Category Archives: 鎌田妙子の子育て教室

第20回 再スタートを切ることになりました。

 皆様、遅まきながら新年あけましておめでとうございます。
色々あった2004年でございましたが、2005年に入って早1月も末。いつもながら月日の経つ早さにただただ驚くばかりです。

 皆様にとって今年の年明けはいかがでございましたか?お子様は1年1年成長の楽しみがありますよね。
 さて、私鎌田はこのたび縁あって20年ぶりに本年4月より、横浜市青葉区たまプラーザにて横浜市認可保育園の園長として再スタートを切ることになりました。
 まさに地域に根ざし、異世代交流も計画に入れた斬新な保育サービスを提供して参りたいと考えております。

 皆様にはあらためて4月から園長だよりとしてさまざまなニーズを提供して参りたいと思っておりますので、どうかお楽しみにお待ち下さい。

オフィス 鎌田 代表 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第19回 もうすぐ今年も終わりますね

皆様、もうすぐ今年も終わりますが、風邪など、ひいてはいらっしゃいませんか? (私鎌田は、今現在風邪引きの真っ最中です、♪まっ赤なお鼻のおばさん状態)

今年は、本当にいろいろな事がありました。

まずは異常気象に驚かされ、そのせいかどうかはわかりませんが、人の心がどこかへ消えて無くなってしまったのではないか、と思われるような悲しい事件もたくさん発生しましたね。

ここのところ、厚生労働省と文部科学省との間で、長年に渡って討議され続けてきた幼保一元化問題がまたしても浮上しているわけですが、幼稚園と保育所のそれぞれの立場の問題点ばかりが先行し、またしても、上記の問題に関る抜本的な問題解決には到底及ばない状況です。

国は、少子化にストップをかけようと何年間も言い続けながら、実際には決してそれらに効をきたさない施策ばかりであることになんとも理解に苦しみます。

どう考えても、社会の構成員となるべき子ども達の育ちに関る国家予算を年々減らし続けていくことに対しては、社会にとって大切な子ども達を一体全体誰がどう育てていけと言うのか、と怒りさえ覚えます。

そんな中、私鎌田はこの度ご縁があり、来年4月にOPEN予定の横浜市認可保育所の園長をお引受けすることとなり、昨日、3回に渡って入園説明会をさせて頂いたわけですが、1回目から3回目まで、実に様々なご意見やらご質問を頂いて、昨今の保護者の皆様方の積極性と個性を充分に感じさせられた1日でありました。

前述のように、不信感を抱かざるを得ないような世の中、大切なご自身のお子様を託す場所として細かいところまで気になさるのは、ある意味当たり前とも言えましょう。

でも、少し・・・疲れ果てました。

お正月まであと僅か、来年はどんな年になるのでしょうか・・・・。

何が起こるのか、それらにどう対応して、どう生きぬいていけば良いのか、はまさに自身が判断し、自身が責任を持って受け入れていくしかないわけですから、ウエットな見方ではなく、ドライな見方も必要なのかもしれません。

でも、やっぱり本音はちょっぴり淋しい気がします。

今の世の中、信頼を築くのは容易ではないということなのでしょうが、それって社会の崩壊に向かっているような気がしてなりません。

自分のことしか考えない、他人を信用しない、自分の価値判断を押し通そうとする、それじゃぁ仲間の輪は大きくなりませんよね。

私は“人”が好きです。
いろいろな人がいて、ややこしいから、難しいから、面白いのです。
これまでもいっぱい失敗もし、悲しい思いもしてきました。
でもそれが人間なのだろうと思っています。

人には“心”があります、つまり情緒です。
もしかしたら、私は人の心に触れることに興味があるのかもしれません。
心の問題は、“気”の持ち方一つで180度変わってしまうものですから、“心”って面白いものです。

とにかく、人間としてこの世に生命を戴き、その生命を全うするまでの何年間を時には謙虚に、時には伸びやかに、意義あるものにしていきたいと思います。

どうぞ、良いお年をお迎えください。

オフィス 鎌田 代表 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第18回 「世界の言葉」について

皆様、こんにちは!!

