2005年01月20日
第5回 子供の心の栄養語2
「あなたが一番好き」
あなたの家の子どもが一人っ子じゃなくて、兄弟姉妹がいるのなら、子どもにとって誰が一番愛されているかというのは大きな関心事のひとつです。
カウンセリングで「自分に自信がない」「他人の方が自分より出来る気がする」といった問題を扱う時に「私はお兄ちゃんほど親に愛されていなかったんです」「姉のほうが可愛がられていました」といった幼児期の話を聞く事が多くあります。
もちろん「あなたよりお兄ちゃんの方が可愛い」なんて面と向かって言う親はまずいないと思います。子どもは、知らず知らずのうちにお兄ちゃんの話のほうを良く聞くようになっていたり、お姉ちゃんにばかりよく注意をしたり、といった親の態度を敏感に感じとり、「自分の方が可愛がられていないのでは」と感じるようになってしまうものなのです。
「そんな事を言っても、言う事を聞かない子には注意する事が多くなるし、仕方が無いじゃないですか」と言われるとその通りです。子供といっても、皆が同じ性格ではありません。気難しい子、かんしゃくを起こしやすい子、おとなしい子、言う事を聞かない子、よく言うことを聞く子、それぞれ子どもには個性がありますので、親が全ての子どもにいつも同じように接する事なんて出来る訳がありません。
そこで、時々その子が1人しかいないときを見計らって、その子をそっと抱きしめて「私はあなたが一番好きよ」と言ってあげてはどうでしょうか?「どっちが好きなんて言えない、私は自分の子どもを平等に愛してる」という言葉は理屈としては合っているかも知れません。でも子どもは理屈の世界では生きていないのです。今ここで自分がどう感じるかという世界で生きています。だからもう1人の子どもにも、その子が1人の時を見計らって「私はあなたが一番好き」と言うのです。それぞれの子どもに“一番好き”を言っていると、もしかすると子ども達はいつか2人で一緒にやってきて、あなたに詰め寄るかも知れません。「お母さんは僕にも弟にも“一番好き”と言ったけど、本当はどっちが好きなの。今ここではっきりして」。そこであなたは柔らかい口調でこう答えます「今ここじゃ答えられない。後で一人一人に答えるね」。そしてその子達がまた1人きりになったときにそれぞれにこう答えます。「さっきは弟がいたから言わなかったけど、本当はあなたが一番好きよ、でもこの事は2人の秘密だよ」
一番愛されているという感覚は、成長するにつれ、子どもの中で“自分は他人から受け入れられる人間だ”という自信になり、いろんなことを積極的にやっていく行動力の源になるかも知れません。そして一番愛されたという感覚は大人になった後も、子ども達を一生支えてくれる大切な性格の一部となってくれるでしょう。
あなたの事が一番好き
お兄ちゃんよりお姉ちゃんより
妹より弟より
あなたの事が一番好き
これはあなたと私の間の秘密だよ
あなたにとって大切な大切な秘密だよ
でも私があなたを一番好きだということを
これからもずっと 一番好きだということを
ずっとずっと覚えていてね
投稿者 wow : 18:45
第4回 子供の心の栄養語
「頑張らなくていい」
“がんばってね”という言葉は子供に対して頻繁に使う言葉の一つです。子供が何か新しい事をやろうとしている時、応援する気持ちから思わず口走ってしまう事もあります。“がんばってね”は悪い言葉ではありません。しかし“がんばってね”だけだときつくなってしまう事があるのです。
“頑張れない私は価値がないのです”このように訴えられるうつ状態のクライアントさんが多くいらっしゃいます。“どうして頑張らないと価値がないの?”“どうしてか分からないけど価値がない気がするんです。だから頑張らなきゃいけない”“でも、今うつ病だから、頑張りたくても体は動かないでしょう?”“はい、だから益々自分は生きる価値が無く思えてきて、憂鬱で…”このようなやり取りはカウンセリングルームで頻繁に行われているのですが、ここで問題なのは、がんばっていない自分は価値がないという思考なのです。
子供が頑張ると褒めてあげる、これは大切な事です。しかし頑張っていないと振り向いてもらえないと子供が思ってしまうと、“頑張れない私は価値がない”という思考の基礎になってしまいます。
頑張っている子に“よく頑張ったね”と褒めてあげると、子供はもっと頑張れるようになるものです。しかし“頑張ったね”と褒め続けるばかりでは、子供は際限なく頑張り続けなくてはならなくなります。延々と頑張り続けるのはきつい事ですし、もしかしたらどこかで息切れして頑張れなくなってしまうかも知れません。
