第10回 食育について

皆様、改めましてこんにちは!!

今月号からは、“総合生活アドバイザー 鎌田“から子育てに関するメッセージを発信させて頂きたいと思います。

ここのところ、時々幼稚園児かな?と思われるお子様連れのお母様から、熱い視線を浴びる事があるように思われるのですが、気のせいでしょうか?もし、“何やら見たことのある顔だな”と思われましたら、遠慮なく是非お声を掛けてくださいね。

さて今月は、ここのところいろいろあった中で、人間の自然界に対する自分勝手な欲望の結末についてご一緒に考えてみたいと思います。

昨年は、国産の狂牛病騒動から始まり、年末には米国の狂牛病騒動に、同時に鳥までもインフルエンザとやらで大騒ぎ・・・・。ついに某牛丼やさんから牛肉が消える騒ぎにまで・・・・。

人間ってなんて身勝手な動物なのだろう、と思い知らされます。また、少し古い話になってしまいますが、幼稚園児をお持ちの親御様の親世代、つまり私達の世代が幼稚園児だった頃は、牛肉は高級なものとされ、牛肉の変わりに豚肉を食べ、鶏肉はカロリーが低い為にあまり口にすることは無く、幼い子供達にはむしろ“卵”が定番でした。しかもそうしょっちゅうは肉類や卵は食べられず、地元で取れる魚や野菜が中心でした。

もちろん地域性かと思われますが、私は北海道育ちなので、朝はイカの刺身と小ぶりの毛蟹がよく食卓に出ておりました。

えっ!それってすごい贅沢!!と思われたら大間違い、その頃北海道(私は函館生まれです)のそのあたりは毛蟹がよく取れ、小ぶりのものは市場に出せない為に早朝から行商のおばさんが一般家庭に売りにきていたというわけなのです。つまり、その食材が一番新鮮で、一番安く手に入ったということなのです。

恐らく、どの地域でもそのような食生活であったであろうと思われるのですが、日本の国が、いつのまにか日本の国らしくなくなり、季節の野菜や果物も、いつでもどこでも生産され、出荷され、あらゆる国から輸入されて、ある意味、季節(旬)の食材はなくなったと言っても過言ではないと思われるようになりました。

昨年、お受験のテーマで原稿を書かせて頂きましたが、それこそ、お塾の試験問題の中に「苺はいつ取れる果物ですか?」なんて問題があって、あるお子様が12月のクリスマスの時に大きな苺がデコレーションケーキに乗っかっていたのを思い出し、「12月」と書いて大きな×印をもらい「どうして?だってクリスマスのケーキにいっぱい苺が乗っていたのに」とつぶやいていたのを思い出します。

大人達は、自分たちの都合で自分たちの都合の良いように物事を解釈し、それを子供達に押し付けてきた結果、今のような騒ぎを引き起こす原因となっているのではないかと思うのです。人間関係が希薄になり、人の心が荒んできているように思えてならないと、以前も述べました。
その人の心を形成する要因の一つに『食育』が大きな影響を及ぼしているのではないか、とも申し上げて参りました。

私達人間が、いつでも好きな時に安くておいしいものを簡単に手に入れようとした結果、今回のような騒動を引き起こしたとも言えるのではないでしょうか・・・・。今こそ、かつての日本の食生活がそうであったように、自分たちの住んでいる町、自分たちの住んでいる国で、その時期その時期に採れる食材を大切に食していくあり方を見直してみるべきなのではないかと思われます。

幼稚園児を持つ親御様、お子様がさまざまなことに疑問を持ち、興味を示された時、親御様の知識や常識をただ押し付けるのではなく、いつもながらご一緒に考えて見てください。
「貴方はどう思うの?」「君ならどうする?」そして、最後に「じゃぁ、こうしていこう」と、その時点の家庭内での取り決めや答えをきちんと出していく事がとても重要なのです。

3月、もう桜の開花も目前です!
楽しい、毎日を送っていって下さいね。

オフィス 鎌田 代表  鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。