今回の新潟地方の地震被害、大変でしたね。
私どもはせめて義捐金くらいしかお手伝いできませんが、現地の皆様にはこれからますます寒くなる時期、苦境に負けず、お互いに力を合わせて頑張って下さいませ。

さて、そんな大変な思いをなさっておられる方が大勢いらっしゃる中、お気楽な話題で大変恐縮ですが、とにかく元気に生きていかなければならない大人(特に奥様方?)の昨今の生き甲斐とでも言うのでしょうか、ご存知のごとく韓流ブーム、あの世界的にも不便極まりない成田空港までわざわざ出かけていって出迎える人・人・人・・・・・。

何故?どこが?と思っている私は珍しい部類だそうで、先日も地下鉄の中で真向かいに座っていらっしゃる女性(恐らく30代後半)が、一生懸命に“ホテリヤ”というTVドラマ(今はもう終了しています)の本(?)みたいなものに食い入るように見入っている姿を見かけました。

「あらっ、興味ないなんて言いながら、よく知っているじゃない」と言われてしまいそうですが、実は仕事がフリーになってからの私は、出かける時間が不規則になり、たまたまスイッチを入れたときのドラマが“ホテル”に関する内容であったため時々見ていた、というわけなのです(ちょっと恥ずかしい・・・)。

しかしながら、先ほどの女性、人目はばからずとにかくその本のようなものに見入り続け、そこがどこかを忘れたかのようにしまいに鼻をほじリ出す始末、その様子を見てしまった私はガックリきましたが、その女性は降車駅に着くなり我に返ったようにスッとその本のようなものを仕舞いこみ、顔を上げたら普通にきれいな奥様風の方でした。

何でだろう・・・なんてフレーズはもう古くなってしまいましたが、なんで今頃になって三昔前のような内容のドラマが放映され、しかも韓国ものであるのだろう、と思っているのは私だけなのでしょうか?

ただ、目先を変えれば、それこそつい最近まで日本人が韓国人を差別したり、韓国の方が日本人を敵視していたりしていた歴史があったことを思うと、今のような流れはむしろ平和へ向かっていると言えるのかもしれません。

ただし、良識だけは失わないようにして頂きたいものです。

一つ、そこから私なりに学んだことは、言葉の交流が始まってきていること、これは素晴らしいことだと思います。

世界共通語である英語が、ついに日本においても小学校から必須科目になることもそうでしょうし、日本では韓流ブームから韓国語講座が流行ったり、韓国ではそのブームのお蔭で日本語を覚えようという人が増えたりと・・・・・。

しかしながら、単に言葉を暗記するだけでは真にその国のことを知ることにはなり得ません。

願わくば、その国の文化に触れることから始めて、言葉の生業を知ることだろうと思われます。

韓流ブームもブームだけで終わってしまわないで欲しいものと思います。

オフィス 鎌田 代表 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第17回 「英会話」について

皆様、もうすっかり秋色ですが、お元気でいらっしゃいますか?

地域差はもちろんあるでしょうが、もうすっかり秋の空ですね。
1ヶ月に1度、こうして皆様にお便りをさせて頂いているわけですが、月日の経つ早さにいつものことながら驚いております。

ところで、今年の秋の流行色は、チョコ茶とグレーとか・・・・。
いつもいつもそんな流行に合わせてはいられませんが、ちょっとは気になりますよね。
そんな時、少しだけ流行色を差し色に使うのも手ではあります。

さて今日は、今一番人気の英会話について考えてみたいと思います。

現在、巷の幼稚園・保育所で取り入れて欲しい一番人気は言うまでもなく英会話、と言っても1才児からの英会話といえば、遊びの中に少しだけ取り入れているのが関の山。
2才児からは、もう少し本格的な英会話も可能にはなることでしょうけれど・・・・。

とはいえ、普通の幼稚園・保育所に本格的な英会話を教えてもらおうというのはちょっと虫の良い話かもしれません。
幼稚園・保育所にはそれぞれの役割があるわけですから・・・・・。

