第14回 天気のいい日は散歩に出かけましょう ?子どもと歩く?

雨の多かったひと月でしたが、皆さん元気にお過ごしでしたか。雨が続くと、専らお子さんと家の中で過ごす時間が多くなります。こんな気候だからこそ、晴れた日には時間をつくってお子さんと散歩に出かけてみませんか。
一人で歩けば10分の道のり、今日は1時間と覚悟してパン屋さんにお買い物という手もあります。

子どもを外出に誘ったら、トイレを済ませ上着を着、靴をはいて・・・と身支度をするわけですが、これは子どもが自分の身の回りのことをできるようになるチャンス。「トイレに行っておこうか」「上着を着ましょう」のように一つづつ声をかけて支度をします。自分でできないところは、「ここが袖。手をいれようね」といったように、意識づけてお手伝いしましょう。『物事をしっかり見る』という姿勢はこんなことでも養われていきます。

さあ、久しぶりの晴れ間に外に出ると、いろんな発見があることでしょう。
空の青さ、乾いたアスファルト、日陰の湿った草むら、色づいた実をいっぱいつけた柿の木に出会うかもしれません。お子さんがどんなものに興味を持つのかあらためて知ることもできます。側溝の穴に小石を落としてみたり、縁石の上ばかり歩きたがったり、階段が好きだったり。ベビーカーで出かけていた時には気づかなかったものに、お子さんが気づかせてくれることもあります。お子さんとの時間を楽しみながら歩いてください。
横断歩道を渡る、車の通る道を歩く、踏切を渡るなど、子どもと歩く際には危険なところがいくつかあります。コースを考えるとともに、手をつないで歩きながら、いずれ一人で歩いていけるようになるために何を示しておくべきか、考えておくことも必要でしょう。

人類が進化してきた道すじで大きなターニングポイントとなったのが、二本足で立って歩いたことでした。この後、私たちの祖先は、手を使い指先を駆使して脳を発達させ、私たちはヒトとしてここまで発展してきました。
お母さんのおなかの中から生まれてきた一人の子は、その昔海からの上陸を果たした祖先のように、生命の進化をたどりながら成長し、今ヒトとして歩み始めています。
私は人類の進化に立ち会っているのだ、と思いながらお子さんと一緒に歩くのも、楽しいと思いませんか。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である?フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。