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これから宝箱 自然をおいしく楽しくカゴメ株式会社

私たちが子ども達を愛し大切にするように、未来を担う子ども達は社会全体の宝物であり、大切に育てていかなくてはなりません。多くの企業においても、子ども達のための様々な活動が行われていますが、意外に知られていないのが現状です。そこで幼稚園ねっとでは、これら企業の社会活動にスポットをあて、直接訪問しお話を伺い、みなさんへご紹介していきます。
今回はカゴメ株式会社の取り組む食育支援活動について、東京本社コーポレート・ブランド部コーポレート・ブランドグループの浜井純子さんにお話を伺いました。


(2008年1月16日 取材/文中敬称略)

Together For Tomorrow - Hobdaの社会活動

―― まずはカゴメが取り組んでいる「食」に関する社会活動について教えてください。

浜井さん:カゴメは、子どもたちに食の楽しさを体験するきっかけとなることを願って、さまざまな「食育支援活動」を行っています。そもそもの始まりは、お子さまに好まれる調味料「ケチャップ」が、カゴメを代表する商品であることから、日頃ご愛用いただいているお子さまと保護者の方に、感謝の意を表し、また、カゴメの姿勢や商品をご理解いただきたいというものでした。加えて社会的にも、1990年代の始めに「食育」という考え方がクローズアップされはじめ、子どもたちが楽しみながら「食」を理解し、実践できるようにと、保護者の方や教育現場の先生方に協力していただきながら、食育を支援する活動と位置付け、現在に至っています。

活動の中で最も歴史のある「こどもの日『楽しく食育』プレゼント」は、今年で45年目になります。5月5日の子どもの日にあわせて、全国の幼稚園や保育園にカゴメ商品とともに食育教材をお届けする活動ですが、これらの教材は先生方のご意見や子どもたちの反応を見ながら、よりわかりやすく、心に響くよう工夫し、作成しています。

「食べる」って何だろう? 「食」の大切さをわかりやすく教えてくれる食育教材。
「食べる」って何だろう?「食」の大切さをわかりやすく教えてくれる食育教材。

「舞台」が伝える楽しい食育~カゴメ劇場

浜井さん カゴメ劇場

―― 「食べる」ことの大切さ、意味など、とてもわかりやすくまとめられていますね。この教材はどうすればいただけるのですか?

浜井さん:大変申し訳ないのですが、配布園は弊社で毎年選定させていただいております。これらの教材の内容は、その年の夏休みに行われる「カゴメ劇場」(http://www.kagomegekijo.com/)のテーマに連動しており、当日会場でお子さまに配布するパンフレットにも掲載しています。

「カゴメ劇場」は今年37年目を迎える活動で、中には親子三代にわたって参加してくださる方もいらっしゃいます。カゴメオリジナルの食育劇と世界の名作劇の二部構成で、小さなお子さまも飽きることのないよう、ぬいぐるみミュージカルの歌と踊りで、楽しく「食」についての理解を深める内容となっています。2007年度は全国19会場39回上演、約7万人の親子を無料でご招待いたしました。

「野菜を食べなさい」「好き嫌いをしてはいけません」などの言葉では、小さなお子さまには、なかなか理解し難いと思いますが、本物の生の舞台に触れ、感動し、楽しむことによって、幼い子でも自然に理解でき、メッセージが心に残るようです。「野菜嫌いの子が、すすんで野菜を食べるようになった」「好き嫌いが少なくなった」など、毎年嬉しい声をたくさんいただきます。

今年の夏も、カゴメ劇場でたくさんの子ども達に会えるのを楽しみにしています!カゴメ劇場はホームページから、どなたでもご応募していただけますので、お子さまと一緒に食の大切さを考える機会として、ぜひご応募ください。

作り方マニュアルがない、アシモのダンボール製キット。 試行錯誤して作り上げた作品は子ども達の宝物です。
2007年度公演より、第一部「やさいのいろのヒミツ」(左)と第二部「ジャックと豆の木」のワンシーン。「やさいのいろのヒミツ」は、カゴメ食育支援活動マスコットキャラクター「モグモ」と一緒に野菜のヒミツをさぐりに行く物語です。
カゴメよりみなさまへ
2008年度公演の募集は、4月からカゴメ劇場ホームページで応募受付開始予定です。応募多数の場合は抽選となります。


育て、収穫し、食べる喜びを

浜井さん: カゴメでは、全国の小学校・幼稚園・保育園を対象に、カゴメトマトジュース専用トマト「凛々子」(リリコ)の苗を、年間約4,000校にお配りしています。この活動は、消費者の方に、トマトジュース原料への理解を深めていただくことを目的としてスタートしたものです。 ジュースやケチャップの原料となる加工用のトマトは、通常スーパーで販売しているサラダ用のトマトに比べて、トマトの赤い色素「リコピン」が豊富に含まれています。ジュースやケチャップが真っ赤な色をしているのは、このリコピン含有量が多いトマトを原料に使用しているからで、着色料は一切使用していません。通常消費者の方が目にするトマトとは異なる品種のトマトを使用しているのです。