本格的に英会話を教えようとする場合は、正確な発音を教えてくれる先生のもとに付けなければかえって後が大変だと聞きます。

私も含めてですが、大学を出たとはいえ殆ど英会話のできない日本人にとって、どれが正確な発音か判断する事は大変に難しいことだと言えましょう。
自身が英会話に自信が持てない場合は、ご近所の評判や英会話の得意な人に判断をしてもらうのも一つの方法のようです。

そんなせいもあってか、よくお子様だけに英会話を覚えさせようとなさる親御様がおられますが、でき得ることならば、お子様だけに英会話を覚えさせようとするのではなく、親御様もご一緒に覚え、ご自宅でも英会話を取り入れていくことが、より確実に身に付けさせる方法だと思います。

毎日、1つずつでも単語を覚えること、繰り返し使うことが覚えた言葉を忘れず、知らず知らずのうちに身に付いていくということでしょう。

世界の標準語である英語が普通に話せたら、どんなに世界が広がることでしょう。
これからの子ども達には本当にもっともっと世界に羽ばたいて行って欲しいものと、私も思いますが、一方で、自分の住む国の歴史・文化・教養も同じく身につけて行って欲しいものと思います。

昨今、先行き不透明なところもたくさんある我が国ですが、先のある子ども達のために、大人である我々がしっかりと道を切り開いていってあげなければならない義務があるのです。

子どもも一個の人格を持った人間です。
決して大人の従属物ではないのです。

子どもが成長し、一人で生きて行かれるようになるまでは、親御様を中心として社会の大人皆の責任であることを、改めて考えていきたいものと思います。

何事も、子どもだけに押し付けることなく、皆で一緒に取り組み、皆で考えて行きたいものです。

これから、ますます寒くなる時期、くれぐれもお身体に気をつけて下さいね。

オフィス 鎌田 代表 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第16回 「自分磨き」のススメ

幼稚園児をお持ちの皆様、久し振りに自由時間が持てますね!!

暑く長かった今年の夏もそろそろ終盤に近づき、お家の中を走り回っていたお子様もようやく幼稚園が始まって、ホッとなさっておられる事でしょう・・・・。

さて、そんな皆様に少し“ご自分磨き”をお薦めしたいと思います。

1日は24時間、その3分の1は眠っているとして、あとの16時間をどのように過ごしていらっしゃるか、改めて考えて見るのも良いのではないでしょうか・・・・。

おそらく、朝は6時30分から7時起き、朝食の仕度をなさりご主人を送り出し、次にお子様を幼稚園へ送っていかれる、その後の3時間程で家の掃除や洗濯、お買い物、そして幼稚園のお迎え時間がすぐにやってきて、お子様を連れて帰ってからはとにかく何が何だか追われて時が経つ、そうして早くも夕食の仕度、お子様と夕食、お風呂、お子様を寝かしつけて、それからがご主人のお世話、そしてやっと就寝・・・・・。

細かいところは別として、こんなタイムスケジュールで毎日毎日を送っていらっしゃるのではないでしょうか?

何だかこれって自分自身はどこ?って感じですよね。

確かにどこで時間を取れば良いの?というタイムスケジュールになっていますが、改めて時間を見直してみればどこで時間を作れるかは一目瞭然ですよね。

お子様を幼稚園に送っていった後からお迎えまでの約3時間、この時間をいかに上手に使うかです。

今は掃除も洗濯も殆ど機械がしてくれる時代です。
だとしたら、朝10分早く起きて洗濯物の仕分けをし、洗濯機のボタンを押してから朝食の準備に入り、幼稚園の送りから戻ってきたら即家中の掃除機をかけ、埃を払い掃除を終える。

そうしているうちに洗濯物が出来上がりますよね。
しかしながら、そこでご自分で洗濯物を取り出して干し始めてはだめですよ。
洗濯物は、幼稚園から帰ってきたらお子様に手伝わせて一緒に干すことが大事です。

そのまま残しておきましょう。

買い物だって、場合によっては家まで届けて頂ける時代です。
バーゲンだからそんな事は行っていられない、という時でも幼稚園の帰り時にお子様と一緒になさっては如何でしょうか。

だとしたら、この3時間は掃除機をかけて埃を取る掃除の時間に1時間ほどを回すだけで残りの2時間は余裕でご自身の時間に充てられるのではありませんか。

結婚前になさっておられた仕事や趣味、これからしてみたいなと思っていらっしゃる事、何でも良いのでそれらに関連する“何か”をしてみては如何でしょうか?

