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2005年01月24日
第16回 子どもと一緒にクッキング ~料理は五感を刺激します~
毎日寒いですね。お風邪などひいていらっしゃいませんか。
気候のいいときには午前中、公園に行って子どもを遊ばせていたお母さん方も、おうちでお子さんと過ごす時間が増える季節です。
「ずっと家にいるとどうしてもルーズになって、食事やお昼寝の時間がまちまちになったりして、なんとなく1日が終わってしまう」というお宅はありませんか。
本来、朝のうちに外に出て太陽の光を浴びると、体内時計がしっかりセットされて気持ちよく過ごせるので、ひとまわりお散歩してくるのもおすすめです。でも、ずっと家にいることになりそうな時、一緒にクッキングはどうでしょう。
子どもに手伝ってもらうより、私がやってしまったほうが手っ取り早いし片づけも簡単。いえ、ここで大事にしたいのは「作る」という過程でお子さんにフルに五感を使う体験をしてもらうことです。
まずエプロンをして手を洗いましょう。手の洗い方をよく見せて子どもにも手をきれいにしてもらいます。たとえばクッキーなら、粉や砂糖、バターなど分量を量って準備しておいたものを、子どもの背の高さにあったテーブルなどに並べます。
これは小麦粉、これは砂糖、といった具合に紹介したら、これらを混ぜたり、こねたり丸めたり、型を抜いたり、ひとつひとつの活動をゆっくりやって見せながら子どもにもまねしてやってもらいましょう。形ができたら、天板に並べて焼きます。何をしてもらうかはお子さんの発達によります。
2歳くらいなら型抜きしたり丸めたりだけでも楽しい活動になります。3歳以上なら、生地の感触を味わったり、焼けるときのいい匂いを知ったり、出来上がったものをそれぞれのお皿に取り分けたり、自分の作ったものを味わったり、と五感を刺激する楽しさに満ちた体験になることと思います。
テレビやゲーム、コンピュータといったものに囲まれて生活するようになった昨今、現実とバーチャルの区別のつかない子どもたちが増えているような気がします。こんな時代だからこそ、自分の感覚を使って実際に体験する、その大切さを切実に感じます。人格の基盤が作られる乳幼児期の子どもたちに、五感を使った楽しい体験ができる機会をたくさん提供していくのも、私たち大人の責任なのではないでしょうか。
なにはともあれ、時間も手間もかかりますが、子どもと一緒に作ったものを
「おいしいね」と言いながら一緒に食べる。こんなひとときを持つのもいいと思いませんか?
投稿者 wow : 13:49
2005年01月20日
第15回 子どもといっぱいお話しましょう ~言葉は大きな力となります~
街がクリスマスのイルミネーションで彩られる季節になってきました。本屋さんでは、冬にちなんだ物語やクリスマスのお話が絵本のコーナーに並んでいます。お孫さんへのプレゼントでしょうか、熱心に絵本を選ばれている方にも出会いました。
さて絵本といえば、お子さんに絵本を読んで聞かせているお母さんなら、思い当たることがあるかもしれません。同じお話を何回も読んで、とせがまれたことはありませんか? また、話をはしょって読み飛ばしたりすると、そうじゃないとやり直しさせられたりすることはありませんか?
幼児期は爆発的に言葉を習得している時期なので、同じ話を何回も聞いて分かることが楽しいし、言葉そのままを覚えるので、正確に読んでもらえないと違和感を感じるのです。
3、4歳になると文字に対する興味や関心が出てくるので、看板の字が読めるようになったり自分で字を書きたがったりするようになります。このような『文字に対する敏感期』に、適切な方法で書き言葉を身につける環境を用意するのはもちろん大切なことで、モンテッソーリの園では『言語』という1つの分野として活動があります。親御さんもお子さんの文字の習得を意識されはじめるようです。しかしながら、言葉に対する関心はもっと前から始まっています。0歳のうちから『話し言葉の敏感期』は始まっているのです。
子どもは、言葉を習得する能力を持って生まれてきます。ただし、環境の中に言葉がなければ、いくら人間の子どもとして生まれてきたからといっても、ひとりでにしゃべれるようになるわけではありません。周りに豊かな話し言葉の環境が必要なのです。
周りのことなどまだ何も分からないように見える0歳の赤ちゃんにも、お母さんは「おなか空いたのね、おっぱいにしましょうねー。」というふうに話しかけたりしますね。これもお母さんが用意してあげられる大切な言語環境です。赤ちゃんはお母さんの温もりや愛情とともに自分に向けられたメッセージをしっかり感じ取っています。たとえ今返事をしなくても、話しかけられたり家族のおしゃべりを聞いたりといった豊富な話し言葉の環境に取り巻かれていると、子どもの内面ではたくさんの言葉が吸収されていきます。そのうちに楽しいおしゃべりをしてくれることでしょう。
