Category Archives: ハワイからの地球人学級

第12回 「ハワイの夏の子供向けプログラムの状況」

ALOHA! 日本ではもう夏休みですね。ハワイを訪れる日本人観光客も、最近では家族連れが大変多くなっております。日本の学校(大学を除く)の夏休みは40日間というのが一般的でしたが、最近は日本でも各学校・幼稚園で様々な夏休みの長さがあるのでしょうか?

こちらの学校は、ご存知のように秋から始まり6月初めに一年間のコースが終わります。ですから9月から始まる学校ですと、3ヶ月近くも夏休みがあるのです。これは学習習慣を失い易く、良くないと、最近ハワイの学校では異なるキャレンダーを採用する学校が増えております。つまり夏の休日を冬休みや春休みに振り分けて、8月から始まるキャレンダーを採用しています。それでも約2ヶ月ある夏休みは、親にとって嬉しくもあり、忙しくもあり、頭痛の種でもあり、、、、、特に働いている親にとっては大問題です。

ハワイには働く親が半数以上おります。夏休みになると親類や友人を頼って親の国やアメリカ本土を訪れる子どもが増えます。ですから夏休みになるとハワイでは子供の姿が圧倒的に少なくなるのです。

又、子どもが夏休みの間通えれる、公立のサマーファン(楽しむことを目的としたプログラム)やサマースクール(学習を目的としたプログラム)が一ヶ月半ほどあります。私立の施設ではもっと時間の長いプログラムもあります。

最近日本から子どもの英語学習のために、夏の間のプログラムに子どもを参加させる目的でハワイに滞在する若いお母様が増えております。日本のインターナショナルスクールでは、日本人の生徒が急増して英語学習が危ぶまれると聞いておりますが、ハワイも似たような現象が起こっております。

ハワイに住んでいる親達で子どもをこのような私立の夏のプログラムに参加させている親達は、子どもをこのようなプログラムに参加させても仕事のための時間を作る必要がある経済状況の家庭もあります。ハワイにおける幼児教育施設の費用は、こちらの生活費の中でも大変高く、共稼ぎ夫婦の一人分の給与が子どもに取られてしまうと嘆く親も多いのです。

ところが日本から夏休みにハワイ滞在する日本人家族は、かなり経済的余裕のある家計の家族が多いので、プログラムで必要となる諸経費は快く出資するし、子どもの持っているものも現地の子ども達より高価なものが多いです。ですから、プログラム主催者は当然利益率の良い日本からの参加者を積極的に募ります。

でも私の考えでは、これらの状況の中で双方の子どもにメリットのある状態は、80%以上が現地の子どもの属しているプログラムが理想的です。(念のため、夏の子供向けプログラムは現地の子供たちにとって、親の都合だけでなく、友達が少なくなる夏の間の大事な社交の場でもあるのです。)

日本からのプログラム参加者が全体の20?30%になったら、これはもう日本社会の延長と同じです。英語学習どころか、子供同士も日本語に頼ってしまうし、親達も日本人の親たちがいることに頼ってしまって、日本社会以上に狭い村意識を形成しかねません。その中で英語の強い親に他の親たちが当然頼るようになり、折角ハワイまで来たのに必要以上の気使いや、狭い人間関係の噂や感情のすれ違いに嘆いたり悔やんだりしたのでは意義がありませんよね。

以前身体障害をもった日本女性がハワイ大学の英語クラスを受講した時、私は彼女とお話したことがあります。彼女のクラスのほとんどの受講生が日本からの留学生だったそうです。彼女はそのクラスメイト達から日本にいた時以上に強い差別を受けて、英語の学習どころか心に深い失望を受けてハワイから帰りました。これは大変残念な例です。

勿論自分の子どもに何を体験させ、何を学ばせたいのか、その選択は親御さんがするのですから、どのようなハワイ滞在にするのかはそれぞれの親御さんの考えがおありでしょう。

この夏日本からハワイに来られるお子様達が、ハワイ滞在が短くても長くても、地球色の海に感動し、貿易風と心から戯れて、ハワイで接する異なる文化や人に暖かい理解をしめし、親御さんともども素敵な時間を過ごされるように、、、、、それが私のささやかな願いです。

ノブコ タカハシ ムーア
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シーライフ・パーク
私の住んでいる東ホノルルを抜けて裏オアフに入る岬は、マカプウ岬と呼ばれ風光明媚な観光名所でもあります。この岬近くに、海洋生物と楽しく接することを目的に建設されたシーライフパークがあります。水族館というよりもテーマパークです。私が以前訪れたときには、サメのお腹から発見された物が陳列されており、
「へー!サメってこんなものまで飲み込んじゃうの!」と子ども達と奇声を上げたものです。イルカのショーも楽しかったです。
日本語の案内がありました。詳細はこちらでどうぞ。
http://www.atlantisadventures.com/jp/hawaii/sea/sealife.htm
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第11回 「たいくつを楽しむゆとり」

ALOHA! 日本では紫陽花の美しい季節になりますね。雨に濡れた紫陽花の花とその葉に乗っているカエルは、日本のカレンダーの6月の代表的な絵ですね。懐かしく思い出します。この紫陽花、実は日本からシーボルトがオランダに持ち帰り品質改良されて日本に逆輸入されたとも言われております。ヨーロッパにも、ハワイにも似た花がありますが、雨と紫陽花が結びつくのはやはり日本の気候風土が生み出したイメージのようです。

さてこちらハワイでは、ゴールデンシャワーと呼ばれるマメ科の木に見事な黄色い花房が咲き誇る時期です。このゴールデンシャワー、和名はナンバンサイチカと呼ばれていますが、ハワイでは黄色だけでなくオレンジや白の花もあります。風に吹かれてこの花が散る光景は、まるで日本の桜吹雪。こちらの表現では、まさにシャワーを浴びるような気分にさせられるのでこのような名前がついたようです。

昨日大変ショッキングなニュースが日本から届きました。小学生6年生女児による友人殺害が学校内で起こったニュースです。日本の教育関係者は、度重なる児童による凶悪事件の度に色々と対策し関係者の指導をしているようですが、やはり社会の本質的問題が解決されないまま上辺だけの対策や指導には限度があります。教育には、家庭教育、学校教育、社会教育があるのですが、日本において家庭教育がおろそかになってきたのはやはりバブル経済の発展期からのようです。

父親を仕事にとられた家庭で、母親だけの家庭教育がゆがんでしまうのは当然です。時間の問題ではなく精神的に父親の存在が子どもに伝えられていればまだ良いのですが、逆に母親さえもパートの時間にとられ、子どもには塾やら習い事のフルスケジュールを与えて子どもを管理するといった、家庭教育不在の時代があったのです。そしてその時代は、今でも日本社会(正確には日本のみならず、急速な経済発展社会では常に弱者―子どもや老人―が犠牲になります。)にもまだその影が深く残っていると思います。

ハワイに来てある会社でマネージャーの仕事に私が付いてから10年になりますが、英語でマネージ(MANAGE)をする人と呼ばれて初めて私の意識の中にマネージの観念が植え付けられました。