お美顔だって良いのですよ、いつまでも若く綺麗でいることはとても良いことです。プランターで花や野菜を作るのも良いかもしれません。英会話をなさるも良し、とにかく“自分のためだけの時間を作る”という事です。

そうすると、お子様のこと、ご主人のこと、ご家族全員のことがゆっくりと落ち着いた気持で見たり、考えたり出来るようになると思いますよ。

もう少しで本格的な秋の到来、新しいことをなさり始めるには良い時期ではありませんか?

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第15回 「小さな親切」をはじめよう

皆様、暑い日が続いておりますが、お元気でいらっしゃいますか?

暑っ苦しい毎日、何となくイラツキがちなそんな中、先だって笑っちゃうような、でも何となくほのぼの?とした光景を目の当たりにしました。
それは、仕事に行く途中での車中のできごとでした。

地下鉄に乗っていた私がぼんやりとしていると『千駄木』駅に到着したらしく、ドアが開いたなと思いながら何気にそのドアに目を向けると“いかにも”という感じの、その割には細くて小柄な『突っ張り兄ちゃん』が大股開きで乗りこんでくるのが見えました。

そしてその兄ちゃんは、ちょうど私の斜め前の空席を見つけゆっくりとその席に歩みより、大股を開き、腕を組んでどっかりと座り込みました(小柄なせいか、あまり“こわそう”ではない)。

千駄木駅からは、その後も引き続きたくさんの乗客が乗りこんできたのですが、その乗客の中の小学3年生くらいと思われる男の子とお腹の膨らんだ母親の親子連れが空席を探してキョロキョロとしはじめたのです。

するとどうでしょう、即、その兄ちゃんが母親のバックをトントンとたたき、「俺、北千住で降りるからよ」と、これまた細い身体に似つかわぬ太いダミ声で言い、席を立ち上ったではありませんか・・・・。

一瞬驚きの表情を浮かべながらも「有難うございます」と言って座り込んだ親子、その後席を譲りドアの側に立っている兄ちゃんに向かって頭を下げる母親、兄ちゃんはちょっと気分良さそうにそのまま股を開き、腕を組んで立ち続け『北千住』までその姿勢を保っていました。
そして北千住駅に着くと、ゆっくりとした足取りで降りて行ったのです。

実はその母親は、私には“ただの太目のお母さん”にしか見えなかったのですが、突っ張り兄ちゃんには『妊娠中』と思っての親切心であったのだろうと思われます。

でも、いいではありませんか、人間関係が希薄になってきている昨今、どんな理由だって優しい心が嬉しい光景でした。

突っ張り兄ちゃんにとっても、とても気持ちの良い1日だったに違いありません。

夏休み、1日に一つ、小さな親切をご家族の皆さんでできることから初めてみませんか?
お盆休みなどでお出かけの時、久し振りにお目にかかるおじいちゃまやおばあちゃまに、旅の途中で巡り合った人々に、ご近所とのお付合いの際に、ご自身の気持の持ち方一つで相手様にも自分にも心豊かな生活が送れる事は必至です。

今日も暑い1日です。

でも、とてもほほえましい、気持の良い1日でした。

あの突っ張り兄ちゃんは、明日も親切な心をお人に与えてくれるのでしょうか・・・・・。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