そのためにも“頑張っていなくてもあなたは愛されているんだよ”と教えてあげるのはどうでしょうか?“頑張れば褒めてもらえるけど、頑張っていなくても私は愛されている”と子供が確信を持てたとしたら、頑張る事が認められるための絶対条件ではなくなるのです。時には子供を抱きしめて“いつも頑張らなくてもいいよ”と優しく語り掛けてあげるのです。その時子供は、“たとえ頑張れなくても、私は愛してもらえる”という基礎的な安定感を得ることが出来るでしょう。
いつも良く頑張っているね
でもこれだけは覚えていてね
たとえ頑張らなくてもあなたの事を愛しているよ
頑張れない時には
頑張らなくてもいいんだよ
頑張っているあなたも
頑張れないあなたも
全部ひっくるめて
私はあなたが大好き
投稿者 wow : 18:40
第3回 上手く出来なくてもいいよ
自分で着替えること、行儀よく食事をすること、大人しくしていること、挨拶をすること、言葉を覚えること、それから習い事、等々子供たちがこの時期、出来るようにならないといけないことは数多くあります。子供たちはこの時期、好き嫌いに関係なく、それらに懸命に取り組んでいくのです。私たちは、教えたことを子供がうまくこなせないと、ついつい嫌な顔を子供に向けてしまいます。“この前教えたばかりなのに”“何度言ったらわかってくれるの”。出来ないことが嬉しいという親はほとんど居ないでしょうから、それは仕方が無いことです。その分、上手く出来たときには褒めてあげることになります。子供が上手くやれると、つい嬉しい顔になってしまいます。親の嬉しそうな顔を見るだけで、子供にとっては親から褒められているのと同じことになるのです。しかし、上手く出来たときに褒められるだけで、子供は心から安心するのでしょうか。
上手く出来ないときには嫌な顔をされてしまう、上手くいったら嬉しそうにされる。そればかりだと、子供は“上手くやれないと受け入れてもらえない(愛してもらえない)”と感じるようになることがあります。
最近、成人した大人の中に、仕事や勉強などを上手くやれているうちは良いのですが、一旦上手くやれなくなると、“自分は人に受け入れられない”と自分の殻に閉じこもってしまう人たちが多くなっています。カウンセリングで、そういう人たちの話を聞いていると、“自分は小さいときから、上手くやれたときだけ親から受け入れて(認めて)もらえたが、上手く出来ないと親に受け入れてもらえていないと感じていた”という幼児体験を持っていることが多いのです。
上手く出来ないときに叱られるから、子供も次にやるときには失敗しないように注意しようとします。上手くいくときには褒めてもらえるから、子供は次回も上手くやろうとします。これらはしつけとして必要なことでしょう。でも、時々でいいですから、教えたことを上手くやれているとかやれていないとかには関係なく、無条件で子供を認めてあげるのはどうでしょうか。
例えば、“上手くやれてもやれなくても、私はあなたを愛しているよ”という言葉を、時々子供に言ってあげるのです。“出来なくても愛している”という言葉をもらうことによって、子供は、例え自分の行動は叱られていても、自分自身は受け入れられていると感じることが出来るようになります。“出来ることは褒められるから嬉しいことだ、でも例え上手く出来ないからといって、決して自分に価値が無いわけではない。自分は元々価値がある人間なのだ。”子供はこのように自分の存在価値に対して自信を持つことが出来るようになるのです。
これだけは覚えていてください。
あなたが何を出来たからといって、
あなたが何を出来ないからといって、
私にとってのあなたの価値は何も変わりません。
あなたはいつも大きな価値のある大切な存在です。
だって、たとえあなたが何か失敗したとしても
私はあなたとのことが大好きなのですから
投稿者 wow : 18:37
第2回 生まれてきてくれてありがとう
子どもが安定して自信に満ち溢れ確固たる自分を創るための第一歩、それは“自分は生まれてきてよかった”という安心感を得ることです。
自分が生まれてきてよかったと思えるかどうか、それは親が自分という存在を喜んでくれているかどうかに大きく影響を受けます。生まれてきて良かったという感覚が十分でないと情緒が不安定になったり、大人になってから自分の存在感を感じることが出来なかったりします。
私は、カウンセリングのクライアントさんに、自分が子どもになったつもりで、親があなたの存在を喜んでくれているかどうかを感じてみる演習を、時々やってもらいます。“私の親は私の誕生日を喜んでくれていないようです”と答えるクライアントさんほど、死にたい気分になることが多いという結果が出ています。