MANAGEとは管理することなのですが、日本語だと管理者となってなんだかふんぞり返っているようなイメージですが、英語だと自分がコントロールできる状態に物事を持ってゆくとなります。ですから職場ですと、人材の確保と教育、経費の収支、経営がスムーズにゆくように設備の点検から日々の業務運営を支障なく遂行するための必要な事項の管理を管理者としての責任の基に管理しなくてはなりません。つまりなんでも屋です。しかも決められた時間内に行なうのですから時間の管理、又自己の健康管理も必要です。こうなると、管理されない自分の時間と空間の必要性が生まれ、その時間と空間を確保する知恵も付いてきます。

子どもの頃は、この管理の概念が全く無く、何もすることが無い時間を「つまらない」とか「たいくつだ」とか言って遊び相手を捜したり、からかってくれる相手を家族(私は大家族の家庭に育ちました)の中に求めたり、それでも誰も見つからないと自然の中に自分を置いて時を過ごしたものです。流れる雲の形をボケーとしながら眺めたり、庭の蟻の動きを飽きもせずに見つめたり、流れる川のきらめきに心を奪われたり、日溜りでごろっとしながらうとうとしたり、、、、こういう時間や空間は子どもの時の特権だっかのかしら、それともその時代の生活の一部だったのかしら、、、、、、、。

いや、今でもちゃんとあるのです。管理されない時間や空間の中に自分を置くその心地良さは「ゆとり」と呼ばれるようになりました。

変化の激しい現代社会で多くの人を管理するのに、つい合理性のみを優先した管理方法が選ばれがちです。でも人間の心や気持ちはそんな単純に合理的に割り切れるようなものではないのですよね。それゆえ、家庭教育が変化の激しい時代こそより重要になってくるのです。

家庭での教育は、人間管理の教育ではなくむしろ脱管理教育であるべきです。社会の集団生活の中で管理され拘束されている人としての心や気持ちを開放できる場が、家庭であって欲しいのです。つまり、父親母親という全く異なる性の狭間でも、又親と子どもの年代の狭間でも、お互いに認め合い必要となる自分の存在を確認できるところが家庭なのです。

ですから、脱管理教育は「甘やかすこと」とは、まったく異なりますし、又「躾」は管理とは異なり良き生活習慣を子どもにつけさせるために親が家庭で
教える必要があります。厳しく躾けていても、親の愛情が伝わっていれば、子どもは不安なく成長します。家庭における自分の必要性はあるがままの自分を受け入れてくれるということでから、家族間でお互いの自我がぶつかり合うのは当然です。それにも関わらず、お互いが必要になり認め合えるところに家族の絆があり愛情が育まれてゆくはずです。

お父さん、お母さん、職場や社会では管理されたり管理したりする人であっても、家庭では管理者ではなく父親母親となって外で管理されて疲れている子ども達に「ゆとり」をあげてください。家族揃った時間がとれたら、なにも人ごみの中に出掛けなくても家族揃って退屈な時間を楽しんではいかがですか?お金を使わなくても良いし、時間に振り回されなくても良いし、、これ以上大人にとってリラックス出来ることはありません。

子ども達ですか?始めは文句をいうかもしれませんが、親たちが自分に向き合ってくれると解れば結構喜んで従うはずですよ。家族揃って庭で食事をするとか、キャンプごっこをするとか、いつもとは異なる生活のリズムを家庭の中に起してみてください。そういうときのお父さん、お母さんの話(失敗談とか、子ども時の思い出とか、自分の親の思い出とか)を幼稚園児であっても子どもは真剣に聞いているものです。そして、生涯覚えています。
       
ノブコ タカハシ ムーア
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アメリカにある唯一の宮殿
大統領制度のあるアメリカに本物の宮殿があるのをご存知ですか?アメリカ国民の中にはハワイ州がアメリカ合衆国の一部であることを知らない人もいるくらいですから、日本の皆様が「アメリカに宮殿?」と思われても不思議はありません。
アメリカにある唯一の宮殿は、ここハワイ州のホノルルのダウンタウンにあります。カメハメハ大王がハワイ諸島を統一し王朝を成立させましたが、その後今から約100年前にカラカウア王が建てたイオラニ宮殿がそれです。煌びやかな宮殿ではありませんが、質素な中にもハワイらしい趣のある宮殿です。ハワイに来られたら是非イオラニ宮殿の見学ツアーにも参加して、ありし日のハワイ王朝を偲んでみて下さい。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第10回 「ボディーラングエッジ」

ALOHA! 日本ではもう新緑の季節になりますね。ハワイでもやっと美しく晴れ渡るハワイ晴れの季節になりました。空気の透明度が高いとなにもかも鮮明に見えて気分まで晴れやかになりますね。つまりハイビジョンの世界になるようです。この空気の透明度(汚染されていない度合い)と人間の気分にはやはり深い因果関係がありそうです。
以前富士山の空気を缶詰めにして富士山の五合目で売っていましたが、いまでもあるのかしら? まあすぐ出来ることとしては、深呼吸をして体の隅々の細胞にまで酸素を充分におくって上げることにしましょう。

何故か最近、日本の新聞の衛星版に頻繁に目に付く広告があります。
この広告のことは以前他の機会にも私は疑問を投げかけたことがあります。
正確な文章は覚えていませんが「抱きしめるという会話をしていますか」といったような内容で日本人の母親が女の子を抱いている写真が掲載されていましたが、、、、、、やはり、私にはぴんとこないメッセージです。

確かに欧米の習慣として抱きしめるコミュニケーションはありますが、今では日本の親子でも抱擁が習慣となりつつあるのでしょうか?あなたは幼稚園児になったお子さんを抱きしめたことがありますか? それはどんな時に、どんな気持ちから生じた抱擁だったのでしょうか?
公共広告機構が広告主である日本のこの広告の趣旨は、親子の愛情のあり方の一つを提示しているのだと思いますが、自分の親からそのような愛情表現を受けたことも無い私にとっては、やはりぴんときません。みなさんの世代は受け取り方が違いますか? 

実は私自身は、日本にいた時そんなに子どもを抱きしめたことはありません。
乳幼児の時は勿論抱っこしましたが、幼稚園児になったら私の布団の中に入ってきた娘達と自転車ごっこ(布団の上で寝転がってする私の体操)をしたりしてじゃれ合ったりはしましたが、特に抱擁の記憶はありません。
私が家を留守にする時、家に残る娘達に抱擁しないし帰宅しても娘達を抱擁しない私は、愛情のない母親とアメリカ人の主人には思われたこともありました。でも、私の習慣ではないので私はあくまでも自分の自然流を通しました。その後娘達も日本の外に出て見聞を広め、またアメリカ本土に移って生活習慣となっている抱擁に慣らされてきたのと親元を離れている距離もあるのでしょう、ハワイに戻ると抱擁の習慣を私にも頻繁に求めるようになりました。私も喜んで彼女たちを抱きしめています。
抱擁の挨拶習慣はヨーロッパにいた時私は習得していましたが、それが親子の愛情確認として私に会得出来るまではやはり年月と環境が必要でした。

