係も色々ですよね。夫婦、親子でがたがたしながらも、そのうち我が家風が家庭の中に根づいてゆくようになったら上出来です。隣のおうちとも、友人のおうちとも違っても我が家風に親子ともに愛着がもてるようになったら最高ではないかしら。もちろん、鏡である親が何かに付け本心を子どもに見せ、子どもに映った姿を素直に受け取らないと(ある時は反省であり、ある時は励ましであり、ある時は共に成長することであるかもしれませんが)、我が家風は生まれません。

以上のような点を考慮に入れた上で、一つ実験をしてみて下さい。お子さん連れの時、異文化圏の人に遭遇したら(又は交流会とかの機会でもかまいませんが)あなたはどんな態度や行動をおとりになりますか?鏡であるあなたを見ているお子さんに、それがどのように映ったか後でお子さんと確認してみて下さい。

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイの季節
ハワイには日本のような四季がありません。雨季と乾季になります。11月から 4月頃が雨季で、5月から10月頃が乾季と分けれます。通常は雨季でも、日本のようなしとしと降る雨ではなく、シャワーと呼ばれるさーと降る雨でその後からりと晴れてしまうので虹が良く見えます。しかし、時々しつこいほど良く雨が降る雨季もあり、今年はこのしつこい雨の年のようです。ハワイ諸島は火山の噴火によって出来た島ですから、大雨が降ると大地に浸透するのではなく、山肌を滝のようになって雨が流れ落ちます。こういう年は虹が見えない代わりに山の緑が鮮やかになります。雨季と乾季のハワイでも微妙に季節の変化を感じ取れます。それは、日照時間の長短や、季節ごとにことなる草花や、シーズンごとに異なる催しだったりします。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>