第4回 子供の心の栄養語

「頑張らなくていい」
“がんばってね”という言葉は子供に対して頻繁に使う言葉の一つです。子供が何か新しい事をやろうとしている時、応援する気持ちから思わず口走ってしまう事もあります。“がんばってね”は悪い言葉ではありません。しかし“がんばってね”だけだときつくなってしまう事があるのです。

“頑張れない私は価値がないのです”このように訴えられるうつ状態のクライアントさんが多くいらっしゃいます。“どうして頑張らないと価値がないの?”“どうしてか分からないけど価値がない気がするんです。だから頑張らなきゃいけない”“でも、今うつ病だから、頑張りたくても体は動かないでしょう?”“はい、だから益々自分は生きる価値が無く思えてきて、憂鬱で…”このようなやり取りはカウンセリングルームで頻繁に行われているのですが、ここで問題なのは、がんばっていない自分は価値がないという思考なのです。
子供が頑張ると褒めてあげる、これは大切な事です。しかし頑張っていないと振り向いてもらえないと子供が思ってしまうと、“頑張れない私は価値がない”という思考の基礎になってしまいます。

頑張っている子に“よく頑張ったね”と褒めてあげると、子供はもっと頑張れるようになるものです。しかし“頑張ったね”と褒め続けるばかりでは、子供は際限なく頑張り続けなくてはならなくなります。延々と頑張り続けるのはきつい事ですし、もしかしたらどこかで息切れして頑張れなくなってしまうかも知れません。

そのためにも“頑張っていなくてもあなたは愛されているんだよ”と教えてあげるのはどうでしょうか?“頑張れば褒めてもらえるけど、頑張っていなくても私は愛されている”と子供が確信を持てたとしたら、頑張る事が認められるための絶対条件ではなくなるのです。時には子供を抱きしめて“いつも頑張らなくてもいいよ”と優しく語り掛けてあげるのです。その時子供は、“たとえ頑張れなくても、私は愛してもらえる”という基礎的な安定感を得ることが出来るでしょう。

   いつも良く頑張っているね
   でもこれだけは覚えていてね
   たとえ頑張らなくてもあなたの事を愛しているよ
   頑張れない時には
   頑張らなくてもいいんだよ
   頑張っているあなたも
   頑張れないあなたも
   全部ひっくるめて
   私はあなたが大好き

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幼稚園や小中学校での講演活動や個人カウンセリングで活躍中の心理カウンセラー、倉成 央がおくるコラム式カウンセリング。 講演現場での出来事やカウンセリングなどの実体験を織り交ぜながら、様々な心理的アドバイスを紹介していきます。

<倉成 央 (くらなり ひろし)>
心理カウンセラー、各種(文化サークル、専門学校等)心理カウンセリング講座講師。 診療内科医院などの紹介で個人カウンセリングを行っている。また不登校や引きこもり、家庭内暴力等子供の問題や、子育ての問題、母親のストレスケアーについても、多くのカウンセリングを実施している。 幼稚園や小中学校での講演活動も行っており、主な講演テーマには「こんな言葉が子供を傷つける」「ゆとりをもって子供と接するために」などがある。