ところが、ハワイ育ちで英語が第一言語の息子とは、又異なった愛情表現を描いています。息子は姉達とは抱擁しても、私には抱擁を求めてはきません。
私の方から抱擁を息子に求めると、「しょうがないから抱き返すね」となります。それでも以前はもう少し素直だったのですが、チィーンエイジになってますますその傾向が強くなりました。だから私の彼への愛情表現は、今はお料理と彼の夢中になること(車とか、映画とか、女の子のこととか)を聞いて上げることです。それでも、会話の途中で肩をたたいたり、頬を撫でたり、じゃれ合ったりしながら息子の体に触れることはあります。
抱擁以外のボディーラングエッジも色々とありますし、やはりお互いの温もりを伝えることは大切だと思います。

ですから、やはり広告のメッセージをそのまま受け取らないで、自分流に消化して表現しないと大変な混乱をまねきます。「抱くこと」が自分の辞書に記載されていない人は、他の手段で自分にあった愛情という温もりを伝えれば良いのです。子どもと歩くとき手を繋ぐとか、自分の体の痛いところを子どもに触らさせるとか、子どもと一緒になってじゃれ合うとか。

ボディーラングエッジを「体の表現で伝える意思」と解釈すると、日本の生活習慣にはこれがあまり無いように思えます。こちらハワイでは、手のひらを握って親指と小指を立てるシャカサインと言うのが一般化されていますが、これは「こんにちは」とか「ありがとう」とか「いいぞ!」等、受け取り手に対して肯定的な意思を表現するときのサインです。全く反対の否定的で挑戦的な表現を現す指のサインもありますが、異文化圏の人が興味本位でこれらネガチィブなサインを真似ることは絶対禁物です。
又、ポリネシア原住民の子ども達は頭を撫でられて誉められることを嫌うと伺ったことがあります。この例は、オアフ島ではなく昔ながらの価値観がまだ生かされている島で原住民が多いコミュニチィーでの例ですが、「頭部はオハナ(祖先)との交信をする大事なアンテナがあるので、頭を撫でられることでその交信を妨害される」との考えがあるのだそうです。分からないことや不明瞭なことはやはり言葉を使って正しく理解する必要がありますね。

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイのレイデー
5月1日のメイデーはこちらハワイでは、レイデーと呼ばれてレイを首にかける日です。レイをかける習慣はポリネシア人達の習慣から引き継いでいますが、むしろこの日は「ポリネシア原住民の歴史文化を尊ぶ日」と解釈した方が良いかもしれません。公立の小、中、高校では古代ハワイ王朝にちなんで、その年の王と王妃を生徒達の中から選びます。選ばれた王族達の前で各クラスごとにフラダンスを披露するのが、メイデーの大きな学校行事となっています。この日には、生徒達がレイ用の花を各自の庭や近所から集めたり、フラダンス用の衣装を揃えたりします。様々な人種の顔つきの子ども達がお揃いの格好で一緒にフラダンスを踊る光景は、とっても微笑ましいく親たちは夢中でカメラのシャッターを押しまくります。
こちらの公立小学校には幼稚園の年長(5歳児)組からあるので、幼稚園児のフラダンスもとっても可愛いです。
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関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第9回 「英語より大切な会話」

Aloha! この4月は日本では年度始めですね。お子さんが入園された方、ご入園おめでとうごさいます。私が日本にいた時、娘二人を入園させてほっとしたことを思い出します。桜の舞い散る下で、私から離れてゆく娘達を頼もしく思ったり、心配に思ったり、、、、、揺れる親心はまるで桜の花びらのようでした。この春同じような経験をされたお母様、お父様、ご心配いりません。お子さん達は、しっかりと大地を踏んで成長しますから、お二人の愛情を春の日のように注いで上げてくださいね。(春の日差しには意味があるのです。夏の太陽のような直接的愛情では、子どもが焼けどしてしまいます。ご夫婦の間の愛情からもれる間接的愛情で子どもはちょうど良く育つそうです。正に春の日で良いのです。)実は私は満開の桜を10年ぶりに満喫して日本から戻ったばかりです。一緒に連れて行った14歳になった息子は、日本の御伽噺(おとぎばなし)の中でしか知らなかった桜を、充分に堪能しました。日本人にとっての桜は、春、門出、出発、不安、希望、と重なり合っているようですね。

日本に行く度に、英語会話上達にかける日本人の熱意に驚かされます。今回も同じです。短期間で絶対に英語が話せれるようになる教材とか、駅前留学の広告も実に素晴らしい口上書きが車内一杯に掲げられていたり、英語の早期教育が益々盛んに浸透している事実も見たり聞いたりいたしました。英語が国際語として通用していることは確かです。英語で自由に自己表現出来ることは、国際社会で一人の人間として活動する上で、無くてはならないスキル(能力)です。ですから、早くからそのスキルを子どもの身につけさせようとする親の気持ちも解ります。ましてや英語が小学校の教科になるとなれば、当然でしょう。

でも私には、手放しでこの傾向を奨励するのには、疑問が伴います。どこの国の人でも、どの国の言語でも、言葉に長けている人には「人間好き」な人が多いようです。まして外国の言葉に長けている人は、「人間好き」プラス「健康的な好奇心(ゴシップなどではない、知識としての好奇心)」を持ち合わせていないと外国語の上達は困難です。そのためには会話を掘り下げる語学力が必要となります。自動翻訳機のように、ある単語や文章を右から左に置き換えるような会話には、やはり深みが伴いません。意思疎通は出来ても、人間としての関わりを深める会話にはなりません。これでは、バスに乗れたりパンを買えたり出来るでしょうが、友達は出来ませんし交渉ごとも実を結びません。

深みのある会話(事実を伝えるだけでなく、何故そうなったか、どうしてそう考えるのか等個人の意見を盛り込ませるように仕向ける会話)を子どもに教えるためには、やはり親子ともに自由に意思が通じ易い言語を使用することが必要です。私は娘二人とはずーと日本語で会話をしていたので、今でも深みのある会話でも私とは日本語です。時々娘達の単語や表現が見つからないと、私の英語力を加えて確認したりします。しかし息子とは英語なので、私の英語力がもどかしくなると会話もギクシャクしてきます。(特にテ―ンエイジャーの今風英語には私はお手上げです。)主人はそれを心得ているので、息子の深みのある会話は、英語で主人が訓練しています。

話をしながら考える。その考えに応じる相手の反応を吟味し又言葉を返す。相手の反応を理解するために確認したり、疑問を投げかけたり、又は違いを指摘して相手の反応を又伺う。会話とはそのように進むものではないでしょうか。英語の単語を覚えること以上に、日本語で深みのある会話をするほうが会話力の育成に大いに役立つとは思いませんか?後に英語を学んだ時、その会話力があれば英会話力は抜群に、しかも容易に会得できるはずです。幼児でも深みのある会話が出来るか疑問ですか?単語は少なくても、彼らの感性は大人の私達以上に豊かですから、大人同士よりも深みのある会話が出来る可能性は大いにあります。今夜はお子さんと深みのある会話にチャレンジしてみて下さい。