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第14回 子育てと家庭と仕事のバランス

皆様いよいよ暑い夏がやって参りましたが、お元気でいらっしゃいますか? もう梅雨は明けたかのような暑い毎日ですね。

幼稚園の夏休みももう目の前です。 毎度のことながら、子ども達は楽しみに、親御様は戦々恐々のことでございましょう。

さて、私鎌田はここ半年近く関っていた高齢者施設へ美容師さんを訪問させる会社のサポート業務にピリオドを打ち、改めて保育・教育に取り組むことに致しました。

昨日はその関係でお疲れ様会のようなものがあり、そこで何とも“子育ては、やはり母親次第”という会話で盛りあがりました。 そこの美容師さん達は全員女性、しかも今まさに子育て真っ最中というメンバーが多く、一方ですでにお孫さんまでいらっしゃるベテランさんもいて、そんな話が出てきたということなのです。

そんな様々な状況にある彼女達が同様に悩むことは、やはり“子育てと家庭と仕事のバランスの取り方の難しさ”にあるようで、現に40名ほどいるスタッフの約1割は母子家庭、さらに約1割は別居または離婚を考えていらっしゃる現状、いつになっても本当に難しい問題です。

さりとて、専業主婦でさえあれば何の問題もないかというと、そういうわけでもなさそうで、ちゃんと良い奥様、ちゃんと賢いお母様だった方が突然離婚をする羽目になることもあるようで・・・。

人間はいろいろと困難な状況に陥った時、つい自分を責めたり、逆に相手を責めすぎたりしがちですが、どんな結果であれ大人は自分で考えて自分で責任を取りさえすれば済むことですが、子どもはどうすることも出来ないのです。 自分を責めても、相手を責めたとしても子どもはその両方の子どもであることに変わりはなく、子どもにとってはかけがえのない自分の父であり、自分の母なのです。

そこで昨日、ベテラン美容師の一人が言いました。 「私はね、子どもには小さい時から“お父さんはすごいのよ”、“お父さんは偉いのよ”ってずっと言ってきたのよ、実際にはたいしたことはなくともね。でもだからかもしれないけれど、子ども達は皆今でもお父さんを大事にしているし、皆んな仲良いわよ・・・」 どうという事もない、何気ない会話でしたが、何かふわっと心が温かくなりました。

人間関係難しいと思えば難しい事だらけですが、もしかすると自分の気持の持ち方次第でそう難しくないのかもしれません。

そのベテラン美容師さんはとても素敵で、とても表情豊かな方です。 そういえば、前回ご紹介したお婆ちゃまもとても良いお顔をなさっておられました。

結局昨夜の会話の中で、子育て・家庭・仕事をうまくこなして行くためには、できるだけ夫婦は仲良く、よしんば夫婦の仲が上手く行かなくなった場合でも、母親が明るく元気に子どもに接し目を向けてさえいれば、世間を騒がせているような大きな事件は起こらないし、子どももちゃんと育っていくのではないかという着地点に至ったということです。

幼稚園児をお持ちの皆様も、どうぞご家族仲良く、楽しい夏休みをお過ごしください・・・・・。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第13回 夫婦の絆

暑くなって参りましたね。
そろそろ梅雨入りで、ちょっぴりうっとうしい気分でもありますが・・・・。

さて、私鎌田が高齢者施設訪問から得られることはたくさんありますよ、と前回までも申し上げて参りましたが、今月号では“夫婦の絆”について皆様とご一緒に考えてみたいと思います。

つい先だって、イラクで戦場カメラマンであり、フリージャーナリストでもある男性が反米勢力の人々によって殺害されました。

殺害されたその方は、還暦を迎えてもなお戦場の生の姿を自身の目で見、自身の口から伝えていきたいという信念から、いつでも死を覚悟で戦場に乗り込んで行かれたといいます。