つまり、親が自分の存在を喜んでいるということは、「存在すること」「生きていくこと」への大きな栄養分になるのです。
子どもは、自分と目が合ったときに親が嬉しそうに微笑むと、“私は喜ばれている”と思うことが出来るけれど、もし顔をしかめられてしまうと“私は喜ばれていない”と感じてしまいます。親が心の中で“子どもを愛している”といくら思っていても、子どもは親の態度や言葉で自分が愛されているかどうかを判断してしまいます。だから“あなたを愛している”と態度や言葉で伝えていくことが大切なのです。
時には、子どもを膝の上に乗せ、優しく抱きしめ、“生まれてきてくれて本当にありがとう”と嬉しそうに囁いてあげてください。
生まれてきてくれてありがとうの反対の意味になってしまう反栄養語には、以下のものがあります。
あなたが生まれてから私は苦労した
→私という存在がなければ親は苦労しなかったのにと感じることがあります。
あなたは橋の下で拾ってきた
→私はいなくても良かったんだと感じることがあります。
あなたさえいなければ私は○○できたのに
→私が存在したせいで親は幸せになれないと感じることがあります。
生まれてきてくれてありがとう。
本当にあなたが生まれたときに心からそう思ったんです。
毎日忙しくて、ついつい忘れていただけなんです。
言いたかったけど、少し照れくさかっただけなんです。
思い出しました。あなたが生まれたとき、
かわいいあなたのお世話が出来ることは、
私の特権であり、神様のご褒美だと思ったんです。
今日からあなたに私の気持ちを少しずつ伝えます。
私のこともたくさん知ってください。
あなたが私の子どもで生まれてくれて本当に嬉しい。
本当にありがとう。
投稿者 wow : 18:34
第1回 イライラ解消術
凶悪犯罪が多発し非行の低年齢化が進むという環境の中で、子育てがますます難しくなってきているように感じます。更に核家族化が進んだために、昔のようにおじいちゃんおばあちゃんが近くに居て子供の面倒を見てくれるわけでもないので、子育てについての母親の負担は増える一方です。そのためか子育てや子供の教育についてストレスを抱えてイライラされているお母さん方が増えています。私が幼稚園に講演活動などでお伺いし、お母さん方と直接お話させていただいたときに、お母さん方のストレスを以前より強く感じるようになりました。こんな環境なのですからイライラしても仕方ないと思います。しかしそのイライラを対処しないまま放置しておくと、身体に変調ををきたしたり、育児ノイローゼに発展することがあるのです。
私のカウンセリングルームにも育児ノイローゼ状態の方がカウンセリングを受けにいらっしゃいます。何度かのカウンセリングを受けるうちに次第に気分がすっきりされるようです。そして「今までよりイライラしなくなった」とか「子供のことが今まで以上にいとおしく感じられるようになった」といった変化がみられ、楽になられる方が多いようです。母親は24時間子供と一緒に居ます。母親に心の余裕があれば子供のわがままもかわいいと思えるものですが、心に余裕がないとちょっとしたことでもイライラしてしまうものです。「寝ているときは子供のことが可愛いのだけど・・・普段は腹の立つことが多くて」という状態は、心がストレスを感じ始めた証拠で、要注意かもしれません。それならば心に余裕を持って子供に接すればいいということになるのですが、これは頭でわかっていてもなかなか出来るものではありません。
どうして私たちは心に余裕がなくなってしまうのでしょう。実は心の余裕の有無は、環境以上に自分自身の心の中にその原因があるようです。「もっと~しなければならない」「思い通りにいかない」という小さな思いが自分の中に蓄積されていったとします。そしてそれが心の中にいっぱいいっぱいに貯まってしまったとしたら、もう色々なアクシデントに耐える余力はなくなってしまいます。ちょっと思い通りにいかないことがあっても、もう心の中では納めきれずに、子供にイライラをぶつけてしまったり、自分を責めてしまったりすることになります。こうやって育児のストレスは大きくなっているのです。
ですから、心の中に小さなストレスを貯めていかずに、ちょっとずつ処理していくことが大切です。
日々少しずつ小さなストレスを処理していくために、まず毎日自分を褒めてあげることから始めるのもひとつの方法です。毎日イライラしながらもこんなに頑張っている自分自身を認めてあげるのです。鏡に映った自分自身に「あなたは本当によくやっているよ。少しくらいイライラするのは当たり前よ。本当にお疲れ様、偉いね。」などとやさしく話しかけてあげるのです。自分を認めることは、ストレスを退治するひとつの方法なのです。
投稿者 wow : 18:31