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイの花
ハワイには一年中さまざまなトロピカルフラワーが色鮮やかに咲ておりますが、花の種類によって時季はあります。ハワイの州花は黄色のハイビスカスです。
このハイビスカスだけでも、様々な色(赤、ピンク、紫、黄色、白、霜降りや二色のぼかし等)が楽しめますし、大きさや花びらの種類(しわのよった柔らかい花びらや、はりのある花びら等)も様々です。どうやらハワイには花好きの人が多く、品種改良を色々と試みている結果のようです。道端に咲いている花を失敬して髪に飾る女性もいますが、男性もいます。ハワイでは男性にも花が似合います。きっと日焼けした肌と明るい太陽光線の演出のお陰でしょうね。
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第8回 「親は子どもの鏡」

Aloha! 日本では暖かい冬のようで、もうそろそろ春の到来が感じられる頃でしょうか? 今の季節感は、テレビのニュースやデパート・スーパーマーケットの商品で知らされる事が多くちょっと残念です。私達の生活がそれだけ大自然と遠のいているからなのでしょう。大自然の息吹から、春の到来を直接自分で感じられたら素敵ですよね。こちらでも、同じです。バレンタインの商品がかたずいたと思ったら、お店の店頭にはイースターの商品がずらりと並びました。

古い表現かも知れませんが、「親は子どもの鏡」と言う表現を皆さんも一度は聞かれたことがあると思います。国籍、民族問わず、良く色々な親御さんから「自分が親から言われたように、自分の子どもにも言っている。」というコメントを伺います。それは、躾け方のときのこともありますし、小言を言う言い方のときもありますし、親の心情を表明するときのこともありますが、言ってしまた後に「はっと」気づくことがあります。「おや、これはどこかで聞いた言葉だな?」と思い考えると、自分の親が発信者であることを後から思い出したりするのです。それは自分にとって良い言葉である場合も、いやな思いをさせられた言葉である場合もあり、ケースバイケースですが、自分の親と同じような言葉を繰りかえりした自分に苦笑します。

自分にとっていやな思いをした言葉なら、反省しなくてはいけません。なぜなら、自分の子どもが今度は孫に同じような言葉を繰りかえす心配があるからです。なかなか簡単ではないですよね。私なども、後から娘二人がかりで言われて始めて気づき反省させられることもしばしばあります。“そうか自分もあの状況であのように言われたとき、とっても悔しい思いをしたのに、なぜあの時の親と同じことをするのだろう”と素直に反省できれば良いのですが、“いや、子どもの私には親のあの時の立場が理解できていなかったのだ。この子も親になればいつかは解るだろう”と自分で自分を納得させるケースもあります。正にこの辺の自己問答は、親業の自己訓練のひとつとも言えそうです。

物資の少ない時代に子だくさんの家に生まれ育った主人は、自分の父親の生き方に心から敬服しているようです。「お祖父さんはいつもこう言っていた。」とか、「お祖父さんはこういう苦難にもめげずに生きてきた」とかいう言葉を子ども達に良く言いますし、「父親のあの時の言葉が本当に理解できるようになった」とぽつり私にもらしたりします。

色々な親がおり、色々な性格の子どもがいるのですから、当然親子関係も色々ですよね。夫婦、親子でがたがたしながらも、そのうち我が家風が家庭の中に根づいてゆくようになったら上出来です。隣のおうちとも、友人のおうちとも違っても我が家風に親子ともに愛着がもてるようになったら最高ではないかしら。もちろん、鏡である親が何かに付け本心を子どもに見せ、子どもに映った姿を素直に受け取らないと(ある時は反省であり、ある時は励ましであり、ある時は共に成長することであるかもしれませんが)、我が家風は生まれません。

以上のような点を考慮に入れた上で、一つ実験をしてみて下さい。お子さん連れの時、異文化圏の人に遭遇したら(又は交流会とかの機会でもかまいませんが)あなたはどんな態度や行動をおとりになりますか?鏡であるあなたを見ているお子さんに、それがどのように映ったか後でお子さんと確認してみて下さい。

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイの季節
ハワイには日本のような四季がありません。雨季と乾季になります。11月から 4月頃が雨季で、5月から10月頃が乾季と分けれます。通常は雨季でも、日本のようなしとしと降る雨ではなく、シャワーと呼ばれるさーと降る雨でその後からりと晴れてしまうので虹が良く見えます。しかし、時々しつこいほど良く雨が降る雨季もあり、今年はこのしつこい雨の年のようです。ハワイ諸島は火山の噴火によって出来た島ですから、大雨が降ると大地に浸透するのではなく、山肌を滝のようになって雨が流れ落ちます。こういう年は虹が見えない代わりに山の緑が鮮やかになります。雨季と乾季のハワイでも微妙に季節の変化を感じ取れます。それは、日照時間の長短や、季節ごとにことなる草花や、シーズンごとに異なる催しだったりします。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

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関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第7回 「外国人と外人」

ALOHA! 節分も過ぎて日本ではいよいよ本格的な寒さの到来ですね。ハワイには四季はありませんが、乾季と雨季があり現在は雨季のシーズンです。雨季でもシャワーのような通り雨が多く直ぐに南国の太陽が顔を出すので傘も不用ですし、虹が多く見られるのもこのシーズンです。ところが今シーズンは例年になく荒れ模様で、傘があっても濡れるほどのどしゃ降りとなりますし、毎日日本の梅雨のような曇り空が多く虹も見えません。残念です。

さて、今回はタイトルのごとく日本人以外の人の呼び方についてお話しましょう。今日の日本では、日本国籍以外の方達を何と呼んでいらっしゃるのでしょうか?正確には国籍は何処であれ、外見が日本人と異なる方達のことです。10年ほど前は「外人」と呼ぶ呼び方でした。丁寧な呼び方をする方は「外人さん」とか、「外国人の方」とか呼びましたが、普段何気なく口から出るのは「外人」が多かったと記憶しております。しかもこの「外人」と言う呼び方は、時と場合によっては、ネガチィブな使い方をされておりました。例えば「あっ、外人が来た。」とか「外人のくせに!」とか、「変な外人」とか。あなたでしたら、街を歩いていて外見の異なる人とすれ違った時、傍にいるあなたのお子さんがどのような反応をするかご存知ですか? 又、あなたのお子さんがその人のことで何かあなたに質問してきたら、あなたでしたらその人のことを何と表現するのでしょうか?