そんな方が、現実にそんな事態に巻き込まれ尊いその命を断ったとき、奥様はおっしゃいました。

「本望だったと思います・・・・、でも、もう一緒に話したり暮らしたりできないのかと思うと淋しくなります・・・」と・・・・。

奥様は日頃よりご主人と同様のお仕事をなさってこられ、ご主人を尊敬しご主人の最高の理解者でもあったようです。

そんな姿をテレビで見、改めて素晴らしい夫婦だなと思ったり、感心したりしたところですが、一方でここ最近お伺いした高齢者施設でこんな光景を見つけました。

「あなたとは、以前どんなお話しをしたかしら?」
相手に合わせていろいろと会話を楽しまれるそのお方は75歳の女性。

「ああ、クソ亭主の話だったわね・・・・」
なんとどぎついセリフ・・・・、と思ったそのとたん、次に発せられた言葉は次のようなものでした。

「でもね、ある方に言われたの。あなた、ご主人が生きていらっしゃるからそんな憎まれ口が聞けるのよ・・・って。確かにそうね、良く考えてみたら自分が具合悪くなった時、何が食べたい?なんて言ってくれるの亭主しかいないものね。そう考えたら若い時いっぱい苦労させられたけど、今頃になって“有り難いな”なんて思ったりして・・・・」

うーん、重みのあるお言葉・・・・。
何気ないそんな会話の中にも、永年連れ添ってきて、ケンカや揉め事ばかりのご夫婦でも、人生の終盤を迎えた時、「ああ、この人は自分にとって最愛の人だったんだ」と思える人生も素敵ですよね。

幼稚園児をお持ちのお母様方にとっては、まさに今がお子様の将来のこと、旦那様の将来のこと、ご自身の将来のことでいっぱいいっぱいの毎日のことと思われますが、いっとき人生の先輩達のそんな生き方・考え方を参考にして、ご夫婦の絆についてじっくりと話し合ってみるのも良いのではないでしょうか?

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

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<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第12回 社会に関わる

皆様、こんにちは!!

早や5月を迎え既にゴールデンウィークも過ぎてしまいましたが、皆様はいかがお過ごしになられましたか?

今年のゴールデンウィークは、海外渡航者が昨年の7割増であったあったということでしたので、皆様の中にも海外で楽しいひとときを過ごされた方も多くいらっしゃったことでしょう・・・・。

しかしながら、せっかく花々のきれいな、そして凌ぎやすい良い季節になってきたというのに、世情は混乱をきたし、相変わらず少子高齢化不安が拭いきれない日本の社会です。

だからといって諦めたり、ただ憂いてばかりもいられません。
皆様も、幼稚園児というこれから社会の一員となる人材を育てていらっしゃるお立場から、是非、これからのこと・社会のあり方を真剣に考えていって頂きたいと思います。

それってどうすればできるの?とお考えの皆様のために、いくつかの情報(方法)を提供致しましょう・・・。
まずは、身近な所から・・・・、日々の生活の中でも、できることはたくさんありますよ。

たとえば、皆様がお住まいの地域に『子育て支援センター』(地域によっては多少名称が違う場合もあります)という場所があることをご存知ですか?
毎月、さまざまなテーマで子育てに関する勉強会を開催していたり、子育てに関する悩みなどの相談を受け付けても下さいます。
もちろん、気軽にお子様連れで遊びに行くこともできます。

ご主人の転勤などで知らない町へ行った場合、どうやってお友達を作ろうか、という時にも大いに役立つようですよ。
その場所がどこにあるかを知る方法は、お住まいの管轄のお役所で問い合わせることです。

それから、ご自分のお住まいの地域やその周辺には、必ず図書館や美術館、博物館や生活観(ガス館、電気館、食品館など)など、様々な情報提供館が存在しているはずです。

そして、先月号でお知らせ申し上げたとおり、私鎌田が今毎日のように訪問している老人ホームやディサービスセンターへのボランティアなども、お子様とご一緒にご家族で週に一度でも月に一度でもしてみてはいかがでしょうか・・・・。

最近伺ったディ?サービスセンターでもこんなことがありました。
矍鑠とした男性のご利用者に「おいつくでいらっしゃいますか?」と尋ねるスタッフ。
「98歳ですよ」と答えるそのご利用者。
「えっ、信じられません、お若いですね」・・・・・、そんな会話が続く中で、「昔はね・・・・・」と、今の時代の生活にもとても役に立つお話しをたくさんして下さいました。