人類が進化してきた道のりで、私たちの直接の祖先といわれているホモ・サピエンスが最後に生き残ったのは、言葉を操る能力を持っていたからだとも言われています。新しい進化が、考えを組み立てたり知識を伝えたりする力、すなわち言葉によってもたらされたというのは、とても大きな意味があると思います。子どもたちの中にその能力は受け継がれているのですから。
投稿者 wow : 17:58
第14回 天気のいい日は散歩に出かけましょう ~子どもと歩く~
雨の多かったひと月でしたが、皆さん元気にお過ごしでしたか。雨が続くと、専らお子さんと家の中で過ごす時間が多くなります。こんな気候だからこそ、晴れた日には時間をつくってお子さんと散歩に出かけてみませんか。
一人で歩けば10分の道のり、今日は1時間と覚悟してパン屋さんにお買い物という手もあります。
子どもを外出に誘ったら、トイレを済ませ上着を着、靴をはいて・・・と身支度をするわけですが、これは子どもが自分の身の回りのことをできるようになるチャンス。「トイレに行っておこうか」「上着を着ましょう」のように一つづつ声をかけて支度をします。自分でできないところは、「ここが袖。手をいれようね」といったように、意識づけてお手伝いしましょう。『物事をしっかり見る』という姿勢はこんなことでも養われていきます。
さあ、久しぶりの晴れ間に外に出ると、いろんな発見があることでしょう。
空の青さ、乾いたアスファルト、日陰の湿った草むら、色づいた実をいっぱいつけた柿の木に出会うかもしれません。お子さんがどんなものに興味を持つのかあらためて知ることもできます。側溝の穴に小石を落としてみたり、縁石の上ばかり歩きたがったり、階段が好きだったり。ベビーカーで出かけていた時には気づかなかったものに、お子さんが気づかせてくれることもあります。お子さんとの時間を楽しみながら歩いてください。
横断歩道を渡る、車の通る道を歩く、踏切を渡るなど、子どもと歩く際には危険なところがいくつかあります。コースを考えるとともに、手をつないで歩きながら、いずれ一人で歩いていけるようになるために何を示しておくべきか、
考えておくことも必要でしょう。
人類が進化してきた道すじで大きなターニングポイントとなったのが、二本足で立って歩いたことでした。この後、私たちの祖先は、手を使い指先を駆使して脳を発達させ、私たちはヒトとしてここまで発展してきました。
お母さんのおなかの中から生まれてきた一人の子は、その昔海からの上陸を果たした祖先のように、生命の進化をたどりながら成長し、今ヒトとして歩み始めています。
私は人類の進化に立ち会っているのだ、と思いながらお子さんと一緒に歩くのも、楽しいと思いませんか。
投稿者 wow : 17:41
第13回 トイレトレーニングと自立 ~トイレトレーニングは自分で脱ぎ着ができるようになるチャンスです~
しばらく続いた暑さもようやく終わり、秋の気配が少しずつ色濃くなってきました。
さてこの夏、おむつ外しに挑戦したけどだめだったわ、というお宅もあったことと思います。おむつが外れる時期は、季節にかかわらず子どもの成長と密接な関係があるようです。
子どもの体は脳の発達に伴って機能が充実していきます。寝返りを打つ、ハイハイをする、歩く、というおもてに現れる成長は、お子さんの脳のなかで起こっている変化でもあるのです。
おしっこが出る、とか出たとかの感覚を自覚するというのも、そのひとつです。遊んでいる途中に体をぶるっとさせたり、部屋の隅に行ってじっとしていたりといったサインが見られたら、トイレトレーニングができる時期になったなと思ってください。
トイレトレーニングは子どもが自分の身の回りのことをできるようにするよい機会でもあります。
トイレに誘ってタイミングが合わなくても、がっかりすることはありません。パンツやズボンの着脱を練習するチャンスです。
パンツ型のおむつ又はトレーニングパンツと、子どもが自分でふちを持ちやすいゴムのウエストのズボンを用意します。子どもがトイレから出たら、床に座った足の先に、パンツ、ズボンの順にはけるようにそれぞれを置きます。
パンツのゴムの部分を子供に持たせて片足ずつ通し、ひざの上まで上げるように補助します。子どもに立ってもらってウエストまで上げるのを助けます。おしりが引っかかることが多いので、主に後ろのほうを補助するといいでしょう。ズボンがある場合も同様です。
「自分で履けたね。出来ないところはお手伝いするから次も自分で履いてみようね。」
これを、トイレに行くたびに繰り返していれば、トイレトレーニングが完成する頃には自分でパンツの脱ぎ履きもできる子に育ってくれていると思いませんか?