私の子ども達は日本で生まれ、長女が10歳、次女が9歳、長男が3歳の頃まで日本におりました。長女と次女は日本の幼稚園に4歳、5歳、6歳(次女3歳、4歳、5歳)の間在籍していました。始めは園児達も名前で娘達を呼んでいましたが、5?6歳になると「外人」と呼ぶ園児が増えてきました。5?6歳は、ちょうど自分と周囲の違いに目覚める年頃であり、子ども達は素直にその疑問を周囲から聞こえてくる音や意味を真似る年頃でもあります。何気なく子どもは使う言葉でも、言われた子どもは子どもなりに疑問をもちます。その言葉のニュアンスから、子ども心にも疎外感を感じとるからです。多くの方の事例から、この「外人」と言う言い方は、5?6歳から始まって8?9歳になると減るようです。この年齢は呼ぶ側の子どもの年齢です。例外も勿論ありすし、使い方によってニュアンスが変わることも当然あります。

日本で子ども達の異文化理解のプログラムを主宰していた時、参加していた日本人の子ども同士の会話を私は耳にしたことがあります。 A子「何年日本に住んでいても、外人としか呼ばれないのだからいやになると、お父さんが言っていたわ。」 B君「外人という言葉は、なんだか地球の外からきた人みたいに聞こえるよね。せめて外国人と呼ぶべきだよね。」(A子さんのお父さんはニュージランド人でお母さんは日本人。彼女は当時11歳でした。B君の両親はともに日本人ですが、彼はニューヨークで小学校に2年通い帰国したばかりでやはり11歳でした。)「外人」を、地球外生物と感じたB君の感性に私は驚きましたが、在日外国人が常時携帯を強要されている「外国人登録証」には英語でエイリアンと書かれています。エイリアンとは正に地球の外から来た生物のことです。さすがにこの登録カードをもらったとたんに日本社会の疎外感を知らされる在日外国人も多いようです。アメリカ人の私のスタッフでこのカードを持っていた彼は、「日本のポリスからカードを見せろと言われたら、僕のアンテナも見せましょうか?と聞くのさ。」とジョークを言っていましたが、このジョークは日本の警察官には通じないかもしれませんね。蛇足ながら、現在私はアメリカで同類の(こちらでの通称はグリーンカードですが)を所有しています。それには、エイリアン レジストレーションカードと書かれています。つまり、日本の外国人登録証のエイリアンはそっくりそのままアメリカ永住権カードの真似であった、と私は察します。アメリカで「アンテナを見せましょうか?」と言ったら通じるか、今度試してみたいですね。

ご参考までに、こちらでは「外人」や「外国人」に相当する呼び方を、人を呼ぶときには使いません。個人の名前か、解らなければ「あの人」と言った表現、どうしてもある特定の人を描写するときに人種的な特徴として「何々系の人」「何人」と表現します。

ノブコ タカハシ ムーア
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ポリネシアンカルチャーセンター (ポリネシアの島々を体験出来るテーマパーク)オアフ島の北東に位置するこのテーマパークでは、お子様からお年寄りまでご家族揃って楽しめ、そして多彩なるポリネシア文化を実際に触れることが出来ます。 http://www.polynesia.co.jpモルモン教の大学が隣接した土地に設立したこの広大なパークは、大学生達のポリネシア文化研究発表の場でもあり、学生達にとってはアルバイト収入を得られる仕事場ともなっています。夜の90分にわたる各島のダンスショーは見ごたえがあります。ご家族でハワイに来られたら、是非訪れて見てください。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第6回 「クレヨンの肌色」

新年おめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

我が家では二人の娘がワシントン州の大学から戻り、皆でおせち料理を作りました。皆様もご家族と共に素敵なお正月を迎えられたことと思います。海外に住んでいる日本人にとって、日本人であることを一番強く感じさせられる時季はやはり年末年始ではないでしょうか。言葉を言い換えれば、この時季に日本の文化習慣が家族との繋がりと共に一番強く生かされているのでしょう。
それは、自分が今属している社会と自分がかつて日本で体験した生活習慣が余りにも異なることから感じる現象とも言えます。下記のハワイのお正月に詳細を記述しますので、そちらも読んで下さいね。

さて、皆さんのお手元にクレヨンの箱がありますか?お子さんのクレヨンの箱をちょっと覗かしてもらって下さい。その中のクレヨンで薄いピンク色でベージュにちかい色がありますか?あったらその色の名前を調べてみて下さい。以前その色は、「はだいろ」と呼ばれていました。「肌の色」の意味の「はだいろ」です。
私の二人の娘が日本で幼稚園に通っていた頃、人間を描くとその色で顔、手足を塗っていました。ところが、娘たちの肌の色はもっと茶色っぽいのです。父親にそれを指摘されて、自分を描くときは「はだいろ」のクレヨンの上から「茶色」のクレヨンを重ねて塗るようになりました。今までそれに気がつかなかった私は、ショックでした。人間の肌の色を「はだいろ」のクレヨンで塗ることに慣れすぎていて、いつの間にか肌の色は「はだいろ」と、概念が自分の中で固定化していた事実を知って、それにショックを受けたのです。日米の子どもの描いた絵を比較すると、日本の子どもの人物画は総て黒い髪に「はだいろ」の肌であるのに対し、アメリカの子どもの描く人物画は髪の色、目の色、肌の色が色々です。

現に私自身も経験がありますが、ヨーロッパ留学から始めて日本に戻った時、羽田国際空港に出迎えに来ている日本人の群集を見た途端に全員が同じ顔に見えてしまいました。目に入った人皆が同じ髪の色、肌の色で、顔も平べったいし……カルチャーショックでした。暫くしてその場の雰囲気に慣れてくると、一人一人の違いが解るようになりました。でもこの時の最初のショックは痛烈でした。
なにしろ地球以外の惑星に着いてしまったのかと、思えるほどでしたから……。

日本の園児達が、周囲の人物を描くのに黒い髪、「はだいろ」の肌を色つけるのはごく自然のことです。でもこの「はだいろ」が、『人間の肌の色である概念』を植えつけて固定化してしまうことは、日本の子供たちが将来色々な国民や民族の人達と接する時に邪魔になるのではないかと、私は心配になりました。
そこで私は、日本のマスコミやクレヨンメーカーに「はだいろ」の名称を変えるように訴えました。様々な関係者の方々が私の指摘に注目し賛同されましたが、私が10年前にハワイに移った後も日本のクレヨンの「はだいろ」の名称は変わっていませんでした。ところが最近、国際結婚グループの方々とインターネットで交信していた時、クレヨンの「はだいろ」が5年程前に呼び方が変わったことを教えられました。アメリカではペイルオレンジとかペイルピーチとか呼ばれていますが、日本のクレヨンメーカーはどの様な名前をつけたのでしょうか?