国にとって、子どもは、これから育っていく素晴らしい人材です。
高齢者は、長い人生を生きぬいてこられた知識と知恵を持った貴重な財産なのです。

人間は、他の動物よりもいろいろな意味で能力が高い、だからこそある意味やっかいだとも言えるわけで、一人一人がもう少し謙虚に、シンプルに生きていこうとさえ思えば、戦争や虐待などは起きないのではないかと思うのですが、どうなのでしょうね・・・・。

一人一人の人間が、様々な生き物(動物や植物)の生命を頂いて、それぞれの人間として与えられた寿命を全うしてということがどういうことなのか、を改めて考えてみることも必要なのではないかと思うこのごろです。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第11回 お子様に身を守らせる躾

皆様、お元気でいらっしゃいますか?

ひと月が過ぎることの何と早いことか・・・・・。しかしながら、毎年ちゃんと桜の花は美しく咲いてくれますね。嬉しいことです。

皆様におかれましては、お子様のご卒園・ご入園と、いよいよ4月を迎えてお忙しくお過ごしのことと思われます。

ところで、最近の事故などを見ていますと、こういう忙しい時期にこそ一層気を引き締めて、お子様にはきちんと“躾”をなさっておかれるよう、気をつけて頂きたいと思うところです。

3月に起こった回転ドアの悲しい事故も、お子様が親の手を離し一人で回転ドアに入ろうとして起こったことです。

確かに管理をする側は、常に万が一を想定した万全の体制をとるべきことは当然として、我々自身も常に危険から自ら身を守る意識を持つべきではないかと思うのです。

子どもは成長過程だからこそ、いつでも危険な冒険家です。子どもは成長過程だからこそ、いつでも不安定な心身状態です。

子どもはだからこそ、大人から守られなければならないのです。

これを機に、ご家庭で“お子様に身を守らせる躾”について再確認をしてみてはいかがでしょうか・・・・。

さて、私鎌田もこの春から皆様にご挨拶を申し上げていた通り、新しい人生の出発をしております。

毎日が新しく、毎日が発見の連続です。

そんな中から皆様に、さまざまな情報提供をして参りたいと思います。

今私は、東京近郊の数多くの老人ホームやデイ・サービスを回らせて頂いており、高齢化社会の現実をまざまざと見せつけられております。

幼稚園児をお持ちの皆様方には無関係のことのように思われるかもしれませんが、実は大いに関係があり、是非皆様にも知って頂きたいと思っているのです。

老人ホームの建設は今、猛烈な勢いで増えており、高齢者向けのサービスビジネスは超白熱状態です。

一概には申せませんが、社会福祉法人立の施設と民間企業が運営している施設とではサービスに対する意識がまるで違い、私の見る限りでは施設利用者に対して「お客様」という捉え方をするのが民間企業であるのに対し、社会福祉法人立の施設の場合はどうしても弱者救済の意識が強く、サービスは限りなく無料のものが良いものとされ、お金を支払って行うサービスは悪しきもの的な見方が横行しているように思えてなりません。

何せ、利用者(お客様)の立場に添ってお客様が真に必要とされるものを提供しようという意識がどこまであるのか、どこまで利用者の要望に添おうとしているのかが重要な点であるのに対し、現実は施設側の都合で物事が決まって行くと言うのが本音のように思えるのです。

それって違いますよね・・・・。

さりとて、“お金を支払いさえすれば何でもあり”と言うものでももちろんありません。

特に、先の短い高齢者の方々にはでき得る限りの我侭を聞いて差し上げることは良いとして、これからの社会を生きていかねばならない皆様方のお子様を託す施設は、親御様である皆様方がご自身のお子様に本当に合う施設であるのか(園の方針など)、信頼して任せられる所であるのかどうかを良く見極めて、選択をするべきであろうと思われるのです。

これからは、高齢者施設へもお子様のお預かり施設へも一層民間企業の参入が増えていくことでしょう。そんな中、何が大切なポイントなのかを良く考え、見極める目を養って行って頂きたいと思います。

時間がある時、お近くの高齢者施設へお子様とご一緒にお手伝いに行かれてみてはいかがでしょうか・・・・、きっと新しい発見ができることと思いますよ。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。