幼稚園・園関係者 パート1

このところ忙しくて幼稚園及び園関係者のための防犯についてのお話が遅くなってしまいました。
それでは早速、幼稚園の防犯の要点についてお話をすすめます。

まず、幼稚園の防犯には3つのテーマがあります。
1、園内活動中に園児を守るための防犯
2、園外活動中に園児を守るための防犯
3、閉園後の教職員の金品狙い、その他の犯罪被害を防ぐための防犯
この3テーマです。まずは1のテーマについてお話をいたします。
 
平成13年6月8日、大阪の池田小で刃物を持った男が小学校内に侵入して8人の児童を殺害し、教師を含む15人に重傷を負わせるという惨い事件がありました。残念ですが、このような惨い事件が幼稚園では絶対におきないという保証ができないほど、現代社会は病んでいると思われます。
 では、このような惨い事件が幼稚園で発生しようとした時、防げるかあるいは被害を最小限限度にできるかと問われると、多くの関係者は不安ではないかと思います。でも、あの事件とほぼ同じ動機による事件が発生したある小学校では、女性教師の機敏な行動で男児2名が頭部に傷を負うという程度で被害を最小限度におさえたのです。たとえ女性でも、危機的状況下における被害回避法あるいは抑止法を知っていれば、このように被害を最小限度に抑止できるということを証明しています。
 今回はこのような、外部からの犯罪企図者(侵入者)から園児を守るための防犯に絞って解説します。

 まず1つ、幼稚園の防犯には、環境的抑止力、物理的抑止力、他力的抑止力、人的抑止力の4つの方法があります。簡単にいいますと、環境的抑止力とは、犯罪企図者が侵入を避ける幼稚園づくりのことです。通行人や近隣の住人などの目が集まっていて、不審な行動をすればただちに通報されそうな園です。このように環境的に犯行を行いづらい園をつくる方法が一つです。この防犯方法は費用はかかりません。だが、地域住人の方々や保護者の方、自治体の支援・協力が不可欠となります。

 次に、物理的抑止力ですが、わかりやすくいいますと、園の敷地を見通しのよい、しゃれたデザインの高さ3メートル前後のフェンスで囲んでしまうというものです。あるいは監視カメラやセンサー付きアラーム、ライト、電気錠をつけるなど防犯設備を備えて守るという方法です。費用のある幼稚園はこの方法でそれなりの効果が得られます。しかし、予算がない園や開放的な学習環境を望まれる園には適しません。

 3番目の他力的抑止力とは、早くいえばガードマンを配置するということです。しかしガードマンの配置には費用が莫大にかかります。ですから、保護者やボランティアの方々にお願いをして、園内にいてもらうということになります。この方法だと、お金をかからずに犯罪企図者が避ける園づくりができます。しかし、お願いや打ち合わせ、各種費用や保険の整備などそれなりに負担は軽くはありません。

 4番目の人的抑止力とは園関係者自身による防犯力の強化です。実はこの方法がもっとも費用がかからず、時間もかからず、煩雑なお願いや打ちあわせも不要で、すぐにできる防犯法です。そして、最も効果的な抑止力となります。安心・安全園づくりの最も適しています。

 次回からは、この園関係者による幼稚園の防犯力の強化について、解説をしていきます。

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・防犯コンサルタント
・日本防犯診断士協会 常務理事

<中山 天(たかし)>
1948年 熊本県生まれ
1977年 東京出版株式会社 常務取締役就任
1982年 東京出版株式会社 代表取締役就任
1999年 社業のかたわら続けてきた自力防犯・犯罪被害の回避力に 関する研究を実践するために会社を自主閉鎖(2006年5 ~6月には再建の予定)日本防犯診断士協会の設立準備を開始
2003年 特定非営利活動法人 日本防犯診断士協会設立 常務理事就任
総合防犯コンサルタントとして、防犯診断士 (防犯コンサルタント)の指導・育成、著述、各種防犯セミナーの講演 などを主な活動としている。
http://www.bouhanshindan.npo-jp.net