たった一つのクレヨンの名称でも、子ども達へは大きな影響があることを皆様にはご理解いただけるかと思います。人と自分の違いに気づいてくる幼稚園児は、まだまだ柔軟な思考をもっています。大人の固定観念を植え付けるのではなく、違いと正しく向き合うことを教えて上げることが、大人の役目だと思います。
子どもが自分と異なる人を恐れたり、避けたり、必要以上に興味本位の好奇心を向けたりした時、お父さんやお母さんの言葉や態度で子どもの気持ちが安らぐものです。つまり、お父さん、お母さんが異なる人を恐れたり、避けたり、興味本位の非健康的好奇心で接していれば、お子さんも同じように反応してしまいます。
未来の社会を築く子供たちが、様々な人と対等に接し、建設的に人間関係を広げ、豊かな人生が送れる平和な社会を望むなら、私たち大人が大人としての役目を果たす必要がありますよね。難しく考える前に、先ずはお子さんと一緒に楽しく行動してみて下さい。その方法ですか? 前回お話したように、お子さんと一緒に健康的好奇心を膨らませることです。知らないことがあれば、お子さんの前で相手の人に聞いたり、お子さんと一緒に書物で調べたりしたら新しい発見があるはずです。時と場合によっては、お子さんの意見やイマジネーションを尋ねることによって、あなた自身が新鮮な驚きを受けるかも知れませんよ。

娘たちの幼稚園での後日談があります。長女が卒園の時、次女も幼稚園を辞めることになったので、お別れにクラスの園児たちが次女に絵を描いて贈ってくれました。「マミー、みんなからの絵だけど面白いよ。私の顔は茶色だけど手と足が〔はだいろ〕になっていたり、顔も手も茶色だけど首だけ〔はだいろ〕になっている絵もあるよ。」次女の指摘に私もそのリボンで束ねられた20枚の絵を見せてもらいました。今まで「はだいろ」しかなかった子ども達の『肌の色』の固定観念が、崩れかけた証拠です。次女は大事にその絵の束を抱えていました。その次女は、将来教育者になって色々な国の子供たちに色々な世界のことを教えたいと、目下大学で勉学に励んでいます。

ノブコ タカハシ ムーア
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<ハワイのお正月>

12月半ばになると、スーパーマーケットには竹松で出来た卓上用の門松が少し並べられます。そしてクリスマスが過ぎると、一気にお正月の食材が増えてきます。とは言っても、日本のような賑わいを想像しないで下さい。ハワイ人口の四分の一ほどの、しかもその中でも熱心に日本文化継承主義者のみがこれらの品、雑煮用の餅やみずな(ほうれん草や三つ葉の代用品でハワイでは雑煮に良く使われます。)、ミニ鏡餅、正月用縁起の絵(七福神や鶴亀など)を購入するようです。
私は私流の演出をするので、余りこれらの品々とは縁がありません。又、日本から来ている日本人の方で余裕のある人達は、こちらの日本料理店で本格的おせち料理を予約する人もいるようです。といった具合で、お正月の盛り上がりは日本に比べたら間が抜けたように静かです。大方の人達は、大晦日にパーティーを盛大にするので、もっぱらの寝正月かリラックスの日です。でも、日本人や日本文化のバックグランドにふれている人の中には、テレビの紅白歌合戦を欠かさず見たり、ホノルルにある神社に初詣に行ったりするようです。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

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第5回 「概念を壊す好奇心」

ALOHA! そしてMele Kalimimaka!(ハワイ語のメリークリスマスで、この時季のハワイでの挨拶言葉です。メレ カリキマカと発音します。) 日本では師走、こちらでもクリスマスのデコレーションが人々の気持ちを急き立てます。熱心な家では個人宅でも豪華なイルミネーションを飾りますし、ホノルルの官庁街は様々なクリスマス・デコレーションで南国のクリスマスを楽しく演出してくれます。さて今日は皆様と「既成概念を壊す好奇心」というテーマでお話をいたしましょう。

ハワイは太平洋の真ん中の島ですから、皆さんのハワイのイメージも海や海岸がほとんどだと思いますが、「えっ!これがハワイ?」という景色に出会うこともしばしばあります。例えば、ハリウッド製作映画のアフリカや中南米のシーンが、ハワイで撮影さていることをご存知ですか? ハワイには熱帯、亜熱帯の植物が茂るジャングルみたいな景色があるのです。全く海の見えない、緑がうっそうと茂った山の中や林に入ると、自分が今地球の何処にいるのか忘れそうです。又、全米で個人所有の一番大きな牧場は、ハワイ島にあり、そこにはハワイアン・カーボーイが西部劇さながらの格好で、今でもちゃんと牛を追っています。
以前私たち家族は谷間にある家に住んでいましたが、そこからの景色は、いつも私にかつて住んでいたスイスを思い出させました。ね、ハワイにも色々なハワイがあるんですよ。人間は常に同じ情報ばかり受信しているといつの間にかそれがその人の固定観念となり、やがて社会概念となって違いを受け容れ難くなってしまいます。つまりハワイと言えば青い海とやしの木のようなイメージしか浮かばなくなってしまいます。ですから、大人になると頭が固い、つまり固定観念で想像力が固まってしまうのでしょう。

でも、子どもの頭脳はその点柔軟です。大人の固定観念を子ども達に植え付けてしまう前に、子どもの頭脳の柔軟性に学びたいものです。子どものように素直に喜怒哀楽を表現出来たら、大人のストレスも大いに減るのではないでしょうか。
しかし、所詮大人は大人としての振る舞いをせざるを得ないようですから、せめて頭脳を柔軟に出来るような訓練をしておきたいものです。そのためには、子どもと同じように好奇心をもつことだと思います。その好奇心も、他人のプライバシーに鼻を突っ込むような興味本位の非健康的好奇心ではなく、知的想像力を刺激するような健康的好奇心でなくてはいけません。

例えば、クリスマスは、皆さんもご存知のように冬の景色、サンタクロースやトナカイも北国のイメージをもたれるのが普通でしょう。でも、ハワイにもサンタクロースがいるとしたら、一体どんなイメージをお持ちになりますか?ホノルル市庁舎前に毎年設置される大きなミスター・サンタとミセス・サンタは裸足になって水に足を浸しながら、道行く車や人達にシャカサイン(ハワイ式手の挨拶で、握った手の親指と小指を立てるサイン)をしています。トナカイの代りにイルカに乗ったり、水着でサーフボードに乗って波の彼方からやってくるサンタクロースもいます。クリスマスツリーはもみの木がアラスカやカナダから運ばれてきますが、本物のやしの木にイルミネーションをつけてクリスマスツリー風にデコレーションするのもあります。今年はとうとう、イミテーションのやしの木クリスマスツリーが発売されました。クリスマスリースを貝殻で作る人もいれば、ハワイアンスタイルのクリスマス・ソングもあります。

私はデンマークやスイスでクリスマスを過ごしたことがあるので、ハワイの南国のクリスマスが中々馴染めませんでした。他のカルチャーをとって付けたようなごちゃごちゃの文化習慣に、ハワイに来たての頃は嫌悪感さえ抱きました。でも、どうやらそれは私のカルチャー・ショックだったようです。年と共によくよく観察すると、知的想像力を刺激される健康的好奇心によって、ハワイらしいクリスマス・デコレーションやクラフトに感心させられるようになりました。

異文化と接するとき健康的好奇心は、とっても重要な役割を果たします。子どものように柔軟な頭脳を維持する訓練のためにも、ここで幾つかの例を上げましょう。

その1.
この季節にお子さまとハワイのクリスマスのイメージごっこをするのも楽しいと思います。私がご紹介したハワイのクリスマスのお話を基に、どんどんイメージをお子さまと一緒に膨らませていって下さい。

その2.
西オーストラリアのパースに住んでいた時、北極と南極が逆さになった世界地図を見つけたことがあります。私たちが北半球で見慣れている北極が上になった地図と異なり、南極が上になった地図を想像したことがありますか?世界が全く違った形に見えます。(これは幼稚園児より少し高学年向きです。)