カゴメは、ジュース専用に開発した加工用トマトを「凛々子」と名付けました。サラダなどに使う生食用のトマトに比べ、搬送時傷まないよう皮が厚く、甘さ控えめですが、トマトジュースそのままのすっきりとした味わいやリコピンの量の多さ、病害虫や環境の変化にも強く、育てやすいという特徴があります。

大きく育て!の願いを込めて・・・!「凛々子」定植の様子。

この「凛々子」を教育現場に無償で提供し、栽培体験を通して子どもたちの「命への関心」と「感謝する心」を育んでほしいという願いを込めて、1999年より、「凛々子」の苗を配布してきました。また配布するだけでなく、「凛々子」の栽培方法や活用の仕方についての冊子を同梱したり、先生方を対象としたフォーラムを開催したり、生育状況についてコミュニケーションできるブログ形式のホームページ(※)も開設しています。

参加された先生方からは、子どもたちが「りりこ」と呼びながら、愛情を持って、工夫しながら育てている様子をご報告いただきます。自分で育てた野菜だからと進んで口にし、野菜本来の美味しさに気がついたという子どもの話や、「凛々子」を「おいしい!」と喜んで食べてくれるたくさんの笑顔に、「育てて食べること」が子どもたちにとって、大変有意義な食育であることを実感し、また、これらのご報告が私たちにとって大きな励みとなっています。ある幼稚園では、届いた「凛々子」が大きく育ち、たくさんの実をつけるまでの様子を素敵な絵本にしてくださいました。先生と子どもたちが協力しながら育てる中で、発見したアイデアや工夫、成育状況の地域差など、トマトを知り尽くしているはずの私たちが勉強させていただくこともたくさんあるのです。


(※)参照:「りりこわくわくネットワーク」コンテンツ・『たのしくまなぼう!「りりこ」栽培学習ひろば』記事



カゴメよりみなさまへ
2008年度の「凛々子」の苗のお申し込みは、2月上旬頃より、「凛々子」栽培学習ホームページで受付いたします。申込者は、教職員の方とし、必ず幼稚園や小学校の先生を通してお申込み下さい。また、数に限りがありますので、先着順(配布予定数約4,000校)とさせていただいております。


全ての子ども達に「食」を学ぶ機会に触れて欲しい

浜井さん:カゴメが「こどもの日『楽しく食育』プレゼント」や「凛々子わくわくワークショップ」で、幼稚園や学校を通してお配りしているのは、多くの子どもたちに「食」を知り、学ぶチャンスを持って欲しいからです。カゴメが、個人のお客様を対象にこれらの活動を実施しようとした場合、参加いただけるお子さまは、保護者の方の食への意識が高いご家庭が多く、そうでないご家庭には、なかなかご参加いただくことができません。

したがって、残念ながら、カゴメ一企業の取り組みでは、全てのお子さまに「食」の大切さをお伝えすることは非常に難しいのですが、教育機関を通してお届けし、先生方にご支援いただくことで、ご家庭の「食」意識の違いに関係なく、広く子どもたちが、食べ物の命や「食」の楽しさを体験する機会を得ることができると、実感しています。カゴメは、これからも教育現場との連携を深めながら、これらの活動を充実していきたいと考えています。

小さい頃から「食」は楽しいという体験を!

―― 最後に、幼稚園ねっとに集まるママパパ、そして子ども達へメッセージをお願いします。

浜井さん:保護者の皆さまには、お子さまが健康に成長するために必要な「食」について、いろいろな体験をさせてあげて欲しい、そして、「食」の楽しさや大切さを、幼児期から繰り返し伝えていただきたいと思います。「食」は人間の栄養面だけを支えるものではありません。買い物に行くこと、料理すること、誰かといっしょに食事すること、マナーを知ることなど、さまざまな人とのつながりを、体験を通して知ることで、心身共に健やかに成長していくのだと思います。

そして、日々の生活の中で、繰り返し「食」の大切さを伝えられるのは、園や学校ではなく、やはり保護者の方だと思います。学校の先生、そして我々のような企業でも、これからも保護者の方のサポートをしていきます。現在、色々な企業や団体から食育についての情報発信やイベントなどの機会を提供しています。ぜひ積極的に、園などの食育活動にご参加いただき、お子さまの健やかなご成長に役立てて欲しいと思います。

最後に、子どもたちには、どんなことにも積極的にチャレンジして、体験による生きた学習をしてほしいと思います。心身ともに健康に生きていくためには、正しい食習慣を身につけることが不可欠。小さい頃から、様々な体験を通して、たくさんの人に出会い、「食」は楽しい!と言える人になって欲しいと願っています。

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