第1回 良いしつけ 悪いしつけ

皆様 こんにちは!!

  日頃、躾についてどうすれば良いのかな、と、悩まれることはありませんか?何かとても重要そうで、でも具体的にどうすれば良いのかちょっと考えてしまいますよね。”躾”とは、礼儀作法を教え込むこと、と、国語辞典に書いてあります。じゃぁ、礼儀作法とは何なのでしょう?同じく国語辞典には敬意やつつしみを表す作法とあります。そして作法とは、動作・言葉づかいの一定のきまりとあります。

 つまり、ご自分のお子様に「そろそろ躾をしなくちゃ」と思った時、しなければならないことは、『親を含めた大人や他人に対して敬意やつつしみを持った行動を動作や言葉づかいでどう表現するか』を”躾を始めよう”と思ったその時のお子様の年齢に合わせて、お子様がきちんと理解できるようにどう教えるか、と、いうことなのです。
 そんなふうに言われて「そんなこと、解かっているわ!」と、自信を持って答えられて、それを自信を持って行動に移していらっしゃる方は何人おられるでしょうか?躾を、ただ厳しく体罰を与えて強制することだと勘違いをしている方が実際におられることは毎日のニュースから聞こえてきます。
 躾をするには、まず親や周りの大人自身が”敬意やつつしみがどういうことなのか”を知っていなければならないということです。自分と他人の違い、大人と子どもの違い、他人に対するおもいやり、感謝の気持などをまず親や周りの大人がしっかりと認識していれば、子どもにもそれを伝えていけるということなのです(子どもは親の全ての行動を観察しています)。

 先日、書店で「10代の子どもが育つ魔法の言葉」(ドロシー・ロー・ノルト/レイチャル・ハリス共著)という本の題名が気に入ってさっそく購入し、ページを括っていきました。
 そこには、たくさん素敵で、しかし実践するにはちょっと難しそうなこともいろいろ書かれてありました。
 私、鎌田流にそれを解釈すると、要するに、誉めよう、いっぱい誉めて育てよう・・・・・。10代になっていてもいなくても、10代はとっくに通り越して中高年になっている大人にも、人間には感情と思考力があるから「嫌だな・不快だな」という思いより、「気持良いな・気分良いな」という思いをさせる方がその人間の育ちは早い、と、いうことなのです。
 だからこそ、まずは、物事の良し悪しがまだ解からないうちに「良いこと」・「悪いこと」をきちんと教え、それを覚えたらうんと誉めてあげよう・褒めちぎってあげようということなのです。

 こんな光景、よく見かけますよね。ある百貨店の混み合っているトイレでのこと。
 「早く、早く、漏れちゃうよ」とわぁわぁ騒いでいる子どもに対し、「だからさっき行っとけば良かったのに!」と答える母親。そして大きな声で「もう少し我慢しなさいよ」、当然子どもは「できない!」とこれまた大声で叫ぶ。回りの人は仕方なく「お先へどうぞ」と言って下さる。でも、皆、気分は良くないですよね。
 生理現象は突然やってくることもあります。「順番だからね、もう少し我慢できない?」と小さな声で聞いてあげ、「できない」と答えたら、回りの方に「大変申し訳ございませんが、先にお願いできませんでしょうか?」と、言いましょう。
 当然、回りの人は気持ちよく「どうぞ」と言って下さるに違いありません。そして、そういう親や周りの大人の様子を見て、子ども自身が「こういうことは周りに迷惑をかけるんだな」と理解するのです。

 ”躾”とは、そういうものなのです。幼稚園児を持つお母様、今がまさに躾の旬ですよ!!

株式会社サマンサ  鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。