その3.
ハワイで行なった親子参加の異文化理解プログラムで、北欧の春の話の絵本を読んだことがあります。太陽のない長い冬をすごした人々が、太陽が戻ってくる季節を心から待つ気持ちを語っているのですが、ハワイの子ども達には実に印象深くこの話が受け取られました。きっと毎日太陽を見ている子供たちの知的想像力を刺激したのだと思います。このように絵本を通してお子さんと一緒に異文化体験をすることによって、あなたの健康的好奇心も養われます。(そんな絵本を私のウエブサイトに集めてあります。http://www.shihawaii.com のアメリカコレクションのページです。)

その4.
コスミックカレンダー!今は亡きカールセーガン博士が書いたこのカレンダーは、宇宙の誕生ビッグバンから現代までの150億年を一年の単位で表現しているカレンダーで、地球に人類が誕生したのは12月31日の午後10時30分、人類の記憶している有史は最後の10秒間なのです。あるプログラムで、このカレンダーを具体的に子ども達に教えるために、私はロープの長さを一年にして子ども達に引っ張らせたことがあります。最後の最後に人間の歴史の文字が見付かった時、子ども達は叫びました。『地球をつくるのはこんなに時間が掛かっているんだから、地球を壊さないようにしないといけないね!』子供たちの素直な叫びに私は深く感動させられました。

新しい年、2004年が、皆様とご家族、そして地球にとって平和で健康な一年となりますように心からお祈りいたします。来年もまたお付き合いのほど、宜しくお願いいたします。
 
ノブコ タカハシ ムーア
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<ハワイの12月>
多民族社会ハワイでは、それぞれの民族によって祝いの行事は様々に分かれますが、一番盛り上がるのはクリスマスです。これは西洋のクリスマスの習慣と東洋の年度末の贈り物交換の習慣が融合した結果です。日本の師走の忙しさがそのままハワイにも起こります。正式には中国の旧正月は2月にあるのですが、中国系の人達は12月31日に盛大な爆竹の音で新年を迎えます。爆竹の音で新年を迎える習慣は韓国系の人達にもあるようで、ホノルルはこの音と煙が大きな社会問題となっております。ペットの動物たちが音に脅えないように、爆竹の火で火事が起きないように(毎年数十件の火事があります)、風のない時は車の運転も要注意。花火や爆竹の煙で視界がさえぎられます。幾ら大きな社会問題でも、中国系、韓国系の人達にとっては伝統習慣。しかも音が大きければ大きいほど悪霊が去ると考えられているのですから、規制が難しいようです。12月のハワイに来られる方、夜のイルミネーションを楽しむのは12月31日だけは避けるようにお勧めいたします。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第4回 「お辞儀と握手」

ALOHA!日本では秋たけなわの季節ですね。南北に長い島の日本では、地方ごとに秋の特色も異なる自然豊かな国ですが、この自然の豊かさは正に日本人にとって宝物です。この季節にこそ、大自然の恵みに感謝出来る生活、そんな気持ちになれる体験をお子さんに沢山させて上げて下さい。

さて、皆さんの日常生活での挨拶はやはり会釈やお辞儀なのでしょうね。最近は、躊躇せず手を出して握手する日本人の方も増えてはいるようですが、やはり日本社会の中で日本人とする挨拶は日本の習慣に支配されるのが当然でしょう。ただその習慣を日本人以外の人にも強要したり、日本の外でも期待したりすると、異文化摩擦の原因にもなりかねません。日本国内だけを見ても、日本社会が日本人だけではなく異文化の背景をもつ人達からも構成されており、さらにその人達の数が急速に増えている事実を無視できない今日の状況です。

私の娘たちが日本で幼稚園に通っていた頃、彼女たちの幼稚園では帰宅前に担任の先生と挨拶をすることになっていました。先生の前に園児達が一列に並び一人ずつ先生にお辞儀をしてから帰りました。その光景に疑問をもった主人の要望もあり、娘たちとも話し合って、私どもの娘の挨拶はアイコンタクトをしながらの握手を希望しました。二人の娘の担任の先生は理解して下さり、それ以来お辞儀の列の間に握手が入りこみました。ところがバスの送迎の時に付き添った先生は、担任の先生ではありませんでした。バスを降りて先生に手を出した娘の頭を、いきなり手で押さえつけて下げさせました。その若い女性の先生は、お辞儀だけが挨拶だと思っていたのでしょう。帰宅した娘の不満を聞かされた私は、その先生に説明をいたしました。彼女は素直に理解をして下さり、「色々と教えてくださり、ありがとうございました。」とお礼まで言われました。それ以来娘たちは、その先生とも仲良しになりました。

私が始めて日本を離れたのは30年前、デンマークに留学した時でした。そこでは、みんなが良く抱擁の挨拶をしました。初め私には抵抗がありましたが、3ヶ月もすると慣れてしまいました。しかしこれは、共同生活している学生同士という関係もあったようです。その後スイスで生活した時は、デンマークの学生同士ほど抱擁の挨拶が日常化してはいませんでした。それだけに、スイスの下宿を出る最後の日に、電車の中まで見送りに来てくれた下宿のマダムから抱擁された私は、涙が止まりませんでした。その時まで彼女は日本人の私に抱擁の挨拶を遠慮していたのでした。でも彼女の気持ちを表すのは、やはり彼女なりの挨拶が一番だったのです。気持ちが通じ合えば挨拶のスタイルの違いも受け入れるようになるものですね。それでも日本以外の地で日本人同士で挨拶する場合は、やはりお辞儀です。おもしろいもので、この習慣はお互いに日本人であると認識すると自然に頭を下げてお辞儀をする様になるようです。この場合でも、頭を下げる前に必ずアイコンタクトはあります。

さてハワイでは、首にレイをかける挨拶が一般化しています。レイをかけた後、抱擁するか、頬にキスをするか、又握手になるか、それは相互関係の親密度とケースバイケースによりますが、ハワイに住むとどの人種も自然このスタイルの挨拶に慣らされていきます。レイをかけるのは特別な機会、例えば誕生日、何かの記念日、歓迎の意味、特別な祝い、卒業式、結婚式、等ですが、平日の挨拶はレイなしでの 「ハイ!」と言ったアイコンタクトの挨拶、親しければ抱擁や頬のキスとなります。一般的には、東洋系の人達同士ではスキンシップを伴う挨拶は余り一般化していませんが、若い世代間では人種に関係なく抱擁の習慣が一般化しているようです。ハワイの人達は様々なスタイルの挨拶に慣れており、この点でも寛容的です。私のこちらでの耳鼻咽喉科の専門医師は、インド出身の方(?)なのか、始めて会った時、アイコンタクトの後両手を合掌して頭を下げられました。日本でタイの留学生からこのスタイルの挨拶を受けたことはありますが、合掌の挨拶に慣れていない私はとっさに頭を下げて今回も答えました。世界各地に様々なスタイルの挨拶はありますが、どの挨拶でも挨拶の真心を伝えるためにアイコンタクトは重要な役割を果たしているようです。