自分の身の回りのことが出来るようになることは、自分でトイレにいけるようになるのと同じように大切です。
モンテッソーリの教育は教具を使ってするお仕事だけをさすのではありません。普段の生活の中で子どもの自立を助けるいろんな方法を、ご家庭でも工夫して、楽しく子育てしていきましょう。
投稿者 wow : 17:30
第12回 生活の中で子どもは自分を成長させます ~水に親しむ~
暑い日々が続いていますが、お子さんといっしょにどんな毎日をすごしていらっしゃいますか。ぬれても気にならないこの季節、水に親しむにはいいチャンスです。冷たくて気持ちがいいだけでなく、触ると確かに手ごたえはあるのに握ることは出来ない不思議な存在。そして赤ちゃんにとってはお母さんのおなかの中の記憶ともどこかでつながっている懐かしい存在かもしれません。
そのせいでしょうか。子どもたちは水が大好きです。石鹸を使って手を洗うことを覚えると、もうきれいになった手を何度も何度も繰り返して石鹸で洗おうとする子も珍しくありません。
おとなにとっては手の汚れを落とすのが目的で、きれいになったらもうおしまい、というのは当然のことなのですが、子どもは違います。水道から出る水が洗面器にたまったり、ちょうどいい分量のところで自分で水を止めることができたり、石鹸をこするとぬるぬるしたり、手をこすり合わせると泡が増えていったり、というような手を洗う過程自体が楽しいのです。すこし大きくなると、このような興味も消えてしまうので、もしこんなお子さんの姿を見たら、できるだけ見守ってあげたいですね。
でも、その後は洗面台のまわりがびしょびしょ。「あーあ」とため息をついてふき取っていたお母さん、子どもが扱いやすい大きさの小さな雑巾を用意しましょう。洗面台に飛び散った水、床にこぼれた水に気づかせて、雑巾でゆっくり拭いてみせます。水が吸い取られてきれいになったら、「きれいになったね。気持ちがいいね。Aちゃんの雑巾はここに置くことにするから、水がこぼれたときにはこうやって拭こうね。」
ここで、子どもは拭くという行為に興味を持つかもしれません。リビングでお茶をこぼしてしまったときに、雑巾で拭くことを思い出すかもしれません。それとも、顔を洗って洗面台を汚したお父さんに、雑巾で拭くときれいになるんだよ、と教えてあげるかもしれませんね。
ぬれた雑巾を絞っているお母さんを見て、出てくる水に興味を持つ子もいるでしょうし、私が絞るという子も出てくるでしょう。
スポンジが水を吸うように、いろいろなことを吸収するこの時期に、日々変化していく子どもと過ごす時間は宝物だと思います。ちょっとした工夫が子どもを育て、子どもの世界を広げます。楽しみながら子育てしていきましょう。
投稿者 wow : 17:23
第11回 豊かな感覚を育もう ~感覚教育はお母さんもいっしょに楽しむところから始まります~
まわりの環境から必要なものをどんどん吸収していく乳幼児期には、特別に敏感な感受性を発揮する「敏感期」が訪れます。
今日はその中で、「感覚の敏感期」と呼ばれる時期に対応している「感覚教育」についてお話ししましょう。
私たちがまわりのものを知るための窓口となっているのが、「目、耳、鼻、皮膚、舌」という感覚器官です。「目で見る」「耳で聞く」「鼻でにおいを嗅ぐ」「手で触る」「舌で味わう」というように、五感を使うことによってその刺激は脳に伝わり、脳はそれを認識し必要な指令を体の器官に伝えます。
さて、私たちが生きていくために必要なこの五つの感覚が完成されるのが幼児期です。
お子さんが、上空を飛ぶヘリコプターの音にいち早く気づいたりしたことはありませんか。またお気に入りのぬいぐるみやタオルの感触やにおいを楽しんでいつまでも離さないといった経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
子どもは身近な環境を懸命に知ろうとする中で、音や肌触りといった情報のわずかな違いを見分ける力をつけていきます。このために、それぞれの器官をよりよく使って感覚を洗練させていく感受性が敏感になります。人間として発達していくために、この「感覚の敏感期」に、外界から感じ取る感覚を磨いておく必要があるのです。
モンテッソーリ教育には、この敏感期に対応した「感覚教育」という分野があります。モンテッソーリの園を見に行くと特徴的な「はめ込み円柱」「ピンクタワー」「茶色の階段」「赤い棒」などの教具は、子どもたちが感覚を用いてそれぞれのわずかな違いを比べて段階づけていくという活動に使われます。
これらは子どもの発達に則した優れた教具ではありますが、大切なこの「感覚の敏感期」にご家庭でも出来ることはたくさんあります。
毎日の生活の中でお子さんにいろんな体験をさせてあげてください。お散歩の途中で青空を見たり、夕焼けの空を鑑賞したり、ときには雨を手のひらに受けてその感触を楽しんだっていいんです。洗面器に水を汲んで水遊びも子どもは大好きですし、お母さんが歌を歌ってあげるのもいいでしょう。軟らかいおやつとちょっと歯ごたえのあるおやつ、甘い味つけとちょっと酸っぱい味つけ、カレーのにおいやホットケーキの焼けるにおい。なあんだと思われるかもしれません。でもお母さんもいっしょに楽しむ生活の中に、感覚を豊かに育むチャンスは潜んでいるのです。
投稿者 wow : 17:19