ただ挨拶のスタイル以上に気になることは、挨拶も出来ない社会環境に日本がなりつつあることです。私の息子が2歳未満の時、オーストラリアで父親と過ごして父親の挨拶する人には小さな手を差し出し握手をする習慣を身につけました。息子が日本に帰ると、手を出す代わりに「ハロー」とすれ違った人に挨拶をしましたが返事がありません。小さい頭脳で言葉の違いを理解したようで「こんにちわ!」と日本語の挨拶をする様になりましたが、それでも返事が返ってきません。いつの間にか外で挨拶をするのを止めてしまった息子は、3歳のときハワイに来た途端、水を得た魚のように元気に挨拶する習慣を取り戻しました。「見ず知らずの人に話しかけられても答えてはだめだよ。」と教えられている日本の子ども達なのでしょうが、子ども達がしっかりとアイコンタクトをしながら自由に明るく挨拶を交わせられる社会になって欲しいものです。

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ハワイのカーニバル

ハワイには常設の遊園地と呼べるものがありません。日本の遊園地でみかけるジェットコースターやメリーゴーランド、フリーフォールや回転コーヒーカップのような乗り物が楽しめれるのは、資金集めのために催されるカーニバルに移動遊園地がやって来た時です。最も有名な学校でのカーニバルは私立のプナホスクールhttp://www.punahou.eduでしょう。多くの学校のカーニバルはこのシーズン(日本なら秋)ですが、プナホのカーニバルは2月だそうです。又、ハワイ州で最も大規模なカーニバルは毎夏に開催される州のファームフェアです。ここでは乗り物だけでなく、様々な屋台や余興のテントが張られ、農産物の展示会も会場を賑やかにいたします。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

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第3回 「みんなの名前がビューティフル・ネーム」

Aloha! 皆様お元気のことと思います。日本では「小さい秋」が目に付く頃でしょうね。こちらハワイは四季ではなく乾季と雨季に分かれ、現在は乾季ですから日中は暑い日差しが続いています。真っ青な海と空、正に原色の世界です。

ハワイの島でも一番人口の多いこの島オアフの人口は、90万人ほどですが、人種、国籍色々なので、当然名前も色々あります。又、ハワイで生まれたからと、ミドルネームにハワイ語の名前、例えばカイ(男子)やマヘラニ(女子)をつける人もいれば、アメリカ国籍習得の際に米語名に自分の名前を変える人もいます。ですから名前だけで人種や国籍判断は困難になります。それでも多少は、生い立ちの判断の手がかりに名前が役立つことはあります。例えば、カレン・タカハシなら、日系アメリカ人、ヨーコ・ミラーなら国際結婚をしている日本人、でもカレン・ミラーとなるともう解りません。カレン・ヨーコ・ミラーとミドルネームに日本名がついていると、親が日本人なのか、アメリカ人に帰化した人なのか、日本との関係がありそうだと推測は出来ます。さらに中国名、韓国名、フィリピン名、ラテン系の名前やアフリカ系の名前があるのですから、大変複雑です。名前の固定概念は禁物です。こうなると、個人名を正確なスペルで覚えることが重要になってきます。

それでもハワイの人達は、結構器用に色々な名前を上手に発音します。これも南国に生活する人達のおおらかな気質の為のようです。多少発音が違っても、いちいち目くじらはたてませんから。アメリカ本土の白人コミュニティーからハワイに引越したアメリカ人が、ハワイに来てカルチャーショックをうけるのはこの名前にも原因がありそうです。

我が家の子ども達の名前は、主人と私の名前からとったアルファベットを組みなおした名前です。シェラードとノブコから、コシェノ(長女21歳)、シェブラ(次女20歳)、シェノン(長男13歳)と名前をつけました。主人の先妻はマリリンなので、彼の長男(現在ハリウッドで活躍中:www.shemar.com))はシェマーとなりました。これだけバラエティのある名前に慣れているハワイでも、我が家の子ども達の名前の語源は想像外のようで関心されますが、要は自分の両親を忘れないようにとの計らいです。

1980年国連の制定した国際児童年の年、その年の日本のテーマソングとも言える「ビューティフル・ネーム」が、ゴダイゴというグループの歌声で日本全国に流れました。若いお父様、お母様には、この歌をご存知ない方も多いと思いますが、私には色々な思い出があります。「名前それは燃える命、一つの地球に一人ずつひとつ?。呼びかけよう名前を、素晴らしい名前を?。」といった内容の歌詞は、奈良橋陽子さんの作詞です。確か幼い時期をカナダで育った方と記憶しております。1981年私が働いていた神戸ポートピア博覧会会場には、いつもこの軽快な歌が流れていましたし、1989年横浜博覧会に参加したバイカルチュアル・チルドレン(国際結婚家庭の子ども、帰国子女、在日外国籍の子どもたちを集めて日本の子供たちと異文化理解活動をしておりました。)の催し物「集れ!地球の子ども達」(私の著書はこのタイトルから取られたもの)のテーマソングにもこの歌を選びました。その時は、奈良橋陽子さんからお祝いのメッセージをいただきました。1998年ホノルルでNHKのど自慢が開催された時、高校生になっていた私の二人の娘が予選に参加。その時選んだ歌が、やはりこの歌でした。全部の歌詞を入手するのに、ハワイで牧師さんになられた元ゴダイゴのメンバーのお一人と連絡を取ったこともありました。

現在では日本でも、ハワイに負けずに様々な名前をお子さんに選んでらっしゃるようで、大変良いことだと思います。10年前、先に記したバイカルの活動で名前が子供たちに大きな問題であることを知らさせたこともありました。カンボジア国籍のモニカちゃん、日本人と同じ顔なので保育園では自分の本当の名前を呼んでもらえませんでした。バイカルの活動に参加して、自分の本当の名前を皆から呼んでもらって嬉しそうにしていた彼女の顔を思い出します。イギリスから帰国して日本の学校に行っていた両親が日本人のアンちゃん。漢字名もあるのに、「日本人の名前が欲しい」とお母さんに泣いて訴えました。「困ったわね、あなたの名前はお父さんもお母さんも始めての子でとっても嬉しくて、世界中で一番素敵な名前だと思って付けたのに……」その時のお母さんの言葉に、彼女は自分の名前を二度と変えて欲しいとは言いませんでした。ですから、「集れ!地球の子ども達」のフィナーレに、ステージの上で皆で大合唱をした「ビューティフル・ネーム」は子ども達の気持ちが一杯込められ、熱唱となったのも当然でした。

皆さんもお子さんと一緒に、是非この歌を歌ってください。 http://columbia.jp/~godiego/”>http://columbia.jp/~godiego/
http://www15.big.or.jp/~mios/minnanouta/ha/name.html

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ハワイの子どもの祝い
子どもの健やかな成長を願う親の気持ちの表し方は色々ですが、ハワイでは一歳のお誕生日を実に盛大に祝います。これは幼児死亡率が高かったポリネシア系ハワイ人の風習が起源のようです。招待客も100人から500人等、子ども中心のアトラクションが多いのですが、まるで結婚祝いのような騒ぎです。一方それぞれの民族の伝統的祝いをする親もあります。例えば、子どもに着物を着せて当地の神社で七五三の祝いをする日系人もおります。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

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